
深堀＠原研核データセンターです

　６・２の高エネルギー核データＷＧの議事録（案）をお届けいたします。

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                      シグマ委員会・核データ専門部会
     高エネルギー核データ評価 WG 1995 年度第１回全体会合議事録（案）


日　時　：　平成７年６月２日（金）　13:30～17:30
場　所　：　原研本部　第３会議室
出席者　：　五十嵐（新技術情報）、岩崎（東北大）、小田野（船研）、川合（東芝）、
	    桑折（徳島大）、八谷（データ工学）、松延、山野（住友原子力）、
	    村田（NFD）、山室（東工大名誉教授）、義澤（三菱総研）、
	    渡部（川重）、石橋（九大）、沼尻（高エネ研）、大山、岸田、高田、
	    菊池、深堀（原研）　　　　　　　　　　　　　   （敬称略、順不同）


配布資料：
HE-95-01　Status Report of NEANSC Working Party on International Evaluation 
	  Cooperation: Subgroup 13: Intermediate Energy Nuclear Data Evaluation
HE-95-02　Specifications for an International Codes and Model Intercomparison 
          for Intermediate Energy Activation Yields
HE-95-03　NEA/NSC 評価国際協力ワーキングパーティー (IECWP) SG13 への対応（案）
HE-95-04　400 MeV までの群定数 HILO の現状
HE-95-05　52Cr+N（中性子・陽子）の Review の進捗状況（Ⅱ）
HE-95-06　EXIFON の改造
HE-95-07  高エネルギー核データ評価 WG 95 年度活動計画
HE-95-08  評価済高エネルギー核データファイルの作成スコープ（案）
HE-95-09  高エネルギー核データファイル格納核種（案）
HE-95-10　高エネルギー核データファイルの進捗状況


議　事　：

１．前回議事録確認
	前回議事録を確認した。

２．一般報告
    ・沼尻正晴委員（高エネルギー物理学研究所）が今年度から本ＷＧに参加する事に
      なった。
    ・e-mail の確認を行い、核データセンターの EWS 上にメーリングリストを開設す
      ることとした。ただし、e-mail を使えない委員に対する連絡に十分配慮する。
    ・菊池委員より NEANSC 評価国際協力ワーキングパーティー（IECWP）会合について
      報告があった。本ＷＧと関連する SG13 に関しては、
	1)中高エネルギー核データ計算用コード国際相互比較のフォローアップとして 
	  NEA 主催の光学模型ポテンシャルに関する専門家会議を予定しており、SG13 
	  が協力する。
	2)次期中高エネルギー核データ計算用コード国際相互比較として、放射化収率
	  に関する計画が開始されている。
	3)SG13 に対する IECWP の要請として、タスクを分担して、目標を明確化する
	  ことが挙げられている。また、中高エネルギーファイルのフォーマットに関
	  する検討をユーザと十分するべきであるとの指摘があった。
    ・深堀委員より、NEANSC/IECWP へ提出した SG13 の現状報告（配布資料 HE-95-01）
      及び放射化収率に関する国際コード相互比較に関する資料（配布資料 HE-95-02）
      について説明があった。

３．400 MeV までの群定数 HILO の現状
　配布資料 HE-95-04 及び OHP により、400 MeV までの群定数 HILO の現状について小
田野委員より報告があった。検討したのは HILO（ENDF/B-IV + カスケード + 蒸発模
型）、HILO86（ENDF/B-V + カスケード + 蒸発模型 + 全断面積保存）、HILO86R（HIRO
86 の ENDF/B-V を JENDL-3.1 + 自己遮蔽因子に置換）であり、比較の対象は、全断面
積、弾性散乱断面積（自群断面積）、弾性散乱外断面積の実験データ、ENDF/B-VI HE 
File のデータ、Pearlsteinの系統式による計算値である。
　C、Al、Fe に付いては、HILO86 の評価は HILO と比較してかなり改善され、実験デー
タ、ENDF/B-VI、Pearlstein の系統式との一致がよい。他の核種については、弾性散乱
外断面積は実験データや Pearlstein の系統式とほぼ一致するが、全断面積及び弾性散
乱断面積が 150 MeV 以上で過大となっている。これは 150 MeV 以上に全断面積の実験
データがある場合にはこれを再現するように評価が行われているが、実験データがない
場合には光学模型の計算に依存しているためである。また、W と Pb のデータは弾性散
乱外断面積は実験データ及び Pearlstein の系統式と一致するが、弾性散乱断面積を無
視している点に問題がある。
　この報告に対して、１）このように問題のある群定数であり、群定数自体の評価レポ
ートもないが、他に適当なライブラリーがないため使わざるを得ない。よりよいファイ
ルが出来ればそれに変更するであろう。２）評価済ファイルが出来たとしても処理コー
ドがまだ十分整備されていない。等の問題点の指摘があった。


