河野@九大です.
昨年7月に開かれましたFPのworking groupの議事録をお送りします.

F00FC7C8
####- KAWANO Toshihiko://Advanced Energy Eng. Sci., KYUSHU -##
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      FP核データ評価WG平成14年度第1回会合議事録

  日時   : 平成14年7月5日(金) 13:00 -- 17:00 
  場所   : 東京工業大学原子炉研究所 2号館 6階会議室 
  出席者 : 柴田 恵一, 中川 庸雄, 千葉 敏, 川合 将義,  瑞慶覧 篤,
         : 井頭 政之, 杉 暉夫, 渡部 隆, 松延 廣幸, 村田 徹, 河野 俊彦  

配布資料
  FP02-1 FP核データ評価                                  河野
  FP02-2 JENDL-3.2から変更があった核種                   中川,柴田
  FP02-3 追加希望核種のデータの現状                      中川
  FP02-4 ND2001, p.982                                   川合
  FP02-5 NEA/WPEC-17                                     川合
  FP02-6 WPEC Subgroup 21                                柴田
  FP02-7 New neutron and proton optical models           河野

議事
提出資料より

  ○  資料FP02-1,2,3をもとにして,FPデータ評価の現状把握と,本WGの目的の
      確認を行った.JENDL-3.3用に新たに評価されたのは,Erの同位体6核種だ
      けであり,FPデータのほとんどは3.2からそのまま引き継がれたものであ
      る.FP領域の核データをupdateし,次期JENDLに向けた評価作業を継続し
      ていくことを,本WGの目的とすることを確認した.

  ○  中川委員が,JENDL-3.2から変更があった核種について,修正されたデー
      タおよび追加されたデータについての報告を行った(資料FP02-2).変更の
      主な点は,一部の核種に対して,MF6をJENDL/F99から採用したこと,
      γ線生成データを追加したこと,捕獲断面積や全断面積を修正した
      こと,等である.99Tc,106Cd, 140Ceについては,共鳴パ
      ラメータが変更された.また資料FP02-3に基づき,ユーザから追加希望の
      ある11核種が報告された.Dyについてのユーザからの要求を調査する.

  ○  FPデータの見直しをするために,現在のFPデータがどのような手法で評価
      されたのかを確認した.共鳴パラメータは,松延委員,川合委員,瑞慶覧
      委員,中島委員が核種を分担し,個別に評価を行った.非分離領域では
      ASREPコードを用いている.高いエネルギー領域では,CASTHY,PEGASUSに
      よる統計模型計算を行い,実験データがあるものについてはそれらへの規
      格化を行っている.従って,新しい評価を行うには,以前の計算に用いら
      れた模型パラメータを再確認する必要がある.今後,次の項目に対して作
      業を行う.
          Level Schemeの見直し
          Direct Inelastic Scatteringの考慮
          Optical Potential
          Direct/Semidirect Capture
          新しいThermal Cross Sectionの調査
          <Γγ> のSystematics

  ○   共鳴パラメータについては,新しい実験・解析があれば,その値に置き換
      えることが可能である.例えばKAERI/BNLでは,新たに19核種の共鳴パラ
      メータをENDF/B-VI用に評価している.

  ○   川合委員および柴田委員より,WPECでのFPに関連した活動が紹介された
      (資料FP02-4,5,6).WPEC/SG10ではFPデータの非弾性散乱断面積に関する
      検討を行って来たが,評価の手法そのものよりも,積分実験とのC/E値に
      よる比較の方に検討の余地があることが分かって来た.特に,かねてより
      指摘されていた弱吸収体に関する積分テストとのC/E値の問題に関して,
      計算と実験の食い違いの原因が感度解析によって明らかなったことが
      ND2001で報告されている.SG17では,1群断面積によるライブラリ間の差
      異の比較を行っており,すでにレポートが出ている.現在作業が進んでい
      るSG21では,任意に選んだ幾つかの核種に対して,核データライブラリ間
      の比較を行っている.

  ○  河野委員より,KoningとDelarocheによる新しいglobal optical potentail
      が紹介された(資料FP02-7).

  ○  2002年度核データ研究会にFPデータ評価のセッションを設け,評価の歴史,
      最近の測定データ,今後の本WGの活動予定について紹介することを確認し
      た.

次回会合
  平成14年10月もしくは11月