各位

柴田@原研核データセンターです。

6月9日に開催されたFP核データ評価WG会合の議事録(案)を送付いたします。



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          FP核データ評価WG平成16年度第1回会合議事録(案)



日時: 平成16年6月9日(水) 13:30-17:40

場所: 原研計算科学技術推進センター第1大会議室

出席者:渡部隆(東工大)、堀順一(京大炉)、河野俊彦(LANL)、石川眞、古高和禎(サ

イクル機構)、瑞慶覧篤(日立)、安藤良平(東芝)、村田徹(アイテル)、

松延廣幸(元住友原子力)、千葉敏、中川庸雄、岩本信之、柴田惠一(原研)



配付資料

FP04-1	FP核データ評価WG平成15年度活動報告・16年度計画	柴田

FP04-2	WPEC/SG21	中川

FP04-3	SAMMYの概要と使い方の初歩	岩本

FP04-4	捕獲断面積のMaxwell平均値	中川

FP04-5	共鳴パラメータに関する作業(Ru-103)	中川

FP04-6	47核種の共鳴パラメータ及び反応断面積の現状	松延

FP04-7	共鳴パラメータ評価作業経過報告	村田

FP04-8	Priority Determination for JENDL-4 FP Evaluations	柴田



議事

1.	議事録確認

 前回会合議事録を確認した。



2.	15年度活動報告・16年度計画

 柴田委員が、3月19日に開催された運営委員会で配布した本WGの15年度活動報告・

16年度計画に関する資料(FP04-1)について説明した。



3.	WPEC/SG21活動

 中川委員が資料F04-2に基づき、FP断面積の相互比較を行っているSG21活動の概要

(FP04-2)を説明した。4月に開催されたBNL/NNDCでのワークショップで、それぞれ

の核種の共鳴領域、Fastエネルギー領域でbest evaluationを決定した。JENDL-3.3が最

も多く推奨されている。また、この活動によりJENDL-3.3データの問題点も見つかってお

り、今後の再評価の指針となる。SG21では推奨値を基にデータファイルを編集するが、本

WGはSG21に影響されることなく、独自にFPデータの評価を進めることとした。



4.	SAMMYコードの使い方について

 古高委員が資料FP04-3に基づき共鳴解析コードSAMMYの初歩的な使い方について解

説した。SAMMYは基本的に実験解析コードであり、必ずしも核データ評価者にとっては、

friendlyでは無いようである。但し、原子力の分野で重要な共鳴パラメータの評価を進めて

いく上でも、積極的に導入していく必要があるのではないかとのコメントがWGリーダー

よりあった。なお、SAMMYはfortran77ベースであり、UNIX、Windowsで実行可能で

ある。また、河野氏よりSAMMYの入力を作るmakeコードを作成中であるとのコメント

があった。



5.	FP領域の中性子捕獲断面積計算

 河野氏がJENDL-3.3の重核評価に使ったDSDコードをFP領域にも適用できるように

した。また、天体核用の計算システムの説明があった。KUTYの質量公式、対エネルギー

を使って準位密度aパラメータを決定することができる。



6.	捕獲断面積のMaxwell平均値

 中川委員がJENDL-3.3のFP領域捕獲断面積のMaxwell平均値をBao等の値と比較した

(FP04-4)。Bao等の値とJENDL-3.3の計算値は以下の核種で差が大きい:74Ge, 76Se, 86Kr,

106Cd, 108Cd, 124Xe, 126Xe, 142Nd, 162Er, 164Er。評価の優先順位を考える上で、参考になる。



7.	共鳴パラメータの検討

 中川委員が106Ruの共鳴パラメータについて、Anufriev等のデータをもとに検討した

(FP04-5)。JENDL-3.3の106Ruには分離共鳴パラメータは与えられていない。分離共鳴

の上限値及び熱中性子断面積については、更に検討が必要とのことである。

 松延委員が担当47核種の共鳴パラメータの現状について報告した(FP-4-6)。1990以降

の測定データは、6核種のみである。

 村田委員が89Yの共鳴パラメータについてAgrawal等のデータをもとに検討した

(FP04-7)。

 JENDL-3.2の評価では、共鳴パラメータから計算される熱中性子断面積、共鳴積分値、

平均断面積につてはチェックしたが、個々の共鳴については必ずしもチェックしていない

とのコメントがあった。

 

8.	評価の優先順位

 柴田委員が、最新測定値のあるなし、全断面積・捕獲断面積の比較、利用者サイドから

のニーズ、SG21の結果等を考慮して評価の優先順位表(FP04-8)を作成した。基本的に

は、この様な規準で優先順位を作るのは妥当とされた。但し、軽水炉でのニーズ、本会合

で示されたMaxwell平均断面積を考慮して表を作り直すことにした。具体的なコメントが

あれば、柴田委員まで連絡する事とした。



次回会合予定

  平成16年10月18日(月)  東京地区



宿題事項

1.	柴田委員

 優先順位表を作り直し、メンバーに配布する。