４．NEANSC/IECWP/SG13 への対応
　配布資料 HE-95-03 を用いて深堀委員より SG13 の現状及び今後の予定が報告され、
本ＷＧの SG13 への対応について検討を行った。具体的な協力予定は以下の通りである。
    １）放射化断面積に関する国際コード比較
  	  石橋、高田、義澤（HETC 系コード）、千葉（QMD 系コード）、
	  山室、浅見、松延、小田野（GNASH 系コード）、深堀（ALICE 系コード）、
	  渡辺（その他）の各委員に協力を依頼
    ２）100 MeV までのパイロット評価
	  Fe に関しては、浅見、松延、（山室、肥田）の各委員に協力を依頼する予
	  定。Th に関しては、現状では提案がなかった。
    ３）フォーマットの検討
	  先に提案したフォーマットが、ユーザの必要とする情報を全て含でおり、受
	  け入れられるかどうかの検討を行う。検討は、山野、高田、義澤、中根、川
	  合、渡部、深堀の各委員にお願いする。
    ４）中高エネルギー用光学模型ポテンシャルに関する専門家会議
	  会議に関する協力は、菊池、深堀の両委員が行う。研究的なサポートを岸田、
	  千葉、渡辺委員にお願いし、的場氏（九大）、北沢氏（東工大）に協力を依
	  頼する。また、中高エネルギー用光学模型ポテンシャルに関するレビューを
	  次回会合で岸田、千葉の両委員にお願いする。

５．レビュー報告
　配布資料 HE-95-05 により深堀委員（渡辺委員の代理）から 52Cr+p,n 高エネルギー
核データ評価結果のレビューについて、中間報告があった。最終報告は次回に行う。

６．評価の進捗状況
　6.1 50 MeV までの中性子入射反応
　      深堀委員（浅見委員の代理）より SCINCROS を用いた 50 MeV までの中性子入
      射反応評価の進捗状況が報告された。94 年度には Fe, Cr, Ni の合計 13 核種の
      評価（全断面積、弾性散乱断面積は未了）を行なった。今年度は他の核種に取り
      掛かる。
　6.2 50 MeV までの陽子入射反応
　      松延委員から陽子入射反応の評価の作業進捗状況の報告があった。前回報告し
      た不一致の部分及び崩壊できる複合核の数の問題について検討を行っている。 
  6.3 軽核の評価
　      村田委員より軽核に関する評価の進捗状況のまとめが報告された。 1H、 12C
      （En < 50 MeV）、9Be（En < 20 MeV）は終了。ただし、12C は医学利用に供する
      ため 80 MeV までエネルギーの上限を上げる。14N、16O についてはEXIFON によ
      る評価を予定しており、EXIFON の改良について配布資料 HE-95-06 により報告が
      あった。他の核種（6,7Li、10,11B）については進捗はない。
　6.4 その他
　      山室委員より SINCROS による計算結果が Nucl. Sci. Eng. に掲載予定となっ
      た旨報告された。これに関する資料は深堀委員が預かり、必要な方に配布する。

７．活動計画
　配布資料 HE-95-07,08,09,10 を用いて、今後の作業予定及び分担の確認を行った。今
年度は、IFMIF 用の 50 MeV までの中性子核データに重点を置いて活動する。

８．その他
    ・原研の中性子科学研究センター構想について菊池委員より報告された。
    ・次回は 10 月 6 日（金）の予定。


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