シグマ委員会平成 13 年度第 1 回運営委員会議事録

日時:2001年 5月 22日(火) 13:30 - 17:30
場所:霞山会館「ふよう」
出席者:吉田(武蔵工大、主査)、馬場(東北大)、井頭(東工大)、
        北沢(防衛大)、石川(サイクル機構)、瑞慶覧(日立)、
        山野(住原工)、長谷川(原研)、片倉(原研)
   幹事:中川(原研)
   オブザーバー:喜多尾(データ工学)、松延(データ工学)、奥村(原研)、
        秋江(原研)、深堀(原研)

配付資料
1.平成12年度第3回運営委員会議事録(案)
2.リアクター積分テストWG 2000年度活動報告と 2001年度計画(WG議事録より)
3.Shielding 積分テストWG 平成12年度活動報告及び平成 13年度計画(案)
4.標準炉定数検討WG:平成12年度活動と平成13年度計画
5.中高エネルギー核データ積分テストWG 平成12年度活動報告および平成
    13年度計画(案)
6.崩壊熱評価ワーキンググループ平成12年度成果と平成13年度計画
7.核種生成量評価WGの平成12年度活動報告と 13年度計画
8.核分裂生成物収率データ評価WG の平成12年度活動報告及び平成13年
    度活動計画
9.ENSDFグループ活動報告
10.HPRLグループ平成 12年度活動報告・13年度活動計画
11.シグマ特別専門委員会・シグマ研究委員会本委員会 議題(案)
12.日本原子力学会 標準委員会 放射線遮蔽分科会 の活動について
13.ND2001 準備状況
14.NEA WPEC 核データ評価国際協力ワーキング・パーティ第13回会合報告

議事

I. 議事録確認
1.前回議事録確認
  配付資料1の(案)について以下の修正を行った後承認された。
 P 6 下 1 行目  「・・・の作成は出来ない。」→「・・・ の作成は困難
                    である。」
 なお、2年報の編集委員として東北大の岩崎氏の了承を得たこと、原子力学
  会の秋の大会では日韓合同セッションが炉物理部会及び核データ部会共同で
  企画されるため特別会合は開催しないことで了承されているものと認識して
  いるとの事務局より報告があった。

II. 審議事項
1.炉定数専門部会の活動報告と 13 年度の予定
1)リアクター積分テスト WG
  高野リーダーの代わりに秋江専門委員が配付資料2に基づき報告した。
  平成12年度は、JENDL-3.3の積分テストとして熱中性子炉、高速炉体系のベ
  ンチマーク計算をモンテカルロコードMVPを用いて実施した。両体系とも中
  性子実効増倍率の予測精度は良く、おおむね実験値±0.5 %の範囲に入る結
  果を得た。FCA X-2 炉心ではステンレス反射体の体系で 1 %以上の過大評価
  となり、含まれる Fe、Cr、Ni の断面積の検討が必要である。
  平成13年度にもベンチマーク計算を進め、増倍率以外の炉物理パラメータに
  ついて検討する。また、MVPとMCNPコードによる計算結果の差異の検討、鉄
  断面積の検討等を継続するとともに、モンテカルロコード以外でもベンチマ
  ークテストを行う。

  質疑応答、コメントは以下の通りである。

  C. ステンレス反射体体系の過大評価に関し、鉄の断面積は変更する余地が無
     い。現在、Crの修正を行っている。
  Q. B-VI のデータで置き換えてみたか?
  A. FCA 炉心ではやっていない。サイクル機構が実施した常陽 MK-II 炉心の
     計算では置き換えている。
  Q. モンテカルロ計算以外の炉定数の作成予定は?
  A. JENDL-3.3 を用いて作成するシステムの整備は出来た。シグマ委員会で
     要望があれば、6 - 7月頃から作成することは可能である。

2)Shielding 積分テスト WG
  山野リーダーが配付資料3に基づき報告した。平成12年度は、中重核評価 WG
  でファイル化した核種について順次テストを実施した。テストした核種は、
  Al, Si, Na, Ti, V, Cr, Fe, Co, Ni, Cu, Nb, W である。核データ研究会
  や学会で結果を発表している。
  平成13年度には、再改訂されたデータのベンチマーク計算を実施する。また、
  核データ国際会議に向けて論文作成を行う。さらに、原子力学会標準委員会
  において検討項目となっている遮蔽群定数ライブラリーの標準化に対する協
  力方法について検討に着手する。

