シグマ研究委員会光核反応データWG1994年度第3回会合議事録(案) 日時 : 1995年3月10日(金) 14:00 -- 16:30 場所 : 東工大原子炉工学研究所第一会議室 出席者 : 浅見、井頭、五十嵐、岸田、千葉、村田 欠席者 : 井口、北沢、小林、肥田 1 : 前回議事録の確認。 2 : 評価関連事項 a. 岸田委員が資料PNWG-94-12に基づき光核反応で放出される核子の DDXの実験式に関し紹介した。Chadwickによるこの実験式は測定 値を良く再現するので、光核反応に対して裏付けの無いKalbach による実験式に替えて採用しても良いように思われる。 Chadwickの実験式を採用したときの問題があるとすれば、現時点 ではMF=6のDDX表現法として認められていないことである。しかし、 この点に関しては、MF=1で明示するかENDF-6フォーマットを拡張 するようにNNDCに提案すれば良いとの意見が出された。 b. 岸田委員が資料PNWG-94-15に基づきバリアンス・ファイルMF=33の 作成法に関し解説した。 3 : 評価最終・中間報告 a. 岸田委員がPNWG-94-13に基づき$^{51}$V、$^{64}$Zn、$^{160}$Gd の評価結果について報告した。ALICE-Fは$^{64}$Znの陽子生成断面 積とアルファ粒子生成断面積を極めて大きく評価してしまう。その ため理論積分吸収断面積がE1和則値の3倍にもなってしまい、評価 値としては採用できない。これを解決するために、陽子とアルファ 粒子のクーロン障壁の高さを大きくし、和則値を越えないように最 終的な評価値を決定した。 ALICE-Fが荷電粒子放出断面積を過大評価するのは、逆反応断面積 の計算にシャープ・カット・オフ・モデルを使用したためではない かと考え光学モデルによる計算を行ってみたが、結果は5 %も変化せ ず、やはり和則を破ることに変わりはなかった。 今迄のALICEによる理論評価の経験から、荷電粒子放出の閾値が中性 子放出の閾値よりかなり小さな場合に、不具合が生ずる事が判明し ている。しかし、なぜALICEがかくも大きな荷電粒子放出断面積を計 算してしまうのか今の所不明である。一つ考えられる原因は、角運 動量の選択則がGNASHと異なり全く考慮されないところにあるのかも しれない。 b. 岸田委員がPNWG-94-14に基づき$^{54, 56}$Feの評価結果について報 告した。ALICE-Fは理論積分吸収断面積をE1和則値に比べてかなり過 小評価してしまうので、これを解決するために、陽子のクーロン障壁 を低くして、和則値を満たすように最終的な評価値を決定した。 c. 村田委員が資料PNWG--94--16に基づき評価担当核種の残作業につき報 告した。C、N、OのDDXの理論評価を除きほぼ完了し、現在EXIFONコー ドを改良してEDXの計算を行っている。角度分布はChadwickのシステマ ティクッスを使用する予定である。本年7〜8月頃にはファイル化を終 了させる計画で作業を進めている。 4 : その他 a. 村田委員の担当核種($^{12}$C, $^{14}$N, $^{16}$O)と五十嵐委員の 担当核種($^{209}$Bi)の評価値のファイル化は千葉委員が行うことに なった。 b. 各委員の残作業を確認するために、残作業チェックリストを配布した。 各委員は次回会合までに岸田委員にチェック済リストを返送するとと もにファイル化完了時期を回答することになった。 c. 資料PNWG--94--18に基づき来年度活動計画案につき議論した。来年度 はファイルの第1版を配布できるようにするために、ファイル化に集 中することにした。 d. 岸田委員が4/1/'95より計算科学技術推進センターに出向となるので、 それにともない委員会活動継続が困難となった場合は、WGリーダーを 千葉委員に交替してもらうことを内定した。 5 : 次回予定 次回は平成7年7月7日(金)に原研本部で開催予定。 主な内容は、 一般連絡事項 ファイル化最終報告(各委員) JAERI-M原稿紹介(各委員) その他 配布資料 PNWG--94--12 & : & A quasideuteron model for double-differential emission spectra in photonuclear reactions by M. B. Chadwick (岸田)\\ PNWG--94--13 & : & $^{51}$V, $^{64}$Zn, $^{160}$Gd 光核反応断面積評価 (岸田)\\ PNWG--94--14 & : & $^{54, 56}$Fe+$\gamma$反応評価 (岸田、井頭)\\ PNWG--94--15 & : & How to write MF=33 (岸田)\\ PNWG--94--16 & : & D,C-12,N-14,O-16評価の現状と残作業 (村田)\\ PNWG--94--17 & : & 光核反応データ評価作業状況チェックリスト (岸田)\\ PNWG--94--18 & : & 光核反応データWG1994年度活動報告及び1995年度活動計画 (岸田)\\ ---------------------------------------------------------------------- 以下は jLaTeX をお持ちの方のための議事録です。 \documentstyle[11pt,a4j]{jarticle} %\setlength{\topmargin}{0mm} \setlength{\oddsidemargin}{0mm} \setlength{\evensidemargin}{0mm} \setlength{\headheight}{0in} %\setlength{\footheight}{0in} \setlength{\topskip}{0in} %\setlength{\footskip}{0in} %\setlength{\textwidth}{25cm} %\setlength{\textheight}{17.0cm} %\pagestyle{empty} %\nopagebreak % % \begin{document} % %\maketitle % \center{{\large {\gt シグマ研究委員会光核反応データWG{\bf 1994}年度第{\bf 3}回会合議事録}}} \vspace{1zh} \flushleft{日時 : 1995年3月10日(金) 14:00 -- 16:30} \flushleft{場所 : 東工大原子炉工学研究所第一会議室} \flushleft{出席者 : 浅見、井頭、五十嵐、岸田、千葉、村田} \flushleft{欠席者 : 井口、北沢、小林、肥田} \vspace{1zh} \flushleft{議事 :} % \begin{enumerate} % \item 前回議事録の確認。 % % \item 評価関連事項\\ % \begin{enumerate} \item 岸田委員が資料PNWG-94-12に基づき光核反応で放出される核子のDDXの実験式に関し紹介した。 Chadwickによるこの実験式は測定値を良く再現するので、光核反応に対して裏付けの無いKalbachによる実験式に替えて採用しても良いように思われる。 Chadwickの実験式を採用したときの問題があるとすれば、現時点ではMF=6のDDX表現法として認められていないことである。しかし、この点に関しては、MF=1で明示するかENDF-6フォーマットを拡張するようにNNDCに提案すれば良いとの意見が出された。 \item 岸田委員が資料PNWG-94-15に基づきバリアンス・ファイルMF=33の作成法に関し解説した。 \end{enumerate} % % \item 評価最終・中間報告\\[0.5zh] \begin{enumerate} % \item 岸田委員がPNWG-94-13に基づき$^{51}$V、$^{64}$Zn、$^{160}$Gdの評価結果について報告した。 ALICE-Fは$^{64}$Znの陽子生成断面積とアルファ粒子生成断面積を極めて大きく評価してしまう。 そのため理論積分吸収断面積がE1和則値の3倍にもなってしまい、評価値としては採用できない。 これを解決するために、陽子とアルファ粒子のクーロン障壁の高さを大きくし、和則値を越えないように最終的な評価値を決定した。 ALICE-Fが荷電粒子放出断面積を過大評価するのは、逆反応断面積の計算にシャープ・カット・オフ・モデルを使用したためではないかと考え光学モデルによる計算を行ってみたが、結果は5 \%も変化せず、やはり和則を破ることに変わりはなかった。 今迄のALICEによる理論評価の経験から、荷電粒子放出の閾値が中性子放出の閾値より かなり小さな場合に、不具合が生ずる事が判明している。 しかし、なぜALICEがかくも大きな荷電粒子放出断面積を計算してしまうのか今の所不明である。 一つ考えられる原因は、角運動量の選択則がGNASHと異なり全く考慮されないところにあるのかもしれない。 % \item 岸田委員がPNWG-94-14に基づき$^{54, 56}$Feの評価結果について報告した。 ALICE-Fは理論積分吸収断面積をE1和則値に比べてかなり過小評価してしまうので、 これを解決するために、陽子のクーロン障壁を低くして、和則値を満たすように最終的な評価値を決定した。 % \item 村田委員が資料PNWG--94--16に基づき評価担当核種の残作業につき 報告した。C、N、OのDDXの理論評価を除きほぼ完了し、現在EXIFON コードを改良してEDXの計算を行っている。角度分布はChadwickの システマティクッスを使用する予定である。本年7$\sim$8月頃には ファイル化を終了させる計画で作業を進めている。 \end{enumerate} % % %\newpage % \item その他\\ % \begin{enumerate} % \item 村田委員の担当核種($^{12}$C, $^{14}$N, $^{16}$O)と 五十嵐委員の担当核種($^{209}$Bi)の評価値のファイル化は 千葉委員が行うことになった。 % \item 各委員の残作業を確認するために、残作業チェックリストを配布した。 各委員は次回会合までに岸田委員にチェック済リストを返送するとともに ファイル化完了時期を回答することになった。 % \item 資料PNWG--94--18に基づき来年度活動計画案につき議論した。 来年度はファイルの第1版を配布できるようにするために、ファイル化に 集中することにした。 % \item 岸田委員が4/1/'95より計算科学技術推進センターに出向となり、 委員会活動継続が困難となった場合は、WGリーダーを千葉委員に 交替してもらうことを内定した。 % \end{enumerate} % % \item 次回予定 \begin{enumerate} \item 次回は平成7年7月7日(金)に原研本部で開催予定。 % \item 主な内容は、 \begin{enumerate} \item 一般連絡事項 \item ファイル化最終報告(各委員) \item JAERI-M原稿紹介(各委員) \item その他 \end{enumerate} % \end{enumerate} % \end{enumerate} % % \flushleft{配布資料 :}\\ \begin{tabular}{lcp{12cm}} PNWG--94--12 & : & A quasideuteron model for double-differential emission spectra in photonuclear reactions by M. B. Chadwick (岸田)\\ PNWG--94--13 & : & $^{51}$V, $^{64}$Zn, $^{160}$Gd 光核反応断面積評価 (岸田)\\ PNWG--94--14 & : & $^{54, 56}$Fe+$\gamma$反応評価 (岸田、井頭)\\ PNWG--94--15 & : & How to write MF=33 (岸田)\\ PNWG--94--16 & : & D,C-12,N-14,O-16評価の現状と残作業 (村田)\\ PNWG--94--17 & : & 光核反応データ評価作業状況チェックリスト (岸田)\\ PNWG--94--18 & : & 光核反応データWG1994年度活動報告及び1995年度活動計画 (岸田)\\ \end{tabular} % \end{document} ---------------------------------------------------------------------------