深堀@核データセンターです

1月28日に開催されました高エネルギー核データ評価WG・
PKA/KERMAファイル作成SWG会合議事録(案)をお届けします。

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シグマ委員会・核データ専門部会
高エネルギー核データ評価WG・PKA/KERMAファイル作成SWG議事録(案)

日  時: 2005年1月28日(金) 13:30-17:00
場  所: 原研東海研  第2研究棟221会議室
出席者:真木(物質・材料研究機構)、村田(アイテル)、有賀、島川、
       深堀(原研)、渡辺(九大、発表者)(順不同、敬称略)

配付資料:
HE-PKA-04-01:PKA/KERMAファイルへの要求(島川)
HE-PKA-04-02:中高エネルギー核子入射反応断面積の評価と
              半導体シングルイベント事象への応用(渡辺)
HE-PKA-04-03:JENDL PKA/KERMAファイルへの現状(深堀)
HE-PKA-04-04:Damage Energy Analysis of Iron and Tungsten Irradiated
              by High Energy Protons(川合)
HE-PKA-04-05:JENDL PKA/KERMAファイルの仕様検討(案)(深堀)
HE-PKA-04-06:高エネルギー核データ評価WG平成16年度活動報告・17年度活動
              計画(運営委員会資料、川合)
HE-PKA-04-07:弾き出しエネルギーの見直しによる材料の照射損傷(dpa)の
              再評価(真木)

議  事:
1.PKA/KERMAファイルへの要求
  島川委員より配付資料HE-PKA-04-01に基づき、材料研究の立場からのPKA/
KERMAファイルへの要求に関する提案があった。PKA/KERMAデータは、軽水炉の
高経年化と照射劣化の指標となり、照射損傷指標の標準化に不可欠である。損
傷評価のミクロからマクロへの流れ(照射相関の研究)の最初の部分に核デー
タの取り扱いが関連する。材料試験データを活用し、機構論に基づいた材料挙
動評価手法の確立にPKA/KERMAファイルは必要である。PKA/KERMAファイルへの
要求として、ENDF/Pointwise(SAND-II形式、中性子640群、PKA100群)で、
H, He, C, N, O, 59Ni(n,α), Cu, Auの核種が必須である。荷電粒子スペクト
ルも重要である。DPA断面積の表示は簡単なもので良く、弾き出しエネルギー
に関する推奨データベースが欲しい。易しいユーザインターフェース及び多様
なデータベース、材料コードとのインターフェースなどを網羅したツールの開
発も必要である。

2.PKA/KERMAファイルの高エネルギー領域への拡張について
  渡辺氏が配付資料HE-PKA-04-02で自身の「中高エネルギー核子入射反応断面
積の評価と半導体シングルイベント事象への応用」に関する論文を簡単に説明
し、現在、50 MeVを上限に設定しているJENDL PKA/KERMAファイルを更に高エ
ネルギーへ拡張する提案を行った。JENDL高エネルギーファイルの作成により
高エネルギー領域での中性子及び荷電粒子スペクトルデータが入手できるよう
になってきた。しかし、LA150を除き、PKAスペクトルを格納したファイルはな
い。半導体シングルイベント事象等への応用のためには、高エネルギー領域へ
の拡張について検討しなければならないとの提案を行った。これは今後の検討
課題とすることとした。

3.JENDL PKA/KERMAファイルへの現状
  深堀委員より配付資料HE-PKA-04-03を用いて、復習のためにJENDL PKA/
KERMAファイルへの現状の説明があった。単一粒子放出近似によるJENDL
Fusion Fileからのテスト処理が終了し、公開のための仕様を検討する段階で
ある。

4.JENDL PKA/KERMAファイルの仕様について
  深堀委員より配付資料HE-PKA-04-05を用いて、JENDL PKA/KERMAファイルの
仕様(案)を検討した。従来の29元素78核種にHe(弾性散乱によるPKAだけで
よい), 59Ni及びAuを追加する。光子による反跳は低エネルギーで寄与の大き
い中性子捕獲反応のものに限定する。PKAスペクトルはlogで等間隔の100群と
する。DPA断面積に関しては、弾き出しエネルギー1または10 eVとして規格化
したものを格納する。このため、はじき出しエネルギーのデータベース化に関
して、NJOYに格納されているものを深堀委員が、IAEA (SPECTER)/ASTMに関す
るものを島川委員が、有賀委員がその他を調査することとした。インターフェ
ースツールに関しては島川委員が検討する。

5.平成16年度活動報告・17年度活動計画
  深堀委員よりHE-PKA-04-06に基づき、本SWGの平成16年度活動報告・17
年度活動計画の提案があり、承認された。

5.その他
  参考資料として川合委員のHE-PKA-04-04及び真木委員のHE-PKA-04-07が配布
された。
  次回の会合は、未定。また、次回に高エネルギー領域の材料損傷計算につい
て(仁井田氏)及び高エネルギーPKAのTALYSによる計算手法の紹介(渡辺氏)
の講演をお願いする。

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