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シグマ委員会平成 12 年度第3回運営委員会議事録
日時:2001 年 3 月 15 日(木)13:30 〜 17:10
場所:航空会館 705 会議室
出席者:吉田(武蔵工大、主査)、馬場(東北大)、井頭(東工大)、岡本(日大)、
北沢(防衛大)、石川(サイクル機構)、瑞慶覧(日立)、山野(住原工)、
長谷川(原研)、片倉(原研)
幹事:中川(原研)
オブザーバー:喜多尾(データ工学)、松延(データ工学)、小林(京大)、
古林(京大)、河野(九大)、深堀(原研)
配付資料
1.平成 12 年度第2回運営委員会議事録(案)
2.高エネルギー核データ評価 WG 平成12年度活動報告・13年度活動計画
3.評価計算支援システム WG 平成12年度活動報告・13年度活動計画
4.荷電粒子核データ WG 平成12年度活動報告及び平成13年度作業計画
5.遅発中性子 WG 平成12年度成果と13年度計画
6.中重核評価 WG 平成12年度活動報告・13年度活動計画
7.重核評価 WG 平成12年度活動報告及び来年度活動計画
8.医学用原子分子・原子核データ WG の平成12年度の活動概要及び平成13年度の
活動計画について
9.JENDL 編集グループ平成12年度活動報告・平成13年度活動計画
10.平成12年度活動報告 核データニュース編集委員会及び CINDA グループ
11.平成12年度活動報告 ドシメトリー積分テストワーキング・グループ(WG)
