去る7月6日(木)に開催されたシグマ委員会本委員会の議事録(案)をお送りし
ます。原研 核データセンター 中島 豊
平成7年度シグマ特別専門委員会・シグマ研究委員会本委員会議事録(案)
日 時: 1995年 7月6日(木) 13:00〜17:30
場 所: 日本原子力研究所本部 第1会議室
出席者: 中嶋 龍三(法大、主査)、村尾 良夫(原研、委員長)、
石川 眞(動燃)、大竹 巌(データ工学)、河出 清(名大)、
神田 幸則(九大)、川村 孝弌(核融合研)、加藤 幾芳(北大)、
木村 逸郎(京大)、喜多尾 憲助(データ工学)、
北沢 日出男(東工大)、瑞慶覧 篤(日立)、馬場 護(東北大)、
藤田 薫顕(京大)、岡本 浩一(原産)、更田 豊治郎(RIST)、
松延 廣幸(住友原工)、村田 徹(日本核燃料開発)、
山野 直樹(住友原工)、吉田 正(東芝)、菊池 康之、前川 洋、
水本 元治、中川 庸雄(以上原研)
オブザーバー:川合 將義(東芝)、井口 哲夫(東大)、
加藤 敏郎(岐阜医療短大)、千葉 敏、中島 豊(以上原研)
配布資料
1. 平成6年度シグマ特別専門委員会・シグマ研究委員会議事録
2. シグマ委員会運営委員会議事概要
3. シグマ委員会諮問・調整委員会報告
4. 中性子科学研究センター構想について
5. 委員の交代
6. 日本原子力学会 核データ・炉物理特別会合テーマ
7. 大学における核データ活動
8. 理研における核データ活動
9. 原研タンデムにおける核データの測定活動
9-2. 核融合中性子工学研究室の核データ研究活動
10. 動燃における核データ研究活動
11. 核データセンターのWWWサーバー
12. 核データ専門部会活動報告
13. 炉定数専門部会 1994年度活動報告および1995年度計画(案)
14. 核燃料サイクル専門部会平成6年度成果および平成7年度計画
15. CINDAク゛ルーフ゜、JENDL編集ク゛ルーフ゜、「核データニュース」編集委員会報
告
16. JENDLー3.2の普及方策(小委員会の提言)
17. 1994年核データ研究会報告
18. 1995年核データ研究会実行計画(案)
19. 第3回核融合炉核データ専門家会議の開催案
20. 第20回IAEA国際核データ委員会(INDC)会合
21 第7回NEANSC核データ評価国際協力ワーキングパーティ(WPIEC)及び
第1回NEANSC国際核データ実験活動ワーキングパーティ(WPINDMA)
合同会合出席報告
22. 核データ関係のロシア協力の現状と問題点
23. ENSDFク゛ルーフ゜報告
24. 医学用原子分子・原子核データWG活動報告
25. NRDF 1994年度活動報告書
議 事
�機ナ鷙雹�項
1. 運営委員会報告
菊池氏が配布資料2により、昨年10月から本年5月までに開かれた4回の運営
委員会の議事内容を報告した。
2. 諮問・調整委員会報告
神田氏が配布資料3により、諮問事項「今後の核データ研究活動の長期的戦略」
に対する報告をした。「審議経過」及び「将来計画の背景」について述べた後、活
動方針のへの提言として(1)JENDL−3.2の充実、(2)新規核データの
開発、(3)核データを基本にした思考からの新分野開拓の3項目について概略次
の通り報告した。
(1)JENDL−3.2の充実
標準・基準化を目標とし、常に付加価値を高めつつ利用の拡大と普及に努め、マ
ルチメディア利用によりデータ提供サービスの改善を計る。
(2)新規核データの開発
中高エネルギー核データ(高エネルギー加速器用核データを含む)の整備を強力
に推進する。
(3)核データを基本にした思考からの新分野開拓
原子力分野に新課題を提案するための組織を作って検討する。新分野開拓の一例
として、アクチノイド、核分裂生成物の消滅処理法に関して新しい方式を提案する
。国内の微分・積分実験研究を推進する方策を検討する。また実験研究の国際協力
を推進するための財政・法政上の国内問題の打開を計る。
3. 事務局報告
菊池氏が今年度のシグマ研究委員会の旅費及び核データセンターの予算について
報告した。また千葉氏が配布資料4により、原研で進められようとしている「中性
子科学研究センター構想」について概略を説明した。
��. 委員会人事
1. 委員の交代
中島氏が委員の交代について次の通り報告し承認された。
旧 新
本委員: 浅井 清 (原研) → 海江田 圭右(原研)
加藤 敏郎(名大) → 河出 清 (名大)
吉田 弘幸(原研) → 退任
運営委員: 吉田 弘幸(原研) → 退任
諮問・調整委員 全委員任期満了につき退任する。次期委員は諮問事項が生じ