  質疑応答、コメントは以下の通りである。
 
  Q. JENDL-3.2 とJENDL-3.3 とでそれ程変わっていない核でもベンチマーク
     の結果が大きく違っているのはなぜか?
  A. 処理上に問題があるのかもしれない。核データか処理法か確認してみる。
  Q. ベンチマークに使用しているのは JSSTDL タイプの定数か?
  A. VITAMIN 形式の定数である。

3)標準炉定数検討 WG
  瑞慶覧リーダーが配付資料4に基づき報告した。平成12年度は、「遮蔽用標
  準ライブラリ -JSSTDL- 300 」の報告書作成を行った。また、ワーキンググ
  ループ活動を炉定数専門家会議で報告した。さらに、将来の標準炉定数に関
  するアンケート調査を実施した。平成13年度には報告書を JAERI Report と
  して出版するとともに、適用性評価を行う。また、アンケート調査の結果を
  踏まえ、標準炉定数についての検討を進める。

4)中高エネルギー核データ積分テスト WG
  山野リーダーが配付資料5に基づき報告した。
  平成12年度は、評価が一部完了した Fe、Cu のデータから、MCNP4C 用のラ
  イブラリーを作成してベンチマーク解析を実施した。結果を核データ研究会
  で報告した。平成13年度には、ベンチマーク解析により、中高エネルギー領
  域の積分テスト手法の確立に向けての知見を得るとともに、MVP 等の輸送計
  算コードに対する断面積処理法の適用等について検討する。

2.核燃料サイクル専門部会の活動報告と13年度の予定
1)崩壊熱評価 WG
  吉田リーダーが配付資料6に基づき報告した。
  平成12年度には「JENDL FP Decay Data File 2000」を公開した。ベータ線、
  ガンマ線スペクトルの計算法、極めて短い冷却時間における崩壊熱の解析に
  ついて検討・議論を行った。また、JNC が弥生炉で行っている 235U及び 
  237Npの崩壊熱測定のデータ解析に協力した。
  平成13年度には、「JENDL FP Decay Data File 2000」から FPGS 及び 
  ORIGEN2 両コードのライブラリーを作成する。FP 崩壊熱の仕事が一段落し
  たので、今後アクチニド崩壊熱の評価に向かう。そのためのニーズの調査
  を行う。弥生炉での JNC による測定の今後について質問があったが、「予
  算は12年度までであった。また、担当者が異動し、継続することが出来ない」
  との返答があった。

2)核種生成量評価 WG
  内藤リーダーの代わりに奥村専門委員が配付資料7に基づき報告した。
  平成12年度には、ORIGEN 用の一群定数の作成を進め、報告書にまとめた。
  核定数の燃焼計算に対する感度解析の検討を進めた。また、一群定数の総合
  評価のための検討を行った。平成13年度には、JENDL の利用拡大のための作
  業として、JENDL-3.3によるORIGEN2用ライブラリーの作成の準備、種々のラ
  イブラリー間の燃焼計算の比較による問題点の指摘、一群定数の感度解析の
  方法等の検討を進める。また、核データの精度評価のために炉心詳細計算コ
  ードによる実測データの解析を行うとともに、デコミや廃棄物管理に必要な
  データの精度の現状及び核データに対する要求をまとめる。

  質疑応答は以下の通りである。

  Q. 炉心詳細計算コードの精度評価に使う予定の実測データはどのようなも
     のか?
  A. 美浜や電中研等のデータを想定している。炉物理委員会での検討や調整
     が必要となろう。

3)核分裂生成物収率データ評価 WG
  片倉リーダーが配付資料8に基づき報告した。平成12年度には森山ー大西モ
  デルのパラメータの検討を進め、エネルギー依存性の問題点を摘出した。ま
  た、最近報告された Benllinure 等のモデルの改良の可能性の検討を始めた。
  また、測定データの不足を補うため篠原等が陽子入射エネルギー 30 MeVま
  でで測定した AmやCm等のアクチニドの核分裂収率データを収集した。平成
  13年度には、データの収集及びシステマティックスの検討を継続する。

  以下の質疑応答があった。

  Q. JENDL のための収率データ評価はしないのか?
  A. 150 MeV までのシステマティックス作成を主に考えている。Wahl のシ
     ステマティックスなどある程度使えるものがあり、それをベースに 
     JENDL に入れるのは可能だが、今のところ考えていない。

