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   平成13年度シグマ特別専門委員会・シグマ研究委員会本委員会議事録

日時:2001年7月13日(金)13:30 - 17:30
場所:サイクル機構青山分室
出席者:吉田 正(武蔵工大、主査)、落合 政昭(原研、委員長)、
        加藤 幾芳(北大)、馬場 護(東北大)、中村 尚司(東北大)、
        久保野 茂(東大)、井頭 政之(東工大)、岡本 浩一(日大)、
        小林 捷平(京大炉)、村田 勲(高橋委員代理、阪大)、難波 
        忠清(核融合科学研)、金井 達明(放医研)、石川 眞(サイクル
        機構)、佐々木 誠(サイクル機構)、大竹 巌(データ工学)、
    喜多尾 憲助(データ工学)、川島 正俊(東芝)、瑞慶覧 篤(日立)、
    更田 豊治郎(海洋財団)、山野 直樹(住原工)、西谷 健夫(原研)、
    長谷川 明(原研)、片倉 純一(原研)
  幹事:中川 庸雄(原研)
  発表者:河野 俊彦(九大)

配付資料
 1.平成 12 年度シグマ特別専門委員会・シグマ研究委員会本委員会議事録
 2.シグマ委員会 運営委員会議事概要
 3.日本原子力学会「核データ・炉物理特別会合」テーマ
 4.核データ部会の主な活動(2000 年 7 月 〜 2001 年 6 月)
 5.大学における核データ活動
 6.JCPRG 2000 年度活動報告
 7.平成 12 年度の原研における核データ関連活動報告
 8.サイクル機構における核データ研究活動
 9.2000 年版核図表
10.Development of Covariance Evaluation Tools
11.核データ専門部会の平成 12 年度活動報告と 13 年度の予定
12.炉定数専門部会の平成 12 年度活動報告と 13 年度計画
13.核燃料サイクル専門部会平成 12 年度活動報告及び平成 13 年度計画
14.常置グループ活動報告
15.2000 年核データ研究会報告
16.OECD/NEA/ 第10回 NSC 実行グループ会合報告、NEA WPEC 核データ評
      価国際協力ワーキング・パーティ第13回会合報告
17.科学と技術のための核データ国際会議 ND2001 準備状況

主査及び委員長挨拶
 シグマ特別専門委員会の吉田主査とシグマ研究委員会の落合委員長より挨拶
  があった。

議事

1. 報告事項
1.1 運営委員会報告
  配付資料2に基づき、片倉氏が昨年の本委員会後に開催された3回の運営委
  員会について、議事概要を報告した。

1.2 原子力学会関連
・配付資料3に基づき、中川氏が原子力学会 2000 年秋の大会、2001 年春の年
  会の「核データ・炉物理特別会合」のテーマについて報告した。
・配付資料4に基づき、吉田氏が原子力学会「核データ部会」の活動について
  報告した。

2. シグマ委員会人事
  原研の人事異動による本委員の交代について中川氏が報告した。

3. 国内研究機関の核データ活動
3.1 大学関係
  配付資料5に基づき、東北大学の馬場氏が大学における核データ関連の活動
  について報告した。
  数 10 MeV、GeV 領域における研究が進展している。大学と原研やサイクル
  機構との共同研究、委託研究が行われている等の特徴が見られる。

3.2 日本荷電粒子核反応データグループ
  配付資料6に基づき、北海道大学の加藤氏が JCPRG (日本荷電粒子核反応
  データグループ)の2000年度の活動について報告した。NRDFへの文献数の入
  力は 1,162 編となった。EXFORへの変換は、機械的には行えない問題がある。
  現在、NRDFからEXFORに変換されたものは171 エントリーで EXFOR全体の 
  5 % 程である。

3.3 原研
  配付資料7に基づき、中川氏が池田氏に代わり原研の活動について報告した。
  高エネルギー加速器や核変換に関する実験や解析を実施している。ベンチマ
  ークテストにより JENDL-3.3 の構造材核種の見直しを示唆した。

3.4 サイクル機構
  配付資料8に基づき、石川氏がサイクル機構における核データ研究活動を報
  告した。新しい手法による FP 核種の断面積測定や大学に委託して FP や 
  MA 核種の断面積測定も実施しており、このデータを JENDLに反映するよう
  核データセンターに評価作業を委託している。また、弥生炉を用いた崩壊
  熱測定、常陽を用いた遮蔽特性の解析や崩壊熱測定、高速炉用統合炉定数の
  作成が行われた。

