各 位

深堀@原研核データセンターです

平成10年11月6日に開催されました評価計算(支援)システムWG
会合議事録(案)をお届けします。


          シグマ研究委員会・核データ専門部会
      評価計算(支援)システムWG会合議事録(案)

日 時: 平成10年11月6日(金) 13:30〜17:30
場 所: 原研本部 第2会議室
出席者: 大澤(近大)、河野(九大)、北沢(東工大)、中村(富士電機)、
     播磨(CRC総研)、肥田(東芝)、五十嵐(新技術情報)、
     松延(データ工学)、岩本、中川、深堀(原研)(11名、敬称略、順不
同)

配布資料:
・ECSS-98-01 新メンバー及び担当希望調査報告(大澤)
・ECSS-98-02 Folding Modelを使ったOMP決定法(北沢)
・ECSS-98-03 IAEA「核データモデル計算のための標準入力パラメータ
          ライブラリー(RIPL Starter File)」の現状(深堀)
・ECSS-98-04 国際原子力機関(IAEA)新協力研究計画(Coordinated
          Research Project: CRP)に関する案内書
          (インフォメーションシート和訳)(深堀)
・ECSS-98-05 RIPLの離散準位データ処理(河野)
・Handbook for calculations of nuclear reaction data: Reference input
 parameter library, IAEA-TECDOC-1034(深堀)

議 事:
1.WGスコープの確認
 はじめに大澤委員より本WG改組に関わる大まかな経緯説明があった。
シグマ委員会としては、成果の明白でないWGは縮小の方向にある。他の
WGはタスクフォース(時限WG)的であり、成果を出した時点で終了するも
のもある。本WGは他の人に明確な成果を見せていないので、この点を考
慮して本WGのスコープを確認したい。これに対し、本WGは長期的視点に
立って、国際協力も視野に入れ、核データ評価に役立つような成果を出し
ていけばよいのでは、等の意見があった。
 上記議論及び配付資料ECSS-98-01を考慮して、本WGの今後の活動を
以下のタスクに絞ることとした。()内は担当委員である。
  1) 光学ポテンシャル(北沢、播磨、千葉、河野)
  2) 準位密度(中村)
  3) γ線強度関数(北沢)
  4) 核分裂反応(大澤)
  5) 統合核データ評価システム(INDES)及びRIPL(全員)
1)〜4)は研究の現状を観察し、面白い結果または核となるものが出てきた
場合、小タスクフォース化を進め、活動を行う。5)は1)〜4)の成果をふまえ、
国内のデータを管理するという視点から作業を進める。したがって、1)〜4)
の物理的アプローチをパラメータデータベースに反映し、INDESに結びつけ
ることによって、評価計算の支援を行う体制とする。
 この視点から本WG名を「評価計算支援システムWG (Evaluation
Calculation Support System WG)」としたい旨運営委員会に提案する。また、
WGリーダーを大澤委員から深堀委員に交代する。

2.Folding Modelを使ったOMP決定法
 北沢委員により、配付資料ECSS-98-02を用いて、Folding Modelを使った
OMP決定法についての講演があった。16O+n-->17Oの基底状態は、かな
り純粋な一粒子状態であるが、通常の光学ポテンシャルでは説明できない
振舞いをする。Direct captureを考慮すべきであるが、(n,γ), (d,p)等の核子
移行反応でs-状態に遷移するような場合、波動関数の核外へのしみだしが
大きいと通常の光学模型では説明できないが、Folding Potentialを用いると
かなりよく再現できる。

3.作業分担
 1. の議論をもとに各タスクの作業内容を検討した。
  光学ポテンシャル
   ・ JLMモデルを含むFolding Potentialを元に解析を進める。
   ・ 上記結果をWoods-Saxon型へfitするか、point-wiseで与えるか検討
    する。
   ・ Global Potentialとの比較も行う。
  準位密度
   ・ shell及びpairing効果を分離するのが重要である。
   ・ 質量公式からこの効果を導出する(早稲田大グループへのコンタクト
    も考慮する)。
  γ線強度関数
   ・ RIPLに含まれていない効果の大きいM1、E2遷移を加えるよう働きか
    ける。
   ・ M1: 角運動量依存の巨大共鳴(以前、捕獲反応においてピグミーE1
    遷移と呼ばれていたもの)
   ・ E2: Isoscalor巨大共鳴(RIPLに含まれている)に、Isovector巨大共鳴
    を加える。
  核分裂反応
   ・ 核分裂中性子スペクトル(χ)
   ・ 核分裂あたりの放出中性子数(ν)
  統合核データ評価システム
   ・ IBMマシン上?ある程度でまとめテレポートにする。
   ・ RIPLの成果を取り込む。
   ・ UNIX版を作成し、internet対応をはかる。

4.RIPLへの対応
 1.及び3.の作業から得られて成果を反映していくこととし、各自個別に
対応することとした。

5.その他
 次回の会合は、2月19日(金)の予定。
予定議題は、
 ・ INDESの現状(中川委員)
 ・ RIPL-2の報告(深堀委員)
 ・ 各グループの報告
 ・ 次年度計画
 ・ その他
である。



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