3.常置グループの活動報告と13年度の予定
1)ENSDF グループ
  喜多尾リーダーが配付資料9に基づき報告した。平成12年度は A=120、126、
  128 の改訂を行った。また、A=122、123、129 の改訂作業を進めている。ユ
  ーザー向けのデータ編集として2000年版核図表の作成を進めるとともに、ア
  イソトープ手帳の改訂に協力した。2000年中に発行された国内文献データを
  米国核データセンターに送付した。平成13年度も引き続き ENSDF の更新作
  業やユーザー向けデータの編集を進める。このグループの今後について、
  「人材の確保が難しくなっており、分担している 12質量は多すぎないか?」
  との指摘があり、グループ内で、今後の活動について検討することとなった。

2)HPRL グループ
  深堀リーダーが配付資料10で報告した。平成12年度は 2001 年版の High 
  Priority Request List 作成のための改訂作業を行った。WPECのHPRL担当と
  なったため抜本的に改訂を行った。平成13年度も引き続きHPRL作成の作業を
  行う。新規要求を活性化するための学会誌等への投稿を引き続き検討する。

4.13年度本委員会について
  中川幹事が配付資料11で今年度の本委員会の議題(案)について説明した。
  議題(案)については了承され、会合は7月13日(金)に開催することとし
  た。

III. 報告事項
1.「遮蔽用群定数ライブラリー」の標準化
  山野委員が配付資料12で日本原子力学会の標準委員会放射線遮蔽分科会での
  議論を紹介し、遮蔽用ライブラリーの標準化が検討されている。シグマ委員
  会でも標準ライブラリーとして満たすべき要件の検討やライブラリーの検証
  作業など協力出来ることがある。標準炉定数検討及び Shielding 積分テス
  ト両WGで議論して欲しい。

2.ND2001 のその後
  長谷川委員が ND2001 の準備状況について配付資料13に基づき報告した。ア
  ブストラクトの審査を行い結果を応募者に通知した。棄却 40 件、マージ57
  件で、最終的に 501件が採択された。第3次案内を送付した。今後参加登録
  を受付、6月にはプログラムを決定し、7〜8月のプログラム部会で承認を
  受けたい。なお、本論文締切は8月末である。査読体制について質問があっ
  たが「各アブストラクトを審査した3名のうち2名に査読をお願いしたい」
  と返答があった。

3.WPEC 会合報告
  長谷川委員が配付資料14に基づき報告した。米国サンタフェで4月12-13日に
  開催された。サブグループ活動については、新たに Fission Product の断面
  積評価のグループが立ち上がり、日本からは KEKの川合氏、東工大の井頭氏、
  原研の中川氏、柴田氏の参加が決まった。次回の核データ国際会議の候補地
  としてサンタフェが挙げられた。Los Alamos National Laboratory が主催す
  る予定である。

  以下の質疑応答があった。

  Q. FP のサブグループの目的はなにか。以前にも FP のグループはあったの
     ではないか。
  A. 以前のグループは非弾性散乱についてのグループである。今回は全体的に
     見直しを図る。一番新しい評価済ファイルである JENDL の評価から7年
     が経過している。
  Q. 次の国際会議はいつ開催されるのか。
  A. 2004 年の予定である。

4.その他
・長谷川委員より核データセンターの現状について、「年々予算が減少してい
  る。認可予算しか使えなくなる。本年度の旅費は昨年の7割である。WG の開
  催等で協力をお願いする。」と報告があった。
・深堀専門委員より「5月28日より、原研のネットワークに Fire Wall の規制
  が入る。核データホームページのアクセスには問題がないよう対処している
  が、何か不都合があれば連絡して欲しい。」と報告があった。
・山野委員より、原子力学会の編集委員に愛知淑徳大の親松氏を推薦したこと
  が報告された。また、原子力誌の5月号より核データ関連の連載講座が始まる
  予定であることが報告された。
・吉田委員より、「5月24日韓国済州島で開かれる韓国原子力学会で、炉物理・
  核データ関連で日韓合同セッションを持つ。これに対応し、秋の日本原子力
  学会で同様な合同セッションを持つ予定である。協力をお願いしたい。」と
  報告された。

IV. その他
1.確認事項
1)宿題事項の確認
 標準化についての標準炉定数検討 WG と Shielding 積分テスト WG での議
  論を報告してもらう。

2)次回日程とオブザーバー
  次回 11月6日(火)