各位殿
遅くなりましたが、7月17日に開催されました光核反応ファイル作成SWGの
議事録をお送りします。
シグマ研究委員会・高エネルギー核データ評価WG・光核反応ファイル作成SWG
1998年度第1回会合議事録
日時 : 1998年7月17日(金) 13:30 - 16:30
場所 : 原研本部第5会議室
出席者 : 浅見、岸田、深堀、真木、村田
欠席者 : 千葉、肥田
配布資料 :
HE-PHOTO-98-1 : IAEA/CRP「光核反応データの格納と評価」第2回会合報告 (深堀)
HE-PHOTO-98-2 : 光核反応WG担当作業の現状 (村田)
HE-PHOTO-98-3 : 高エネルギ関連核データ整備作業予定及び分担(案) (深堀)
HE-PHOTO-98-4 : JENDL Photonuclear Data File の現状 (深堀)
HE-PHOTO-98-5 : 光核反応断面積評価現状表 (岸田)
議事 :
1. 一般連絡事項
SWGリーダの岸田委員より以下の報告が行なわれた。
(a) SWG活動目標
今年度より高エネルギー核データ評価WGのSWGとして光核反応ファ
イル作成を最重要目標として、新たな活動を開始することになった。
(b) SWGメンバーの確認
SWGの新規発足に伴い、メンバーの再募集を行なった結果、浅見、岸田、
深堀、真木、村田、千葉、肥田(敬称略)の各氏が 参加することになった。
2. 評価関連事項
(a) 深堀委員が資料HE-PHOTO-98-1に基づきIAEA/CRP「光核反応データの格
納と評価」第2回会合について報告した。
i. 現在、作成中の評価済み光核反応断面積データ・ファイルとして、
BOFOD(ロシア)、 CNDCL(中国、Beijin)、EPNDL(ロシア、Moscow)、
JENDL-PDF(日本、JAERI)、LA-150(米国、LANL)がある。 BOFOD、
CNDCLおよびEPNDLは巨大共鳴エネルギー領域しか評価対象として
いない。 EPNDLはまた光吸収断面積の評価が中心で、粒子放出断面
積や核種生成 断面積の評価を行なっていないので、汎用目的ファ
イルではない。 LA-150は主に医療関連で使用する目的のため、評
価対象核 種がWのみに限定されている。 したがって、JENDL光核反
応断面積ファイル(JENDL-PDF)のみが 入射エネルギー、評価核種
の種類、評価断面積の種類において、唯一汎用目的ファイルの資
格を持っている。
ii. JENDLと各ファイルの中性子放出断面積の比較をおこなったが、 一
致が良いものと、極端に悪いものとがある。 悪いものは、MF=3、
MT=5の光吸収断面積の格納値に評価値ではなくALICE-Fコードの中
性子吸収断面積が誤って格納されている核種らしいの で、修正が
必要である。 Wの評価エネルギー点の間隔をもう少し小さくした方
が良いように思わ れる。
iii. 光核反応断面積ファイルのフォーマットにつき協議が行なわれ、
JENDL-PDFとは若干異なるフォーマットが採用された。この新フォ
ーマットへの変換は、簡単なので本グループにおけるファイル化
作業は従来のフォーマットで行なって構わない。
iv. 次回会合は来年10月末に日本で開催することになった。その会合
で、IAEA Photonuclear Data File に採用される評価済みデータ
が決まる予定である。従って、本SWGとしては極力次回会合に間に
合うようにファイル化を行なうべきである。
3. 評価現状報告
(a) 村田委員が資料HE-PHOTO-98-1に基づき D、12-C、 14-N、 16-Oの評価
現状および残作業について報告した。
Dはファイル化作業まで終っている。 C、N、OはEDXおよびDDXの評価を除
き完了している。 EXIFONコードを改良してEDXの計算を行う予定であ
る。 本年度中に担当核種のファイル化を完了させたい。
(b) 資料HE-PHOTO-98-3に基づき委員の交替に伴う評価担当核種の見直しを
議論した。
評価担当者が退任および資料に誤りがあった核種に関して、以下の委員
を担当者とすることになった。
千葉委員 : 46-Ti, 48-Ti, 209-Bi
岸田委員 : 58-Ni, 63-Cu, 65-Cu, 206-Pb, 208-Pb
深堀委員 : 207-Pb
181-Taに関しては韓国のLee氏が核データセンターに滞在中に評価を完了
してファイル化を行なったので、新たな担当者は置かないことにした。
(c) 資料HE-PHOTO-98-4,5に基づき今まで行なってきた光核反応断面積評価
の現状を整理すると共に今後の評価の進め方にについて議論した。
i. MCPHOTOコードで既に理論評価まで終了している核種に関しては、
ENDF-6フォーマットへの変換プログラムを作成してファイル化を
行なう方針で評価を進める。
変換プログラムは深堀委員が作成する。DDXに関しては、Chadwick
のシステマティックスを採用する。そのため、MCPHOTOを修正して
前平衡過程からの粒子放出の割合を出力に加えるようにする。
ii. ALICE-Fによる理論評価が終了しているが、ファイル化が終了して
いない核種に関しては、残作業が少ないので優先的にファイル化
を進める。
iii. 50-Ti, 207-Pbに関しては、吸収断面積の再評価から始める。
iv. 27-Al, 28-Si, 40-Ca, 48-Caに関しては、粒子放出断面積をもう
少し実験値に近付けるように再評価を行なう。
v. Wに関しては、ALICE-Fによる理論評価をなるべく早く実行する。
vi. ファイルのチェックは深堀委員と真木委員が中心となって行なう。
4. 次回予定
(a) 次回は平成10年10月16日(金)に原研本部で開催予定。
(b) 主な内容は、
i. 一般連絡事項
ii. ファイル化作業報告(各委員)
iii. その他
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岸田 則生
日本原子力研究所 計算科学技術推進センター 並列計算法開発グループ
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