遅発中性子ワーキンググループ第一回会合議事録(案)

開催日時:平成9年4月25日(木)  13:30ー17:00(原研本部第二会
議室)

出席者:  大澤孝明(近畿大)、岡嶋成晃(原研)、親松和浩(名大)、片倉純一
(原研)、瑞慶覧篤(日立)、橘孝博(早大)、中島 健(原研)、山根剛(原研)
、吉田正(武蔵工大)

配布資料:      a.遅発中性子データ専門家会議(岡嶋委員)
        b. 核分裂生成物の遅発中性子総和計算における誤差評価 (親松委員)

1。WG設立の経緯及び趣旨説明
 吉田委員より遅発中性子ワーキンググループの設立にいたる経緯及び趣旨説明が行
われた。
要点は、
1)NEA核科学委員会(NEANSC)の評価国際協力ワーキングパーティー(WPEC
)のサブグループ6(SG6)の活動に協力し、かつその成果を有効に利用するため
に、国内の遅発中性子(DN)に関わるアクティビイティーを集約しつつ、SG6活
動の方向付けを議論する母胎としたい。

2)WGの創設に関しては運営委員会の了承を得ており、核データ専門部会内のワー
キンググループとなる。

2。遅発中性子データ専門家会議報告
 資料aに基づき、4月9ー10日にロシアのオブニンスクで開催された表記会合及
び併催されたWPEC/SG6 Advisory Committee Meetingの出席報告が、岡嶋委員よりな
された。

1)日、米、仏、伊、英、露から29名(内18名は露)の出席があった。英国のRo
wlandsがDNデータの現状をレビューし、主要核に対する要求精度は2ないし3%、
マイナーアクチニド(MA)で10ないし20%であり、現状精度はこの要求精度を
クリアーしていないと報告した。

2) SG6 Advisory Committee Meetingでは、本WGの発起人を中心とする4名(岡
嶋、片倉、親松、吉田)と理研RIビームプロジェクトの谷畑勇夫氏が3月末に纏め
たJapanese Comments on Future Program in Sub-Group  6に沿った線で活動計画が
了承された。その要点は、
 a) 短期的課題として、現在の原子炉解析に必要な核種(U-235、U-238、Pu-239)
に関する推奨値を出す。
 b) 長期的課題として、マイナーアクチニドのDNデータの測定・総和計算を実施
する。
 c) 上記a)をもってSG6は終了して区切りをつける。b)について必要なら、将
来的に新たなSGを創設することとし、SG6をダラダラ引っ張らない。

3)具体的アクションの一つとして、総和計算で必要となるPrecursorのリストを作
成するが、その雛形を米国のG.Sprigssがつくる。これに関連し日本からどうコント
リビュート出来るかを帰国後すぐ検討し、5月にCadaracheで開かれるWPEC会合
で返事することとした。

3。その他の報告
 親松委員より、23日に理研で開催された天体核に関する研究会で、DNデータに
関するコメントを行った際の反応が報告された。それによると、原子力のコミュニテ
ィーからPrecursorのPn値や核分裂収率について、その必要性についての数値的裏
付けが明示された要求があれば、測定を行うにやぶさかでない。

4。審議およびアクションリスト
 上記1。2。および3。で報告された現状をふまえ、当WGが当面なにを為すべき
かが議論された。主な結論と、当面とるべきアクションは以下の通り。

1) PrecursorのPn値や核分裂収率測定の必要性について、親松委員を中心に全員
が協力して、その数値的裏付けをまとめて行く。出発点としては、資料bが利用でき
る。まとめの方針は吉田委員が5月15ー16日のWPEC会合(仏Cadarache)で
報告する。

2)岡嶋委員および他の興味のある委員は、親松委員よりENDB/B-VIのPrecursorデー
タの提供を受る。今後、何らかのかたちで、Precursorデータをexplicitに扱った動
特性計算を試み、オブニンスク会議でも議論されたDNの6群定数化の妥当性の議論
につなげて、SG6にフィードバックする。

3)今後の活動はE-mail及びFaxで情報を頻繁に交換しつつ行ってゆく。次回は9月
に、全委員がDNに関するactivity報告を行い、それらの成果をどのようにまとめて
SG6活動に反映して行くかを議論する。

4。その他
1)山根委員より、U-235のDN数が低エネルギー側で減少すると評価されている点
について、それが本当に正しいか否かについて問題提起された。これは、open quest
ionであり、SG6のコーディネータD'Angelo氏も大いに興味をもっている。当SG
でもフォローすることの必要性が議論された。

次回予定:平成9年9月10日(水)ないし12日(金)(東京地区)

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Tadashi Yoshida
Dept. of Physics,  Faculty of Engineering
Musashi Institute of Technology
1-28-1 Tamazutsumi, Setagaya-ku
Tokyo 158, Japan
Tel: +81-3-5707-1168
Fax: +81-3-5707-1168
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