深堀@核データセンターです 平成16年2月13日(金)に開催された評価計算支援システムWG 会合議事録(案)をお届けします。 --------------------------------------------- シグマ研究委員会・核データ専門部会 評価計算支援システムWG 2003年度第1回会合議事録(案) 日 時: 平成16年2月13日(金) 13:30〜17:30 場 所: 日本原子力研究所 計算科学技術推進センター 第1小会議室 出席者: 大澤(近大)、北沢(防衛大)、中村(元富士電機)、千葉、中川、 市原、岩本、深堀(原研) (8名、敬称略、順不同) 配布資料: ・ECSS-03-1 Global Coupled-channels Optical Potential for Nucleon-actinide Interaction from 1 keV to 200 MeV(千葉) ・ECSS-03-2 Program CCOM - Coupled-channels Optical Model Calculation with Automatic Parameter Search --, JAERI-Data/Code 2003-020(岩本) ・ECSS-03-3 原子核質量&準位密度公式の統合モデル(V)(中村) ・ECSS-03-4 即発中性子数の評価法の研究(大澤) ・ECSS-03-5 中高エネルギー領域における中性子、陽子及び光子 入射核分裂断面積の統一的記述(深堀) ・ECSS-03-6 A Program Code to Calculate Nuclear Reaction Cross Section with Optical Model Potential(市原) ・ECSS-03-7 国産コードの収集(2)(深堀) ・ECSS-03-8 評価計算支援システムWG平成15年度活動報告・ 16年度活動計画(運営委員会資料、深堀) 議 事: 1. 前回議事録確認 前回議事録を確認した。 2.報告事項 深堀委員より、CSEWGにおけるENDF-7フォーマットに関するその後の 状況及び核データ国際会議の現状について説明があった。 3.核子−アクチノイド反応におけるグローバルCCポテンシャル 千葉委員より配付資料ECSS-03-1を用いて、核子−アクチノイド反応に おけるグローバルCCポテンシャルに関する報告があった。Rigidモデルを 用い、フェルミエネルギーである値に漸近する形をしており、相対論的な 補正も行っている。232Thと238Uの全断面積、弾性散乱及び非弾性 散乱の断面積及び角度分布の実験データにフィットしたが、239Puでも 使用可能である。RigidモデルであるのでECISコードでも使用でき、 マイナーアクチノイド評価に利用が期待できる。 4.C言語を用いたCCモデル計算コードCCOM 配付資料ECSS-03-02を用いて、岩本委員が作成したCCモデル 計算コードCCOMについての報告があった。C++言語を用い、 オブジェクト指向の考え方で作成されたRigidモデルのCC計算コードで ある。配付資料ECSS-03-1のグローバルポテンシャルも使用可能で あり、実験値を用いてポテンシャルパラメータのフィッティングも可能で ある。 5.原子核質量&準位密度公式の統合モデル 中村委員が配付資料ECSS-03-3に基づき、原子核質量&準位密度 公式の統合モデル検討の進捗状況を報告した。新しく提案された質量 公式の核種領域を従来のA ? 14からA ? 8に拡張した。質量欠損に 対する誤差評価に関しては、従来とあまり変わらず±0.535 MeV程度を 維持した。これを基にした準位密度公式に関して、RIPL-2パラメータ との比較による検証を行い、放出粒子スペクトルでの比較・検証を 行った後、サブルーチン化する予定である。 6.即発中性子の評価法 大澤委員より配付資料ECSS-03-4に基づき、即発中性子数の 評価方法に関する提案がなされた。Howerton及びBois-Frehautの 系統式を検証し、これを基に前回方エネルギーと原子番号(Z)及び 複合核のfissirityパラメータ(Z2/A)の関係、系統式(一次式)の切片 及び勾配の相関性を整理することによって、即発中性子数の系統性を 再導出した。 7.中高エネルギー領域における核分裂断面積の系統性 深堀委員より配付資料ECSS-03-5を用いて、中高エネルギー 領域における中性子、陽子及び光子入射核分裂断面積の統一的 記述に関する報告があった。中高エネルギー領域で、核分裂割合 (全反応断面積に対する核分裂断面積の割合)を複合核の励起 エネルギーの関数としてみると、中性子、陽子及び光子入射核分裂 反応で同様の傾向があり、統一的に記述できる関数型を用い、 実験データを用いてパラメータフィットをすることによって、核分裂 断面積を少なくとも50 MeV以上で10-20%の予測精度で記述 できることがわかった。 8.国産評価用コードの開発 市原委員が配付資料ECSS-03-6を用いて、評価コード国産化の 取り組みの内、光学模型計算の部分が完成したことを報告した。 現状では球形光学模型ポテンシャルしか利用できないが、現在 DWBAによる計算部分をコーディング中である。その後、前平衡 過程及び統計模型の部分を順次作成する予定である。 9.評価用国産コード収集 深堀委員より配付資料ECSS-03-7を用いて、次期評価用国産 コードの開発に先立ち、今まで我が国で開発された国産コードを 本WGで収集し、www等で公開する方法に関して再提案があり、 了承された。CASTHY, ELIESE-3, SCINCROS, PEGASUS, ASREPに 関しては収集が終了し、非公開であるがwwwページを作成した旨 報告があった。今後、JCONV, RESCAL, MUSE, Coh, HIKARI等の ソースを入手し、readmeファイルを作成して、www公開を目指す。 また、GNASHやECIS等外国製のコードでJENDLの評価によく 使用されたものやJQMD等については、可能な限りその作成者の wwwにリンクを張ることを検討している。 10.平成15年度活動報告・16年度活動計画 深堀委員よりECSS-03-8に基づき、本WGの平成15年度活動 報告・16年度活動計画の提案があった。平成16年度は、各分担は 従来通りとし、国産評価用コードの収集、RIPL-2パラメータの検証・ 追補、準位密度モデルの提案、核分裂反応解析及び統合核データ 評価システム(INDES)PC版試作を継続し、日本独自の評価用コード 開発を進めることとした。 11.その他 次回の会合は、未定。 --------------------------------------------- Tokio Fukahori Nuclear Data Center Japan Atomic Energy Research Institute Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki-ken 319-1195, Japan TEL:+81-29-282-5907, FAX:+81-29-282-6216,5766 www: http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/ ---------------------------------------------