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            第3回JENDL-3.2問題点検討小委員会議事録(案)

日 時:平成8年12月12日(木)13:30-17:30
場 所:原研本部第5会議室
出席者:中島 豊(RIST)、松延 廣幸(データ工)、河野 俊彦(九大)、村田 
	徹(NFD)、山野 直樹(住原工)、川合 将義(東芝)、高野 秀機、
	三好 慶典、中野 佳洋、長谷川 明、柴田 恵一(原研)

配付資料
	      JENDL-3.2問題点検討小委員会第2回会合議事録
J3P-3-1	国際臨界安全ベンチマーク実験評価プロジェクトの現状	三好
J3P-3-2	Critical Arrays of Low-Enriched UO2 Fuel Rods with Water-to-Fuel 
	       Volume Ratios Ranging from 1.5 to 3.0          	三好
J3P-3-3	Critical Arrays of Mixed Plutonium-Uranium Fuel Rods with Water-to-
	       Fuel Volume Ratios Ranging from 2.4 to 5.6	      三好
J3P-3-4	FP核種の反応度測定及びMCNP-4A、TWOTRANによる計算	桜井
J3P-3-5	研究炉の核計算におけるライブラリの影響について	      中野
J3P-3-6	JENDL-3.2での238U断面積評価に関するコメント	      河野
J3P-3-7	JENDL-3.2におけるU-233とU-235の問題点	             松延
J3P-3-8	Pu-239の評価	                                       川合

議事
1. 前回議事録確認
 4ページ下4行 beff    ==>  beff/l
 4ページ下1行 蔽計算 ==> 遮蔽計算
に修正後、承認された。

2. 利用者サイドからの議論
(1) 国際臨界安全ベンチマーク
 三好氏より配付資料J3P-3-1~3に基づいて、国際臨界安全ベンチマーク実験評価
プロジェクトの一環として行われたTCA実験解析の結果が報告された。2.6%UO2
燃料のkeffはJENDL-3.2を用いたMCNP解析では0.2~0.3%の過大評価、一方
MOX燃料では0.1~0.7%の過小評価であるが、まず問題はなさそうでる。
(2) 反応度測定によるFP断面積のベンチマーク
 配付資料J3P-3-4により三好氏よりFP吸収断面積のベンチマーク実験の結果が
報告された。核種はRh、Cs、Nd、Sm、Eu、Gd、Erである。このうち、Erは
JENDL-3.2には収納されていない。反応度のC/EはRh 1.03、Cs 1.08、Nd 0.89、
Sm 1.06、Eu 1.00、Gd 1.02であり、Nd以外はよく一致している。今後、熱外領
域のデータを出す予定がある。
(3) 研究炉からのコメント
 中野氏より配付資料J3P-3-5により研究炉でのJENDL-3.2及びJENDL-3.1の使用
経験が報告された。JRR-3及びJRR-4の燃料変更に伴い、MVPを用いてベンチマ
ーク炉心の解析を行った結果、いずれのケースでもJENDL-3.1は過小評価、
JENDL-3.2は過大評価であった。どちらかというと、JENDL-3.1の方がbetterで
あるが、-3.2と-3.1の中間がbestである。
 また、Derrienの共鳴パラメータをJENDL-3.2の235Uに組み込んだデータでJRR-3
の解析を行ったところ、0.2%程keffは下がったがそれほど大きな変化ではなかっ
た。

3. 評価者からの議論
(1) 238Uデータ
 配付資料J3P-3-6により河野氏から238Uデータの評価方法及び問題点の説明があ
った。非弾性散乱断面積では東北大学の測定値に重きを置いた。2次中性子スペ
クトルのファイル化ではMaslovに指摘された問題がある。議論の結果
ENDF/B-VIの評価をしたA.B. Smithに非弾性散乱断面積の評価に使った測定値
を尋ねてみることになった。また、本小委員会として238Uの非弾性散乱断面積を
検証する積分実験の提案をしてはとの意見があった。
(2) 233U、235Uデータ
 配付資料J3P-3-7により松延氏より233U及び235Uデータの問題点について説明が
あった。233Uの核分裂断面積は基にした測定値の変更などで1%低くすることは
可能でる。また、非弾性散乱断面積はunreasonableの形になっているが、競争過
程である(n,2n)、(n,3n)の断面積を大きくすることにより改善できる。
 235U核分裂断面積の2200m/sの値は最新の測定値より求めた。従って、ベンチマ
ークテストで2200m/sの値が高いのではとの指摘に対しては、逆にベンチマーク
テストから値を出してほしいと評価者からコメントがあった。それに対して、
2200m/sの値だけでなく、その付近の断面積の形もJENDL-3.2と-3.1では違うと
の指摘があった。235Uの捕獲断面積についてはJENDL-3.1よりは整合性がとれた
値であり、keffの過大評価は核分裂断面積に起因すると説明された。
(3) 239Puデータ
 配付資料J3P-3-8により川合氏より239Puデータの現状について説明があった。
JENDL-3.1から-3.2への主な変更点はDerrienの評価した共鳴パラメータを入れ
たことである。Frehautのデータを基にした(n,2n)断面積は小さすぎるのではない
かというコメントがあった。
(4) 240Puデータ
 村田氏より240Puデータの評価について説明があった。非弾性散乱断面積につい
ては少し評価が粗っぽいかもしれないということであった。共鳴パラメータにつ
いては再検討する。

4. 結果のまとめ方について
 本小委員会での検討結果のまとめは、長谷川氏が今までの議事録等を基に素案を
作り次回会合で議論することになった。運営員会に提出する答申には、如何に
JENDL-3.2の改訂作業を進めるかの体制、実験に対するリクエスト等を含めるこ
とにした。




次回会合予定
平成9年2月17日(月) 原研東海



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