4. 特別講演
4.1 核図表 2000
  片倉氏が 2000年版核図表の作成について講演した。原子番号 101以上の元
  素名を IUPACにおける1997年の Recommendationに合わせた他、物理定数表
  を 1998年の CODATA推奨値に改訂した。実験的に同定されている核種は、約
  2800種で、そのうち約2600種は半減期も測定されている。半減期も測定され
  ている核種は、年間約30核種、同定のみの核種は年間約40核種の割合で、毎
  年増加している。この割合はここ20年間ほど変化していない。

4.2 共分散評価のためのツール開発
  河野氏が共分散評価用のツール KALMAN コードシステム及び同時評価用の 
  SOK コードについて講演した。KALMAN コードシステムでは理論計算コード
  と連携して、モデルパラメータの誤差を求め、それから断面積の共分散など
  が求められるようになっている。共分散の評価、同時評価等について例をあ
  げて説明した。講演後誤差に関しての議論が委員との間で行われた。

5. シグマ委員会平成12年度活動報告と13年度計画
5.1 核データ専門部会
  配付資料11に基づき、井頭氏が以下の6WGについて報告した。
  (1)高エネルギー核データ評価 WG
  (2)評価計算支援システム WG
  (3)荷電粒子核データ WG
  (4)遅発中性子 WG
  (5)中重核評価 WG
  (6)重核評価 WG
  荷電粒子、遅発中性子、中重核、重核の各WGは平成12年度で終了予定であっ
  たが、報告書作成等残っている作業を終了させるため、平成13年度まで活動
  を延長することとした。

5.2 炉定数専門部会
  配付資料12に基づき、山野氏が以下の4 WG について報告した。 
  (1)リアクター積分テスト WG
  (2)Shielding 積分テスト WG
  (3)標準炉定数検討 WG
  (4)中高エネルギー核データ積分テスト WG
  JENDL-3.3 のベンチマークテスト、JENDL-HE のベンチマークテストの準備
  等を行っている。原子力学会標準委員会の放射線遮蔽分科会での遮蔽群定数
  ライブラリーの標準化に関する検討への協力方法について Shielding積分テ
  スト及び標準炉定数検討両 WG で検討を進める。

5.3 核燃料サイクル専門部会
  配付資料13に基づき、片倉氏が以下の3WGについて報告した。
  (1)崩壊熱評価 WG
  (2)核種生成量評価 WG
  (3)核分裂生成物収率評価 WG
  崩壊熱評価 WG は JENDL FP Decay Data File 2000 の作成でFP崩壊熱に関
  しては一段落となり、今後アクチニド崩壊熱に、ニーズを調査しながらシ
  フトする。核種生成量評価 WG で整備したORIGEN用ライブラリーの公開手続
  きは終了している。NEA DATA BANKにも登録した。RIST を通して利用可能で
  ある。

5.4 常置グループ
  配付資料14に基づき、中川氏が以下の6常置グループについて報告した。
  (1)ENSDF グループ
  (2)JENDL 編集グループ
  (3)CINDA グループ
  (4)医学用原子分子・原子核データグループ
  (5)核データニュース編集委員会
  (6)HPRL グループ
  各グループとも予定通りの活動を継続している。

6. 2000 年核データ研究会報告
  配付資料15に基づき、山野氏が報告した。平成12年11月16、17日に155名
  (内外国人16名)の参加を得て開催した。JENDL-3.3とJENDL-HEの評価・積
  分テストを主眼としたプログラムとした。なお、口頭発表18件、ポスター発
  表40件であった。

7. その他
7.1 核データ関連国際情勢
  配付資料16に基づき、長谷川氏が OECD/NEA のNSC 実行グループ会合及び
  WPEC 評価国際協力ワーキングパーティ会合の報告を行った。データバンク
  の核データサービスではインターネットを介したデータ取得が増加している。
  有料配付であった JEF-PC の次期版 JANIS は日本からの強い意見で無償配付
  が実現する運びとなった。EXFOR、CINDA については予定通りデータの収納・
  編集が行われているが、バックログの解消に対する強い意見が出ている。
  WPEC の会合では、Fission Product の断面積評価についてのサブグループ
  の提案があり、日本からの参加も決まった。次期核データ国際会議の開催地
  候補としてサンタフェが挙げられ Los Alamos 研究所が主催する予定である。

7.2 2001 年核データ国際会議
  配付資料17に基づき、長谷川氏が核データ国際会議 ND2001 の準備状況に
  ついて報告した。これまで、応募論文の採択、通知、第3次案内の発送等を
  行った。今後、第3回組織委員会、プログラム部会、企画運営部会を開催し、
  プログラムの最終案を確定する。組織委員会等の開催は9月上旬の予定であ
  る。