た時点で運営委員会で選出し、次回本委員会で承認を得るこ
ととする。
また岡本 浩一氏を本委員と運営委員とする。
��. 日本原子力学会関係事項
1. 日本原子力学会(核データ・炉物理)合同特別会合
中島氏が配布資料6により1994年10月、1995年3月及び1995年10月の日本原子力学
会における合同特別会合のテーマについて報告した。
��. 国内研究機関の核データ活動
1. 大学
馬場氏が配布資料7により大学におけるこの1年間の核データ活動ついて報告し
た。中性子反応を中心に荷電粒子、γ線入射データの広いエネルギー範囲の種々の
反応について多彩な活動が展開されているとの報告があった。
2. 日本荷電粒子核反応データグループ
加藤(幾芳)氏が配布資料25により日本荷電粒子核反応データグループの活動
について報告した。データ入力を継続し、IAEAに修正データを送付した。早急に外
部からオンラインで使えるようにしたいとの報告があった。
3.. 理研
天道氏が欠席したので、理研における核データ活動の資料(配布資料8)が配布
されたのみである。
4. 原研
水本氏が配布資料9により平成6年度の原研タンデムにおける核データ活動につ
いて報告した。また前川氏が配布資料9-2により平成6年度の原研FNSにおける核
データ活動について報告した。
5. 動燃
石川氏が配布資料10により動燃における平成6年度の核データ活動と平成7年
度の計画について報告した。放射性核分裂生成物の熱中性子吸収断面積と共鳴積分
の測定、「弥生炉」を用いた核分裂断面積の積分実験、「常陽」によるドシメトリ
ー手法の研究とマイナーアクチニドの核データ積分評価、JENDL-3.2ベースの炉定数
を用いたJUPITER臨界実験データの解析などが行われているとの報告があった。
��. 特別講演
1. インターネットによる核データのオンラインサービス
中川氏が配布資料11により、原研核データセンターで本年3月に運営を始めた
WWW(World Wide Web)について,パソコンによる実演を交えて解説を行った。
2. 量子論的分子動力学による高エネルギー核データの評価
千葉氏が標題のテーマについてビデオによる核反応のシミュレーションを交えて
解説を行った。
��. シグマ研究委員会平成6年度活動報告及び平成7年度計画
1. 核データ専門部会
中川氏が配布資料12により核データ専門部会のワーキンググループの活動につ
いて次の通り報告した。
(1)高エネルギー核データ評価WG
6年度は、50 MeVまでの構造材核種の中性子及び陽子入射反応の評価及びレビュ
ー、数GeVまでの数核種の評価、格納フォーマットとレビュー方法の検討等を行っ
た。7年度も、同様な評価を核種を広げて行うと共に、基礎データの整備などを行
う。
(2)共分散評価WG
6年度はおもに共分散算出手法上の問題点と共鳴領域での共分散評価方法を議論
した。ELIESE-3 及び CASTHYを使った全断面積と捕獲断面積の共分散算出が原研核
データセンターのワークステーションで出来るようにした。5年度から行っている
評価作業(Li, C, O, Na, Ti, Fe, U-235, U-238, Pu-239, Pu-240, Pu-241) がまだ
全て完了していない。これらの核種の全ての評価を7年度中には終了する。共鳴領
域の共分散算出法とGNASH 及びECIS を使った共分散評価システムの構築を行う。
(3)評価計算システムWG
6年度は、微視的理論による光学ポテンシャルの計算とそれを用いた断面積計算
、準位密度公式のパラメータの系統性の改善、INDES の機能のモジュール化の検討
、核分裂中性子スペクトルの計算システムの作成とそれによるJENDL-3.2 の主要核
分裂核種のスペクトル評価を行った。7年度は微視的光学モデルや分散関係式に基
づくポテンシャル計算、準位密度公式の改良と共鳴の数え落とし補正をしたパラメ
ータの導出マイナーアクチニドの遅発中性子データ評価法の検討を行う。
(4)FP核データWG
6年度は、JENDL-3.2のためのデータ再評価、積分テスト、NEANSC評価国際協力ワ
ーキングパーティのための直接過程による非弾性散乱断面積の検討を行った。7度
は、NEANSC評価国際協力ワーキングパーティのための直接過程による非弾性散乱断
面積の検討、JENDL-3.2の積分テスト、レポート作成等を行う。
(5)放射化断面積WG
6年度は、安定核の評価を完了し、JENDL放射化断面積ファイル第1版を完成し、
FENDL/A-2 に収納するデータの候補としてIAEA にデータを送った(核種数:225、
