深堀@核データセンターです

2003年6月27日(火) に開催された光核反応ファイル作成SWG・
2003年度第1回会合議事録(案)をお届けします。

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シグマ研究委員会・高エネルギー核データ評価WG
光核反応ファイル作成SWG・2003年度第1回会合議事録(案)

日 時:2003年6月27日(火) 13:30 - 17:00
場 所:東京工業大学 原子炉工学研究所 2号館6階会議室
出席者:原田(サイクル機構)、真木(日立)、村田(アイテル)、深堀(原
研)
(敬称略)

配布資料:
HE-PHOTO-03-1 : 3He(g,p)D反応と逆反応データの利用(村田)
HE-PHOTO-03-2 : JENDL Photonuclear Data File ファイル化の現状(深堀)
HE-PHOTO-03-3 : KAERIファイル格納に関するChang室長への礼状(深堀)
HE-PHOTO-03-4 : KAERI Photonuclear Data Fileチェックシート(深堀)
HE-PHOTO-03-5 : H-2レビュー用チェックシート(原田)
HE-PHOTO-03-6 : Al-27レビュー用チェックシート(原田)
HE-PHOTO-03-7 : Fine Structure of Giant Resonance in the 28Si(g,abs)
                Reaction(原子力学会誌別刷、原田)
HE-PHOTO-03-8 : Au-197レビュー用チェックシート(真木)
HE-PHOTO-03-9 : U-235レビュー用チェックシート(真木)
HE-PHOTO-03-10 : 報告書章建て(案)(岸田)


議事 :

1. 議事録確認
 前回議事録を若干の字句の修正の後、確認した。

2. 評価関連事項
 村田委員が資料HE-PHOTO-03-1に基づき、He-3(g,p)D反応と逆反応デー
タの利用について報告した。NACREのD(p,g)実験データファイルを用いて、
詳細釣合の式により再評価を試みた。これによると従来のHe-3(g,p)D反応の
しきい値から8 MeV程度までの評価値に最大2倍程度の過大評価が見られた。
このため、He-3(g,p)D反応に関して、再評価を行うこととなった。

3. ファイル化関連事項
 深堀委員が資料HE-PHOTO-03-2に基づきファイル化の現状につき報告を
行った。Na-23, Mg-24-26, Al-27, Si-28, Ca-48 , Ti-46, Cr-52, Mn-55,
Co-59, Mo-92,94,96,98,100, Cs-133,Au-197に関して、コメントファイル及び
誤差データ(与えないというオプションも含めて)についての確認を岸田氏に
行うこととした。Gd及びHg同位体に関しては、時間もないため今回は誤差
データの付与を見送る。Li-6,7, B-10,11, F-19, P-31, Np-237の同位体生成
断面積に関しては、現状与えられていないので、村田委員が検討することと
した。
 資料HE-PHOTO-03-3,4に基づき深堀委員がKAERIファイル格納に関する
報告を行った。KAERIのChang室長へのお礼と共に、KAERIファイルを入手した。
KAERIファイルは、簡単なレビュー(深堀委員担当)及びコメントの修正を経
て、
JENDLに格納する。KAERIファイル143核種の内、JENDLと重なる34核種は
除き109核種を格納予定である。

