中高エネルギー核データ積分テストWG会合議事録(案)です。
==========================
==========================
 
中高エネルギー核データ積分テストWG
2000年度 第1回会合 議事録(案)

日 時 :2000年5月23日(火) 13:30〜17:30
場 所 :原研本部 第5会議室
出席者 :森、中島、明午、前川、深堀(原研)、植木(船研)、義澤(MRI)、安藤(東芝)、
     半田(HEC)、小迫、山野(住友原子力) 以上11名〈敬称略・順不同〉

配布資料:
 HIT-2000- 1: 中高エネルギー核データ積分テストWGの提案[山野委員]
 HIT-2000- 2: 高エネルギー核データファイルの現状[深堀講師]
 HIT-2000- 3: Processing and validation of intermediate energy evaluated data files[深堀講師]
 HIT-2000- 4: 陽子入射TTYベンチマーク実験の現状[明午講師]
 HIT-2000- 5: Los Alamos memorandum[山野委員]
 HIT-2000- 6: MCNPX User's Manual[山野委員]
 HIT-2000- 7: MCNP4C, MCNPXの現状[前川委員]
 HIT-2000- 8: 連続エネルギーモンテカルロコードMVPの高エネルギー化計画[森講師]
 HIT-2000- 9: 断面積処理法について[小迫委員]
 HIT-2000-10: LAHET BENCHMARK CALCULATIONS[山野委員]

議 事 :
1.本WG設立の経緯とWGリーダー選出
 山野委員及び中島委員より資料HIT-2000-1により、本WGの設立の経緯と目的について説明があった。
本WGの目的は、JENDL-HEの第1版が平成12年度中に公開予定となるため、そのデータ確認を行うため
の定数処理法及び積分テスト手法を確立することにある。その後、WGリーダーとして山野委員が選出さ
れた。
2.JENDL-HEファイル評価の現状に関する報告
 深堀講師より資料HIT-2000-2の説明がなされた。現在高エネルギー核データ評価WGでは、JENDL-HE
に向けての核データ評価作業を精力的に行っている。そのうち、1st. priority及び2nd priority核種に
ついては、平成12年度中に評価を完了し公開の予定である。NEA/NSCのWPECの中高エネルギー領域の核
データ評価の現状については資料HIT-2000-3を基に説明があり、ファイル形式等についての説明やシグマ
委員会タスクフォースで摘出された問題点等についての最新情報が報告された。
3.陽子入射TTYベンチマーク実験の現状報告
 明午講師より資料HIT-2000-4の説明がなされた。TTYデータは遮蔽実験と異なり、粒子の体系中での衝
突回数が少ないため、核データや陽子−中性子結合輸送計算の検証に有効である。但し、ベンチマークを
行うためには信頼性のある測定データの選定が必要であり、そのための現状調査を行った結果が報告され
た。この検討結果は本WGで実施するベンチマーク問題の選定に非常に有効である。
4.MCNP4C、MCNPXの現状報告
 山野委員より資料HIT-2000-5, 6、前川委員より資料HIT-2000-7の説明があり、MCNP4Cの最新情報及び
MCNPXの使用経験が説明された。中性子入射問題ではMCNP4CとMCNPXの両者が使用可能であるが、陽子入
射問題ではMCNPXが必要となる。現在本WGメンバーの大部分がMCNPXを使用可能であるためMCNPXの適
用について問題ないことが確認された。
5.MVPの拡張計画
 森講師より資料HIT-2000-8の説明が行われ、現在MVP中性子断面積ライブラリ作成コードLICEMの拡張
とMVPの拡張作業を行っている。また、JAMとMVPを結合したJHET計画も平成12年度に行う予定である
ことが報告された。
6.断面積処理法に関する報告
 小迫委員より資料HIT-2000-9の説明が行われ、NJOY系の断面積処理コードの適用性について報告され
た。また、MCNP4C及びMCNPXの断面積格納formatについては調査検討することとした。
7.ベンチマーク問題の選定
 本年度のWG活動として、中性子及び陽子入射の中高エネルギー核データの積分テスト手法の確立を第
1目標として、MCNP4B/4C及びMCNPX用の断面積データ処理が行われた時点で、入手可能なベンチマーク問
題を解析する。資料HIT-2000-10及びHIT-2000-4を基にベンチマーク問題を選定した。選定した問題は以
下の通りであり、解析担当者を決定した。
 TIARA   43, 68MeV      Fe, Polyethylene        植木委員
 RCNP        60MeV      C, Fe, Pb (2次γ含む)   安藤委員
 AGS   1.9, 12, 24GeV   Fe(SS304), Hg, Pb       前川委員
 TIARA       68MeV      C, Al, Cu, Pb TTY       明午講師
 WNR   113, 256MeV      C, Al, Fe TTY           義澤委員
 KEK   0.5, 1.5GeV      W, Pb                   半田委員
 JINR    2, 2.5GeV      Pb                      山野委員
8.WG活動について
 本WGは2年を一応の活動の目安として、2年後に活動内容及びメンバーについては運営委員会で見直
す。本年度はファイル化されたJENDL-HEのベンチマーク問題を解析し、中高エネルギー領域の積分テスト
手法の確立に向けての知見を得ることとし、結果は核データ研究会で報告することを当面の目標とする。
断面積処理法については、MVP等の輸送計算コードに対する適用を含めた検討作業を実施する。次回会合
で積分テスト結果を担当委員より報告することとした。

次回会合予定: 2000年9月29日(金)13:30〜17:30
        日本原子力研究所 本部 会議室

次回予定議題: 積分テスト結果の検討(各担当委員)
        断面積処理法と輸送計算方法
        その他
                                                                 以上