シグマ研究委員会 核データ専門部会 しきい反応断面積検討アドホックWG 平成 11 年度 第 1 回会合 議事録 日 時:平成11年11月24日 (水) 13:30 〜 17:00 場 所:日本原子力研究所 東海研究所 第5会議室 出席者: Manokhin(IPPE)、真木(日立)、渡部(川重)、杉、前川、春日井、 長谷川、中川、柴田、深堀、岩本、小田野(原研) 配布資料 : TH-1 「しきい反応断面積検討アドホックWG」の活動について (小田野) TH-2 Results of Dr. Manokhin's analysis of threshold reaction cross sections in JENDL/D-99 (Manokhin、小田野) 講 演 WG会合に先立ち、Manokhin氏を講師として迎え、「しきい反応断面積励起関 数の半経験的系統式」と題する講演会を原研所内セミナーとして開催した。講 演では、Manokhin氏が提案する系統式について解説していただき、(n,2n)、 (n,3n)、(n,p)、(n,np)、(n,α)、(n,nα)反応について軽核から重核まで広い質量 数範囲にわたって、しきいエネルギーから20 MeVまでの励起関数を系統式で 表現できることを示された。また、系統式の適用例として、いくつかの反応につ いて、系統式、評価済み核データ、実験データとの比較を示した。 議 事 1.WG活動方針について 配布資料TH-1に基づき、小田野委員が「しきい反応断面積検討アドホック WG」の活動方針について説明した。WGでは、JENDL-3.2及び特殊目的ファイ ルに格納されているしきい反応断面積の問題点及び改善のための知見を得 るために、集中的に作業を行う。作業の内容は (1) JENDL-3.2及び特殊目的ファイルに格納されているしきい反応断面積の問 題点の抽出 (2)JENDL-3.2及び特殊目的ファイルの改善のための提言の検討 (3) 報告書の作成 である。 Manokhin氏の原研滞在中は、小田野委員がManokhin氏とともに(1)の作業を 行う。全核種のプロット図の作成が完了し次第、分担を決め、各担当者がレ ビューする。 2.JENDL/D-99の解析結果について Manokhin氏がJENDL/D-99のしきい反応断面積の解析を行った結果を、 Manokhin氏と小田野委員が、配布資料TH-2に基づき、説明した。Manokhin氏 が特にコメントした反応は、52Cr(n,2n)、55Mn(n,2n)、60Ni(n,p)、63Cu(n,2n)、 65Cu(n,2n)、56Fe(n,p)、58Ni(n,p)、46Ti(n,p)、64Zn(n,p)、63Cu(n,a)反応であ る。 その他の反応については、特に問題はない。問題点が指摘された反応につい ては、積分テストの結果も念頭に入れ、再評価が必要かどうか検討する。 3.他の解析例について Manokhin氏が、実験データ、評価済みデータに矛盾がある反応について、系 統式を用いた解析例を示した。反応は、26Mg(n,α)、29Si(n,np)、30Si(n,np)、 106Cd(n,2n)である。これらの反応については、実験的な側面と、理論的な側 面の両者からの検討が必要である。 4.その他 Manokhin氏が系統式を用いた断面積の解析に使用しているPLOTTABシス テムから、プロット図を作成する手順を早急に調査し、次回会合まで、全核種 のプロット図を用意する。 担当:小田野委員 5.次回会合予定 平成11年12月8日(水)に原研東海研に於て開催予定