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         シグマ委員会標準炉定数検討WG第6回会合議事録 

  日時   : 平成 14年3月14日(木) 13:30 - 17:30
  場所   : 霞山会館
  出席者 : 11人(順不同)
  佐治 悦郎(内閣府)、長谷川 明、島川 聡司(原研)、石川 真(JNC)、
    佐々木 誠(三菱)、佐々木 研治(ARTECH)、山野 直樹(住友原子力)、
    松延 廣幸(核デ−タ工学)、竹村 守雄(川重)、日野 哲士、瑞慶覧 篤(日立)

配布資料
    STD-6-0  第6回標準炉定数検討ワ−キンググループ会合議題 
   STD-6-1  シグマ委員会標準炉定数検討WG 第5回会合議事録(案)   瑞慶覧
   STD-6-2  dpa・核変換生成物評価コ−ドNPRIMの開発とエネルギー
      群構造の考え方              島川 聡司、関村 直人
   STD-6-3  NJOYによる2000群定数の計算例           日野、瑞慶覧
  STD-5-4  JENDL-3.3公開及び関連炉定数について              長谷川
  STD-6-5  高速炉用次世代炉定数の開発                         羽様、石川
   STD-6-6  原子力学会標準委員会対応について                   山野
  STD-6-7  標準炉定数WGの今後の計画                 瑞慶覧

議事内容
1. 前回議事録確認
  前回(平成13年1月30日)の第5回会合の議事録を確認し、字句を修正した後承認。
 
2. JSSTDL-Report最終版に関する検討
    瑞慶覧委員より最終版レポ−トの作成状況が報告された。中川庸雄氏に依頼した
  予備的査読結果から43項目に関する各執筆者への問い合わせとその回答を基に、改
  訂、ほぼ完成した。再度、各執筆者に確認してもらって、執筆作業は完結する。そ
  の後は、主執筆者に一任する。
 
3. dpa・核変換生成物評価コ−ドNPRIMの開発とエネルギ-群構造の考え方
    島川委員より資料STD-6-2に基づいて、dpa・核変換生成物評価コ−ドNPRIMの開
  発とエネルギ-群構造の考え方に関してご報告戴いた。本コードは、日本における
  さまざまな中性子照射場で得られた照射損傷関連データに対し、それらを統一的
  に整理し得る手法として、標準となるコードの開発を目的とするものである。
    NPRIMの特徴は、(a) 利便性:●動作環境:パソコン、●Graphical Interface
  の採用、●配付方法:Internet配付、●エネルギ-群構造:任意、●代表的中性子
  スペクトルを内臓、●標準的元素を予め収納、 (b) 機能性:●種々の指標が計
  算可能、●化合物(合金等): 準備中、●出力形式選択可能(例:核反応別)、誤差
  評価を標準で可能にする。 (c) 互換性:他のコードとの互換性を確保、 
  (d): 信頼性:●原子力学会「照射損傷評価」研究専門委で吟味、・第三者による
  チェック(有賀@原研、Greenwood@PNL)、●公開:ICFRM-10(2001.10)、ISRD-11
  (2002.8)

4. 高速炉用次世代炉定数の開発
    資料STD-6-5に基づいて、石川委員よりJNCにおける高速炉用次世代炉定数の開発
  状況の報告があった。実用化戦略研究(F/S)における多様な高速炉(重金属冷却、ガ
  ス冷却、金属燃料、窒化物燃料、LLFP核変換炉等)に対応するため、次世代炉定数
  作成システムを開発中。本システムの特徴は、JFS群構造の基本炉定数と超微細群
  構造炉定数の併用である。具体的には、以下の3段階に分けられる。

 (a): 全エネルギ-領域の基本炉定数計算
      従来のJFSに相当(エネルギ‐群数:約1000群まで可変)、Bondarenkoタイプ、
      R-因子:U238のみ. 
  (b): 41keV以下の超微細炉定数
   標準エネルギー群数9150で、重核共鳴の詳細計算。散乱マトリックスなし、
      エネルギー減少幅は力学計算で評価。
 (c): 実効断面積の作成(専用格子計算コード:SLAROM-UF)
      1st Step: 基本炉定数で全エネルギ-領域の格子計算、2nd Step: 得られた核
      分裂と散乱による固定中性子源を用いて、41keV以下の超微細群炉定数で格子
      計算。3rd step: 1st Stepの計算結果の中、41keV以下を2nd stepの結果で入
      れ替える。