反応数:1,158(アイソマーへの断面積を含めると1,441)、データサイズ:約58,00
0レコード)。7年度は第1版に収納できなかった反応の評価、不備なデータの修正
不安定核の評価データの検証方法の検討等を行う。放射化断面積ファイル第1版は
12月末に公開する予定である。
(6)PKAスペクトルWG
6年度には、PKAスペクトル計算用に開発したESPERANTコードの改訂、軽い核のデ
ータ評価、F-19 から Bi-209の 69 核種の PKA データのファイル化、ユーティリテ
ィーコードの仕様検討等を行った。7年度は、調査レポートの作成、軽い核の計算
法の検討、ファイル作成作業、 KERMA及び PKA スペクトルの測定データの収集、ハ
ンドブックの発刊等を行う。
(7)荷電粒子核データWG
6年度は進展無し。7年度は、主に(α,n)反応の二次中性子エネルギースペク
トルの評価、断面積データの見直しと追加を行う。
(8)光核反応データWG
6年度には、Ti, Fe, Ta, W, Pb の評価を進め、V-51, Fe-54, -56, Zn-64,
Gd-160 の評価を完了した。評価結果をテクニカルレポートにまとめる作業を進めた
7年度は評価が完了した核種の断面積のファイル化、評価レポート作成、ワークシ
ョップ等を行う。
2. 炉定数専門部会
山野氏が配布資料13により炉定数専門部会の各ワーキンググループの活動につ
いて次の通り報告した。
(1)リアクター積分テストWG
6年度は、JENDL-3.2 及び ENDF/B-VIのベンチマーク計算を実施した。
JENDL-3.2は全体的に良好な結果であることが分かった。ENDF/B-VI はk-eff とボイ
ド反応度が過大評価であった。その他SRAC, JOINT, MVP, VIM ライブラリーの作成
配布等を行った。7年度は、JENDL-3.2 及び ENDF/B-VIのベンチマーク計算、
JENDL-3.2 に基ずくWIMS ライブラリの作成等を行う。
(2)Shielding積分テストWG
6年度は、JENDL-3.2のの2次ガンマ線生成データに関する積分テスト、HILO 及
びHILO86ライブラリの断面積の現状の検討、陽子入射反応断面積計算の現状調査及
びTTY(厚いターゲットからの中性子収量データ)測定データの調査と計算結果
の検討、TTYデータ整備の仕様の検討等を行った。7年度は、積分テストに関する
作業の継続、TTY計算ベンチマーク(100 MeV以下の陽子入射実験)、計算コード
HIC等の整備を実施する。
(3)Dosimetry積分テストWG
6年度は、JENDL Dosimtry File 改訂に係わる議論、独自の誤差ファイルを整備
する方法の検討をした。7年度は、JENDL Dosimetry File の見直し、誤差ファイル
の導入を進める。中高エネルギー領域(E<数10 MeV) のドシメトリ反応データの収集
を行う。
(4)標準炉定数検討WG
6年度は、具体的活動はない。7年度は、JENDL-3.2ベースのJSSTDLを完成する。
(5)Fusion Neutronics積分テストWG
6年度は、JENDL-3.2 及びFENDL のベンチマークテストを行った。7年度は、
JSSTDL-295/J3を用いたベンチマークテスト、JENDL Fusion File のベンチマーク計
算を実施する。また第3回核融合炉核データ専門家会議を炉物理委員会核融合炉専
門部会と合同で開催の予定。
3. 核燃料サイクル専門部会
吉田氏が配布資料14により核燃料サイクル専門部会の各ワーキンググループの
活動について次の通り報告した。
(1)崩壊熱評価WG
6年度は、ORIGEN-2/JNDC 複合ライブラリーの作成、崩壊熱計算の改良、崩壊熱
誤差評価を行った。7年度には、ORIGEN-2/JNDC 複合ライブラリーの作成、崩壊熱
の原子力学会推奨値と新ANS5.1 スタンダード(1995)との比較、崩壊熱誤差評価、崩
壊熱計算値/実験値間の残された不一致解決等を行う。
これに対し原子力学会の推奨値を変更することになるのか、もしそうだとすると、
ユーザを混乱させることにならないかとのコメントがあった。これに対し、配慮し
ながら進めるとの回答があった。
(2)核種生成量評価WG
6年度は、使用済核燃料中の核種組成測定データの整備、JEND-3.2ベースのORI
GEN2及びCOMRADコード用1群定数ライブラリ作成作業等を行った。7年度は引き続
き使用済核燃料核種組成データの整備、JENDL-3.2をベースにしたORIGEN2及び
COMRADコード用1群定数ライブラリーの整備を行う。
