previous

深堀@核データセンターです

先日行われました、評価計算支援システムWGの議事録(案)を
お届けします。

---------------------------------------------
Tokio Fukahori
  Nuclear Data Center
  Japan Atomic Energy Research Institute
  Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki-ken 319-1195, Japan
  TEL:+81-29-282-5907, FAX:+81-29-282-6216,5766
  www: http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/
---------------------------------------------

シグマ研究委員会・核データ専門部会
評価計算支援システムWG会合議事録(案)

日 時: 平成13年3月1日(木) 13:30〜17:30
場 所: 東京工業大学 原子炉工学研究所 2号館6階会議室
出席者: 北沢(防衛大)、大澤(近大)、播磨(CRC)、浅見、松延(データ工学)、
中村(元富士電機)、五十嵐(新技術情報)、千葉、岩本、深堀(原研)
            (10名、敬称略、順不同)

配布資料:
・ECSS-00-07	統合モデルによる原子核質量&準位密度公式(II)(中村)
・ECSS-00-08 	マイナーアクチニドの即発中性子スペクトルの精度向上(大澤)
・ECSS-00-09 	Effect of the preequilibrium process upon fast neutron fission
spectra
		from U-238(河野)
・ECSS-00-10	General RIPL-2 Format Specifications(深堀)
・ECSS-00-11	評価計算支援システムWG平成12年度活動報告・13年度活動計画
		(深堀)


議 事:
1.	前回議事録確認
 前回議事録を誤字修正の上、確認した。

2.一般報告
 深堀委員より、核データ国際会議の準備進捗状況、NEA/NSC/WPEC会合予定、
IAEA/CRP on RIPL-2の前回会合、核データ研究会についての報告があった。

3.準位密度
 中村委員より、配付資料ECSS-00-07を用いて原子核質量及び準位密度公式の
統合モデルについて報告があった。原子核質量における殻エネルギー、対エネルギー、
変形に関する補正項の選択により、最終的に0.4 MeV程度の精度の質量公式を
導出できそうである。偶−偶核に関して、ついエネルギーパラメータを適切に
選ぶことにより、相転移点のない滑らかな温度依存性が得られた。偶−奇核、
奇−奇核に関しては検討中である。これらの原子核質量及び準位密度公式の
統合モデルを用いて、中性子スペクトル、平均中性子共鳴幅、離散準位から求めた
温度の値を比較している。
 この他、corrective enhancement factorに関する議論があった。このモデルの
全体を見通しよくするために、仮定の整理及び式の導出を次回にまとめて
行うこととした。

4.核分裂即発中性子スペクトル
 大澤委員より、配付資料ECSS-00-08を用いて241,242m,243Am、
242,243,244,246,248Cmの即発中性子スペクトル精度向上の試みについての
報告があった。Wang-Fuのindependent核分裂収率とFanの核分裂片の
全運動エネルギー分布からマルチモード核分裂の各モードへの分岐比を計算し、
平均中性子放出数に242Puの値を用いて、即発中性子スペクトルを計算する。
Wang-Fuのindependent核分裂収率は20 MeV以下では精度が良いと思われるが、
20 MeV以上は検証されていない。今後、実験値などの比較により核種別に
精度検証を行う予定である。
 河野委員より(大澤委員代読)、配付資料ECSS-00-09を用いて速中性子による
核分裂中性子スペクトルへの前平衡過程の影響についての報告があった。東北大の
核分裂スペクトル実験値に、通常の核分裂スペクトルの上にこぶ状の分布が
見つかった。この部分を取り出してみると緩やかな前方性が確認できたため、
pre-fission中性子に対する前平衡過程の影響であることが予測された。これを
検証するために、前平衡過程として多段階直接反応過程を用いて計算したところ、
実験値を説明できた。この結果は、JENDL-3.3の評価値に反映されている。

5.RIPL-2への対応
 深堀委員より、配付資料ECSS-00-10を用いて、昨年度のRIPL-2会合において
採択されたRIPL-2データファイルのフォーマットについて説明があった。今後、これを
基に、前回の本WGで採択した分担により、WWWを用いたアクセスのための
ツール群及びモデル計算コードへのインターフェースの作成作業を行うことを確認した。

6.平成12年度活動報告・13年度活動計画
 深堀委員より、配付資料ECSS-00-11を用いて平成12年度活動報告・
13年度活動計画(案)が示され、検討の後確認された。この資料は、次回の
運営委員会で報告し、承認をもらう。

7.その他
 次回の会合は、未定。