    なお、本報告では、JFSの重み関数の修正効果によりサンプルドップラー反応度
 C/E値が約7%大きくなり、C/E値が約0.9近傍に改善される事を明かにした。

5. NJOYによる2000群定数の計算例
    本検討は、ヨーロッパの標準ライブラリーが約1980群である事を考慮して、資
  料STD-6-3に基づき、日野委員より、NJOY97.115による2000群炉定数の直接計算が
  可能かどうかを検討した結果である。ここでは10MeV以下を等レサジー幅(1/120)で
  2039群に分割して、 U238の温度5点、σ0 5点のBondarenkoタイプ炉定数を計算し
  た。その結果、2039×2039散乱マトリックスが約120MBの記憶容量を必要とするが、
  得られた計算結果は特に問題ない事が分かった。
 
6.  標準炉定数WGの今後の計画
    資料STD-6-7に基づいて、標準炉定数WGの今後の計画について検討した。なお、
  今回の会合で、標準炉定数ライブラリーの基本概念の設定と今後の取り組みについ
  て結論を出す予定であったが、興味ある発表が多くて、この主題を十分に議論す
  る時間がなかったので、継続審議とした。 

6.1: 前回までの総括
    瑞慶覧委員より、アンケート結果を踏まえて前回までの討論の統括を行った。

6.2 原研における将来計画
    資料-6-4に基づいて、長谷川委員より、JENDL-3.3の公開準備状況の説明に引き
  続いて、原研における炉定数開発計画について報告を戴いた。要約すると、
  (1): MCNPライブラリー: 全核種、核データセンター作成、平成14年度公開、
  (2): MVP, SRACライブラリー: 全核種、エネルギーシステム研究部炉物理グルー
 プ作成。平成14年6月完成予定。(3): JSF-J3.3: 主要核種(30〜40核種)、エネルギ
 ーシステム研究部炉物理グループ作成。平成14年6月完成予定。(4): JSSTDL ライ
 ブラリー:平成14年度作成予定。 
 
6.3 JNCにおける将来計画
  上記2.3 (STD-6-5)で述べたJNCの「高速炉用次世代炉定数作成システム」は詳
 細設計及び検証を経て、平成15年度を目途に公開予定。

6.4 当WGをしての具体策の検討
  今後の計画の論点、[a]: 今一番困っているのは何か、[b]: 何が欲しいか、
 [c]: 標準炉定数WGは何をするか、に焦点を当てて議論したかったが、時間的余裕
 がないので、委員各自の自由な発言を促した。 主な内容は以下の通り。

 (1): 当WGはSpecを与えるだけで良いのではないか
 (2): JSSTDLはJENDL-3.3を基に作成すべきである。
 (3): 標準は5年毎に見直し、更新していけばよい。
 (4): SRACは業界標準になりつつある。特に、NUPECが実績を積んである。
 (5): FBRには、未だ標準ライブラリーはない。

6.5 原子力学会標準委員会との関係
  山野委員より、資料6-6に基づいて、「研究炉専門部会放射線遮蔽分科会」との
 関係に対する基本的な考え方の紹介があり、対応策を検討した。学会の動向:標
 準遮蔽定数について学会標準を策定したい。シグマ委員会の寄与は期待できるか?
 また、当WGはコミット可能か? 標準であるための必要・十分条件は、1): 定義、
 2): 形式、3): 核種数、4): 群数、5): 処理方法、6): 検証方法、7): 信頼性、
 8): 適用範囲、9): 品質保証、である。標準として推奨されるものは、例えば、
 JSSTDL-300、VITAMIN-B6、等々である。
  標準策定は、学会の分科会のもとに作業部会を設けて行われる。その場合、作
 業部会のメンバーは、学会の委嘱となるが、全てボランタリー活動で、会議費等
 なし。

 主な質疑応答
 Q1): この資料は、「研究炉専門部会放射線遮蔽分科会」になっているが、
 A1): 発電炉、燃料サイクル、研究炉があり、この件は、原研主導の研究炉関係で
   ある。
 Q2): もし、JSSTDL-300を推奨した場合、どんな要件が必要か
 A2): ・形式、・核種数、・処理法、・検証が必要だろう。検証は遮蔽WGでやれば
   良い

 当WGの対応
  JSSTDL-300を学会標準として推奨する事に異論はなかったが、学会で採択され
 るかどうかは未定。 採択された場合、当WGがどのように関与するかは意思統一
 が図られていない。次回, (1): JSSTDL-300推奨、(2): 学会とのコミットの仕方、
 を決定する。

7. 次回会合
  6月21日(金)、13:30-17:30