4. 常置ク゛ルーフ゜
喜多尾氏が配布資料23によりENSDFグループの活動、菊池氏が配布資料2
4により医学用原子分子・原子核データグループの活動、中川氏が配布資料15に
よりその他の常置グループの活動について以下の通り報告した。
(1)ENSDFグループ
6年度は、A= 118, 128, 129 の評価済ファイルの修正、Table of Isotopes 8th
ed. 掲載データ(A=118 - 129)の修正、NRS 入力作業、アイソトープ手帳(日本ア
イソトープ協会編)掲載の崩壊データ・中性子断面積データの改訂を行った。7年
度は、質量数A = 118 - 129 の核種について文献収集、NSR入力作業、アイソトープ
手帳掲載核データの改訂に協力、ENSDF からの各種のデータファイルの作成等を行
う。
(2)医学用原子分子・原子核データグループ
6年度は、核医学診断・治療における核データの検討、重イオンに対する阻止能
の評価、「医学物理データブック」に不足しているデータの収集・検討を行った。
7年度は、重イオン(C)に対する阻止能のレポート作成、医学利用に必要な核データ
の報告書作成、「医学物理データブック」に不足しているデータの検討等を行う。
(3)CINDAグループ
3回の会合をもち、合計104エントリーをCINDAに登録をした。今後も継続し
て登録作業を進める。
(4)JENDL編集グループ
JENDL-3.2を6年6月末に公開。JENDL特殊目的ファイルの編集はJENDL編集グルー
プとは別のグループが担当している。7年度はJENDL-3.2のデータ集等の作成を行う
JENDL特殊目的ファイルの編集を依頼されれば行う。
(5)「核データニュース」編集委員会
6年度は3回発行した。今後も年3回定期的に発行を継続する。
��. JENDL普及方策検討小委員会報告
菊池氏が配布資料16によりJENDL普及方策検討小委員会での検討経過と次の項
目について提言を報告した。(a)標準群定数ライブラリーの提供、(b)データブック
の刊行(利用に便利な形態のもの)、(c)ベンチマークテストの強化(古い体系のみ
でなく、もんじゅ、HTTR, NUCEF等の今後の炉でのテストも行う)、(d)安全審査
指針への採用, (e)マルチメディア対応、(f)インターネット対応
��. 1994年核データ研究会報告
川合氏が配布資料17により1994年核データ研究会について次の通り報告し
た。外国人も含めて参加者は149名で非常に盛況であった。特にポスター発表に
伴う学生の参加が多かった。講演内容は先端的なものから、従来から行われている
炉物理、ベンチマークテストなどバランスがとれていた。報文集のフォーマットの
再検討が必要である。
��. 1995年核データ研究会の計画について
井口氏が配布資料18により1995年核データ研究会について次の通り報告し
た。11月16、17日に原研東海研究所大講堂とABC会議室で開催する。実行
委員会を開いて概略のプログラムを作成し、7月6日午前の運営委員会で検討され
いくつかのコメントがあった。現在はアンケートを配付し回収中である。アンケー
トを整理した後、運営委員会及び本委員会のコメントを参考にし、7月12日第2
回実行委員会を開いてプログラムを決める。9月上旬にe-mail等で運営委員の承認
を得た後最終プログラム決定する。講演内容はメインテーマ(JENDL積分テスト等)
+トピックス(10時間)とし、ポスターセッション(3時間)をもうける。
��. 第3回核融合炉核データ専門家会議について
千葉氏が配布資料19により第3回核融合炉核データ専門家会議について次の通
り提案し、了承された。平成7年11月29日(水)、30日(木)の2日間原研東
海研究所において開催する。参加者はシグマ委員会炉定数専門部会の核融合炉ニュ
ートロニクス積分テストWGと遮蔽積分テストWGの専門委員、炉物理委員会核融
合炉専門部会の専門委員、核融合炉核データの評価者を中心に関連大学研究者・核
融合炉設計研究者を含む。
��. 核データの研究活動に関する国際状況
菊池氏が配布資料20、21、22により、第20回IAEA国際核データ委員会
(INDC)会合、第7回NEANSC核データ評価国際協力WP(WPIEC)及び第1回NEANSC国際
核データ実験活動WP(WPINDMA)合同会合、ロシア支援等について説明した。
�将�. シグマ委員会本委員会の議事
本委員会の時間制約上、ワーキンググループ報告の議論に時間が十分にとれない
ので、特別講演を続けるかどうか議論した。その結果特別講演は続けるべきとの意
見が大勢を占めた。