4. レビュー関連事項
 原田委員が資料HE-PHOTO-03-5,6に基づきH-2及びAl-27のレビューに
関する報告を行った。H-2に関しては、(1) (g,abs)断面積の立ち上がりが
滑らかではない、(2) コメント中MF=4とあるが実際はMF=6で与えられている、
(3) MT=28の(g,n+p)はH-2の場合、(g,n)や(g,p)と等価であるので、その旨
コメントに記述する、等のレビュー結果が報告された。これに関し、現状の
ファイルを村田委員に送付して、確認の上対応を図ることとした。Al-27に
関しては、(g,abs)断面積に関して、Ahrensの実験データを使用している
ようであるが、資料HE-PHOTO-03-7中に指摘されているように、入射
エネルギーの校正が150-200 keV高い方にずれている可能性がある。
評価者の岸田氏にどのように使用したかを確認すると共に、Ahrens自身に
原田委員がコンタクトを試みることとした。また、Al-25, Ne-23,24生成
断面積に不連続点があることに関しては、深堀委員が修正を施すこととした。
 真木委員が資料HE-PHOTO-03-8,9に基づきAu-197及びU-235の
レビューに関する報告を行った。Au-197に関しては、重陽子及び三重陽子
生成断面積に同じ値が重複して与えられていることが指摘された。これに
関しては深堀委員が修正する。
 レビューキット作成ツールjptsに関して、このツールは中性子及び陽子
入射ファイル用に開発されたもので、光核反応用に修正したので、まだ
不十分な点があるかも知れない。特に、同位体生成断面積に関する
プロット図が出力されないことやU(g,f)反応の評価値がプロットされない等の
問題がありそうである。深堀委員が検討する。U-235に関しては、遅発
中性子スペクトル中のTHTの値に関するエラーが報告され、深堀委員が
確認することとした。これ以外の核分裂反応に関するエラーは無視する
こととした。
 レビューを円滑に進行するために、レビューアである真木、原田委員に
ENDF-6フォーマットマニュアルと深堀委員による解説文を送付することと
した。アクチニド以外で核分裂断面積を与えているHg, Biのための参考
資料として、真木委員からBi-209(g,f)の核分裂収率データを送付して
もらうこととした。また、EXFORに格納されていない実験データの収集も
行うこととした。

5. 報告書関連事項
 報告書作成に関し、下記のような分担を検討した。
1. Introduction(深堀委員)
2. File Format of Evaluated Photonuclear Data File(深堀委員)
3. Evaluation Method and Results
 3.1 Deuteron and He-3(村田委員)
 3.2 Light Nuclei(F-19まで、村田委員)
 3.3 Medium and Heavy Nuclei(村田委員、岸田氏)
 3.4 Fissile Nuclei(村田、深堀委員)
4. Review Procedure(真木、原田委員)
5. Summary Comments(深堀委員)
また、3.1と3.2をまとめるかどうかは村田委員の判断に任せることとした。
第1ドラフトを10月末までに作成することを努力目標とした。

6. 次回予定及びアクションリスト
 次回は平成15年10月末に東京で開催予定。
 アクションリスト
(1) 3He(g,p)D反応の再評価(村田委員)
(2) Na-23, Mg-24-26, Al-27, Si-28, Ca-48 , Ti-46, Cr-52, Mn-55,
    Co-59, Mo-92,94,96,98,100, Cs-133,Au-197に関して、コメント
    ファイル及び誤差データ(与えな   いというオプションも含めて)に
    ついての岸田氏への確認(深堀委員)
(3) Li-6,7, B-10,11, F-19, P-31, Np-237の同位体生成断面積検討
    (村田委員)
(4) KAERIファイルのレビュー(深堀委員)
(5) H-2の現状ファイルを村田委員に送付し、確認する(深堀、村田委員)
(6) H-2ファイルのコメント部分の修正(深堀委員)
(7) Ahrensのデータの使用法について岸田氏へ確認(深堀委員)
(8) Ahrensへのコンタクト(原田委員)
(9) Al-27に対するAl-25, Ne-23,24生成断面積の不連続点修正
    (深堀委員)
(10) Au-197のMF=3/MT=204,205の同じ値の修正(深堀委員)
(11) U-235の遅発中性子スペクトル中のTHTの値に関するエラー
    確認(深堀委員)
(12) Jptsの問題点検討・修正(深堀委員)
(13) 真木、原田委員にENDF-6フォーマットマニュアルと解説文送付
    (深堀委員)
(14) Bi-209(g,f)の核分裂収率データ送付(真木委員)
(15) 評価用実験データなどの送付(村田、原田委員)
(16) 報告書執筆(村田、真木、原田、深堀委員、岸田氏)

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