12.科学と技術のための核データ国際会議 ND2001 準備状況
13.炉定数整備専門家会議報告
議事
I.議事録確認
1.前回議事録確認
配付資料1の(案)について、誤字・脱字の修正を以下の通り行った後承認された。
p2 下 13 行目 「九大、名大」→ 「九大、近畿大」
p3 下 2 行目 「核テータ」→ 「核データ」
なお、宿題事項となっていた「核データ・炉物理特別会合」の件について、中川幹
事から以下の通り報告された。
炉物理部会では、3月の日本原子力学会春の年会における炉物理部会の総会で議論
して決めることとなった。
II.審議事項
1.核データ専門部会の活動報告と13年度の予定
1)高エネルギー核データ評価 WG
深堀グループリーダーが配付資料2に基づき説明した。
平成13年度は、岡本委員(日大)が辞任する。平成12年度の会合は高エネルギ
ーファイル作成 SWG を3回開催した。全体会合や他の SWG については開催しなか
った。高エネルギーファイル(JENDL-HE)については、評価終了核種が39核種で、
評価中が45核種である。光核反応ファイルについては、ファイルのチェック及び修
正、再評価を幾つかの核種について行った。IFMIF 用ファイルについてもファイルの
チェック及び修正を行った。PKA/KERMA ファイルは IFMIF 用ファイルの作成を待っ
て行うため作業は行っていない。高エネルギー放射化断面積の検討では核異性体への
遷移確率の検討を行った。平成13年度は高エネルギーファイルについては原研-KEK
統合計画の設計に利用できるよう主要核種に対する評価を早期に終えるようにする。
年度末までにJENDL-HE ファイルの公開を目指す。光核反応、IFMIF 用、PKA/KERMA
ファイルについては、出来るだけ早くファイル化を終了し、報告書を作成する予定で
ある。高エネルギー放射化断面積については積分テスト、ニーズの調査、核異性体へ
の遷移確率の検討を引き続き行う。
質疑応答は以下の通りである。
Q. first priority の評価はいつ頃出来上がるのか?
A. 当面必要な 20 核種は既に中性子科学研究センターに渡してある。
Q. 材料損傷については今後どうなるのか?
A. ニーズの調査を含め、将来検討する。
Q. IFMIF に関して、相手からはどういわれているのか?
A. すぐに欲しいとは言われているが、20 MeV のつなぎのところで苦労している。た
だし、本当に欲しいのは、PKA/KERMA ファイルである。
Q. 高エネルギーファイルには proton も入っているのか?
A. proton も入っている。ただし、IFMIF 用ファイルは中性子だけである。
2)評価計算支援システム WG
深堀グループリーダーが配付資料3に基づき説明した。
平成12年度は2回会合を開き、光学ポテンシャル、準位密度、γ線強度関数、核
分裂反応に関する検討を行った。平成13年度も光学ポテンシャル等の検討を進める
とともに、自動核データ評価システムの検討や変形パラメータのデータベース化を行
う。
質疑応答は以下の通りである。
Q. 自動核データ評価システムはどの程度までいっているか?
A. 高エネルギー領域に関してはある程度できる。
Q. 共鳴領域の解析を SAMMY で行えないか?
A. 出来る人がいない。SAMMY の講習会が開かれているが、SAMMY を流そうとする人
がいないので、講習会へ人を送れない。結局、外国の評価を受け入れるだけになっ
てしまっている。これは、問題である。
C. 京大炉でも SAMMY に関心があるが、なかなか出来ない。韓国に経験者はいるが、
継続してやる人がいない。
C. JENDL-3.3 を再現できるシステムになって欲しい。
A. 完全に再現するのは無理である。少なくとも使ったパラメータはこのシステムに
入れておきたい。
3)荷電粒子核データ WG
松延グループリーダーが配付資料4に基づき説明した。
平成12年度は、2回会合を開き、2次中性子スペクトル、角度分布等の検討を行
った。また、ND2001 へ abstract を2件提出した。本年度で WG は終了だが、評価
の見直しや、ファイル化、報告書作成等の作業が残っている。
WG の終了について議論があり、議論の結果、検討中の角度分布について一応の結
論を出すため、WG 活動を1年延長することとなった。
4)遅発中性子 WG
吉田グループリーダーが配付資料5に基づき説明した。
平成12年度は1回会合を開き、nd 及び6群定数の検討を進め、FCA や MASURCA
等での beff 実験を用いてU-235、U-238、Pu-239 の nd データの Adjustment を行
い、重核 WG に結果を提示した。平成13年度は、VHTRC、TCA、TRACY 等の炉心の解
析を通し、改訂された6群定数の当否を更に詰めて行く。また、上記作業を JENDL-
3.3 を基に整合性のあるものとして締めくくりとする。この WG 活動は12年度で終
了予定であったが、以上の作業とレポート作成のため、あと1年継続したい。
議論の結果、WG 活動の1年延長は了承された。
また、以下の質疑応答があった。
Q. JENDL-3.3 ベースの解析の結果は、JENDL-3.3 へ再度フィードバックするのか?
A. 確認のために行うのであり、再フィードバックはしない。
5)中重核評価 WG
柴田グループリーダーが欠席のため、井頭核データ部会長が配付資料6に基づき説
明した。
平成12年度には3回会合を開き、Na-23、Er 同位体等の評価及び ENDF フォーマ
ット化を行った。なお、配付資料は全て PDF 化してある。平成13年度は共分散の
評価を早急に行う。また、本 WG 活動は13年度をもって終了する。
なお、遮蔽の積分テスト側から、「ENDF/B-VI より良くなったという印象がない。
B-VI より後に出るのだから良くなったと言いたい。 WG でもっと詰めて欲しい」と
の要望が出され、井頭部会長から柴田グループリーダーへ連絡することとなった。
6)重核評価 WG
河野グループリーダーが配付資料7に基づき説明した。
平成12年度は、既に3回の会合を開き、あと1回の会合を予定している。JENDL-
