シグマ研究委員会・核データ専門部会 FP核データワーキンググループ会合議事録 日 時: 平成7年4月20日(木) 13:30〜17:30 平成7年4月21日(金) 9:10〜17:40 場 所: 日本原子力研究所 東海研究所 研究2棟222及び304室 出席者: 中川、中島(原研)、瑞慶覧(日立)、杉(広領域教育研)、 松延(住原工)、渡部(川重)、川合(東芝) 配布資料 前回議事録(1994年7月7, 8日) FPND-95-01 FP核データワーキンググループ活動報告(3月23日運営委員会提出) FPND-95-02 Gruppelaarからの1995年7月15日付け書簡(SG17活動について) FPND-95-03 対Gruppelaar宛て書簡(SG10 活動の集結とSG17の撤回について) 議 事: 1.前回議事録の確認 2.平成7年度活動計画検討 配布資料FPND-95-01により、平成6年度活動を集約するとともに、平成7年度活動計画 について検討した。前年度はWG会合は1回のみであったが、核データ国際会議に2件 報告する一方、モンテカルロ計算による積分テストでの誤差要因究明とJENDL-3.2のため の評価報告書の作成準備を行った。WGはあと1年継続し、以下の作業を行う。 (1) NEANSC SG10作業(詳細は次項) (2) JENDL-3.2の積分テスト: 強吸収体の解析誤差の究明 (3) レポート作成:JENDL_3.2への改訂(学会誌投稿)、JENDL-3評価全体(JAERIレポ ート)、共鳴パラメータ、積分テスト(学会誌投稿を含む)、評価コード 3.NEANSC 活動への対応について NEANSC 主催の核データの評価の国際協力のうちFP断面積については、非弾性散乱断 面積を扱った SG-10 に加えて SG-17 が昨年の Gatlinburgでのワーキングパーティの会 合で提唱された。その経緯は、SG-10 の積分テストの作業で微分断面積が比較的よく分 かっている核(主として強吸収体)で実験と計算のずれが意外と大きいことがわかり、 その誤差要因を究明するサブグループの新設を提案したことに始まる。ワーキングパー ティで討議した結果、以下のスコープで SG-17 が新設されることになった(配布資料 FPND-95-02)。目的は、SG-10の結論の再確認、高速炉計算のための断面積の誤差評価、 適当な (?) 積分実験の解析による示唆導出、統一のライブラリー推薦の可能性検討であ る。具体的な作業としては、Geelでの Pd アイソトープの非弾性散乱断面積の解析と Mo-98、100の実験提案、Total の Cumulative yield ほぼ2.0を作り得る(安定ないしは やや長寿命の)重要 70 FP 核種を選定し、各ライブラリーで代表的な高速炉スペクトル での lumped FP 断面積の1群化定数(特に弾性散乱と非弾性散乱断面積)を計算し、相 互比較と何らかの結論を引き出すといったものである。背景には STEK での反応度価値 測定実験は旧くてさらに計算を詰めてもしょうがないという認識があろう。 上記サブグループへの対応について検討し、以下の結論を得た。 SG-10:非弾性散乱断面積の相互比較、非弾性散乱断面積の計算法検討、積分テストの相 互比較があるが、日本としてはPdアイソトープの非弾性散乱断面積の解析を除き殆ど 終了している。今後、残作業を行うとともに、PettenでのPdの解析結果とCadaracheで の JEF-2によるSTEK実験の解析結果を入手し、比較検討する。そして、これらの結果 をまとめて最終報告書を作成する。報告書は、上記のデータが早期に入手できるとし て半年以内を予定する。 SG-17: STEK実験の詳細解析はSG-17のスコープにも挙がっていないのでWG作業として 実施する。lumped FPでの散乱断面積の1群化定数の相互比較はFPの反応度価値の計 算において無意味であり、必要性を認めない。また、A=100近傍核の非弾性散乱断面積 の計算法については、SG-10の作業として取り組めば良い。以上の理由によりSG-17は 撤回を求める。あるいは、シグマ委員会としては参加しない。 上記の内容を川合委員が英文にまとめて Gruppelaar と Salvatores に Fax とE-mail にて送信した。またコピーを菊池核データセンター長にも送信した(資料FPND-95-03)。 5.報告書作成準備(集中作業) 報告書の種類と執筆責任者は前回議事録にあるが、主要部を以下に記す。 (1) 評価レポート(全体) [川合、中川] (2) 実験値ならびに他の評価との比較図 [中川+助っ人] (3) 共鳴パラメータの評価レポート [中島、松延、瑞慶覧、川合] (4) 学会誌への投稿 積分テストについて [渡部、川合] JENDL-3.2への改訂(非弾性散乱断面積中心に) [千葉] (5) SG10の終了報告書 [川合] 非弾性散乱断面積の比較 非弾性散乱断面積の計算法の検討 [千葉] 積分テストの結果の相互比較 [渡部] (1)と(3)を対象に準備作業を行った。特に(1)のためには、付録に掲載予定の各核種の ファイル1にあるコメントに誤りがないか、計算の基礎データや参考文献の確認を行っ た。詳細は以下の通りである。 中川:ファイル1のコメントリストを作成し、各担当者に渡した。 杉: 非弾性散乱断面積の計算についてコメントリストのチェックを行った。変形パラ メータの書き方に不揃いであり、統一する必要がある。また、fusion fileから取 ってきたものには、変形パラメータの記載が無いので追記が必要である。 渡部:捕獲断面積の規格化に用いた実験値について、その出典の表を作成した。今後、 コメントリストと対照してチェックする。 松延:REPSTORファイル作成として、Cs-133 の共鳴パラメータの実験値の格納を終了し た。共鳴パラメータの担当核種のコメントリストのチェックを開始した。 川合:コメントリストをベースにして、Y-89〜Rh-105の共鳴パラメータの評価について 報告書用原稿を作成した。その際、Y-89のコメントリストに誤りを発見。 NEANSC SG-10とSG-17への対応として、4月20日のWG討議による結論をPettenの Gruppelaar とCadarache の Salvatores に E-mailにて送信した(配布資料 FPND-95-03) 中島:共鳴パラメータの評価レポートの最終原稿の修正を行った。あと1.5 日で終了予 定。 瑞慶覧:REPSTORファイルのデータのチェックを行った。単位の不揃いのものを見つけ修 正した。Gd-152〜158の偶数核の高エネルギーでの実験データが抜け落ちている。 JENDLの評価値がMughabghabらの評価に基づくものか調べて、実験データを新た に格納するか判断する。 なお、共鳴パラメータの報告書は、全ての完成を待たないで、担当者別に出版する。 その体裁として、参考文献の引用番号は核種毎に振り直すこととし、上付き右括弧閉じ で与える。また、共鳴パラメータの表の先頭にはスピンとパリティーをつけることにし た。オフセット印刷によるが、使用フォント等について、報告書毎に統一が取れていれ ば良く、特に指定しない。 6.その他 次回: 日時: 5月30日(火)11:00〜17:30 場所: 原研東海研究所 議題: NEANSC ワーキングパーティ会合報告 レポート作成作業進捗報告 NEANSC SG-10残作業の進め方について 集中作業 以上