3.3 用断面積等のデータの検討、積分テストの結果の検討、遅発中性子評価 WG の
nd 評価結果の検討、及び JENDL-3.3 用共分散ファイルの作成を行った。平成13年
度には共分散評価を中心に進める。特に炉心計算に重要な分離・非分離共鳴領域にお
ける共分散は WPEC との連携を図りながら進める。本 WG も12年度で終了予定であ
ったが、共分散評価が終了していないため、あと1年延長したい。
質疑応答は以下の通りである。
Q. 共分散がないとJENDL- 3.3 を release 出来ないのか?
A. 共分散なしのものを先に release する。
Q. 共分散有り無しでファイルの名前は変えるのか?
A. 名前は変えない予定である。
Q. 両方同じ名前だと混乱しないか、心配だ。
A. 共分散有り無しの名前の付け方は編集グループで検討してもらう。
なお、1年延長については了承された。
2.常置グループの活動報告と13年度の予定
1)医学用原子分子・原子核データグループ
古林グループリーダーが配付資料8に基づき説明した。
平成12年度には2回の会合を開いた。12年度にグループリーダーが交代したこ
ともあり、今後の活動を中心に議論するとともに、医学に関する情報交換を行った。
また、核データニュースへの WG 活動方針の投稿やホームページの開設など、情報発
信に努めた。平成13年度も定期的な情報発信を続けるとともに、医師との連携など
交流を促進する。
この説明に対し「定期的な情報発信は重要である。今、核データ部会が、原子力学
会誌に核データ関連の連載講座をやる計画を進めているが、その中で核医学等の記事
を入れて欲しい」との要望が出され、前向きに考えることとなった。また、このグル
ープの活動から核データへフィードバックがかけられるようにして欲しいとの要望が
出された。
2)JENDL 編集グループ
中川幹事が配付資料9に基づき説明した。
平成12年度は1回の会合を開き、JNC からの委託研究に関わる FP 核データの評
価、JENDL-3.3 評価活動の現状等について議論した。13年度も核データセンターの
研究計画を実行するため適宜、議論を行う。
以下の質疑応答があった。
Q. FP 評価については WG を新たにつくるのか?
A. 今のところ作る予定はないが、より多くの FP 核種のデータを検討する必要が出て
くれば、WG を再編する可能性もある。
3)核データニュース編集委員会及び CINDA グループ
中川幹事が配付資料10に基づき説明した。
平成12年度は核データニュースを3回発行し、CINDA のエントリーを行いデータ
バンクに送付した。13年度にも引き続き、核データニュースの発行、CINDA のエン
トリーを行う。
以下の質疑応答があった。
Q. 核データニュースは何部送っているのか?
A. 450 部程度である。
Q. 今年は ND2001 があり、CINDA のエントリー作業は大変だが、対応を考えているの
か?
A. 考えている。ボランティアで個別にお願いすることがあるかもしれないので宜しく
お願いしたい。
3.炉定数専門部会の活動報告と13年度計画
1)Dosimetry 積分テスト WG
小林グループリーダーが配付資料11に基づき説明した。
平成11年度には JENDL Dosimetry File (JENDL/D-99) の評価作業も一段落し、
CD-ROM 化し、希望者に配付した。平成12年度は、WG 会合を特に開かなかったが、
e-mail により連絡をとりながら JENDL/D-99 のレポート作成を進めた。レポートは
現在査読に回っている。WG 活動は本年度で一度区切りをつけたい。
議論の結果、本年度で WG の活動に区切りをつけることは了承された。
4.「シグマ委員会2年報」の執筆について
中川幹事より「2年報」執筆の取りまとめの編集委員について提案があった。編集
委員は4人で2年毎に半数(2名)が交代する。今年度は、山野氏及び飯村氏が継続
となり、岩本氏、浅見氏が交代する。新任として千葉氏の内諾を得た。もう一名とし
て、馬場氏か岩崎氏にお願いしたい。
議論の結果、馬場委員から岩崎氏にお願いしてもらうこととなった。
5.その他
特になし
III.報告事項
1.ND2001 の準備状況
長谷川委員が配付資料12に基づき準備状況を報告した。
アブストラクトの審査を3月8日のプログラム部会で行った。603 件の応募から
509 件採用した。この他 Key Note Speech、Invited Talk があり、全部で約 560 件
となる。今後、審査結果の通知、第3次案内の送付等を早急に行う。本論文の締切は
8月末である。
2.炉定数整備専門家会議
片倉幹事が配付資料13に基づき報告した。
2月22、23日に「炉定数整備専門家会議」を開催した。参加者は 59 名であっ
た。炉定数に関する講演の他、標準炉定数に関するフリーディスカッションを行った。
どこで、どのように作るかは別として、reference となるライブラリーが必要である
との共通認識が得られた。
本会議の報告書として、英文の報文集を発行予定である。
3.2001 年核データ研究会について
長谷川委員より、2001 年核データ研究会は、国際会議 ND2001 があるため中止せ
ざるを得ないとの報告があった。
4.その他
日本原子力学会核データ部会から以下の報告があった。
・5月24,25日に日韓ジョイントセッションが韓国済州島で開催される。炉物理
部会と合同で、炉物理部会から4名、核データ部会から2名の発表が予定されてい
る。
吉田委員、井頭委員が発表する予定である。
・原子力学会誌に核データに関する連載講座を載せる。5月号から4回の予定である。
IV.その他
1.確認事項
1)宿題事項の確認
特になし。
2)次回日程とオブザーバー
次回 5月22日(火)
炉定数専門部会、核燃料サイクル専門部会、常置グループの一部について審議を行
う。
2.その他
原子力学会の標準委員会の動きについて以下の報告があった。
・アンケートをとった結果、放射線遮蔽関係では炉定数の標準化の要望が出されてい
る。標準委員会では炉定数の作成は困難である。シグマ委員会で協力できるか考え
ておいて欲しい。
以上