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   平成14年度シグマ特別専門委員会・シグマ研究委員会本委員会議事録

日時:2002年7月18日(木)13:30−17:30
場所:霞山会館「さくら」

出席者:吉田 正(武蔵工大、主査)、落合 政昭(原研、委員長)、加藤 幾芳
    (北大)、久保野 茂(東大)、関村 直人(東大)、井頭 政之(東工大)、
    北沢 日出男(防衛大)、小林 捷平(京大)、高橋 亮人(阪大)、
    執行 信寛(石橋委員代理:九大)、平山 英夫(高エネ研)、難波 忠清
    (核融合研)、金井 達明(放医研)、石川 眞(サイクル機構)、佐々木 
    誠(三菱)、川島 正俊(東芝)、瑞慶覧 篤(日立)、山野 直樹(住友原
    子力)西谷 健夫(原研)、長谷川 明(原研)、片倉 純一(原研)
  幹 事:中川 庸雄(原研)
  発表者:大澤 孝明(近大)、高野 秀機(原研)、千葉 敏(原研)
  事務局:横田 永子(原研)

配付資料
 1.平成13年度シグマ特別専門委員会・シグマ研究委員会本委員会議事録(案)
 2.原子力の基礎をささえる核データの最新版JENDL-3.3を公開
 3.シグマ委員会 運営委員会議事概要
 4.原子力学会2002年秋の大会 核データ・炉物理特別会合プログラム
 5.核データ部会の主な活動(2001年7月?2002年6月)
 6.委員の交代
 7.国内研究機関の核データ活動(大学関係)
 8.JCPRG 2001年度活動報告
 8'.英語版グラフ読み取り数値化システム(SyGRD)の開発とインストール及びユ
   ーザーズ・マニュアル
 9.原研における核データ測定
10.サイクル機構における核データ研究活動
11.JENDL-3.3の積分テスト
12.天体核データ評価ワーキンググループの設置について
13.核データ専門部会の平成13年度活動報告と14年度の予定
14.炉定数専門部会の平成13年度活動報告と14年度計画
15.核燃料サイクル専門部会平成13年度活動報告及び平成14年度計画
16.常置グループ活動報告
17.第7回原子力二法人統合準備会議資料第2号 基本報告骨子案
18.日本原子力研究所における原子力基盤研究(核データ・炉物理)の継承発展の
   ための要望
19.科学と技術のための核データ国際会議ND2001開催結果について
20.2002年核データ研究会プログラム(案)
21.核データ関連国際情勢


主査及び委員長挨拶
 シグマ特別専門委員会の吉田主査およびシグマ研究委員会の落合委員長より開会の
 挨拶があった。

議事

1.報告事項
1.1 JENDL-3.3の公開
  長谷川氏よりJENDL-3.3が公開された旨、配付資料2で報告された。

1.2運営委員会報告
  昨年の本委員会後に開催された運営委員会について議事概要を配付資料3に基づ
 き、片倉氏が報告した。

1.3原子力学会関係
(1)核データ・炉物理特別会合
  中川氏が配付資料4に基づき、原子力学会2002年秋の大会の「核データ・炉物理
 特別会合」のテーマについて報告した。

(2)核データ部会
 小林氏が配付資料5に基づき、原子力学会「核データ部会」の活動について報告した。

1.4その他
 特になし。

2.シグマ委員会人事
2.1委員の交代
  中川氏が本委員の交代について配付資料6で報告した。また、新規委員の関村氏、
 平山氏より挨拶があった。

2.2主査改選
  主査の改選が行なわれ、委員の互選により井頭氏が主査に選任された。

3.国内研究機関の核データ活動
3.1大学関係
  井頭氏が、配付資料7に基づき、大学関係での核データ活動について報告した。
 資料は、核データ国際会議、原子力学会等への投稿論文をまとめたものである。

3.2日本荷電粒子核反応データグループ
  加藤氏が、配付資料8に基づき、荷電粒子核反応データグループの活動について
 報告した。NRDFのデータ入力についてウェブエディター(HENDEL)が完成し、ブラ
 ウザーを通じてデータを簡便に採録できる環境が出来た。

3.3原研
  中川氏が、池田氏に代わり配付資料9で原研の核データ測定について報告した。
 FNS、FCA等で積分実験、微分実験等が行なわれている。これらの測定は、主に、
 核融合炉、加速器駆動炉、核変換等への応用等を目的に行なっている。

3.4サイクル機構
  石川氏が、配付資料10でサイクル機構の核データ活動について報告した。
 LLFPの断面積測定、大学への委託でのMA、FP断面積の測定、「常陽」に関する炉心
 特性、崩壊熱測定等の他、炉定数の作成を行なっている。

3.5その他
 特になし。

4.特別講演
4.1 JENDL-3.3の積分テスト
  高野氏が本年5月に公開されたJENDL-3.3の積分テストの結果について講演した。
 JENDL-3.3は、JENDL-3.2で問題のあった中濃縮ウラン燃料熱中性子炉心やU-233小
 型高速炉炉心の実効増倍率の過大評価の改善等が図られENDF/B-VI.5やJEF-2.2より
 も核特性の予測精度が良くなっている。ただ、Am-241等の断面積評価の高精度化が
 望まれている。

4.2天体核物理と核データ(天体核データ評価WG設置について)
  千葉氏が、新しく設置する天体核データ評価WGの背景、目的、目指すところ等に
 ついて講演した。元素合成に必要な核データの評価、整備により超新星爆発のシミ
 ュレーションfull reaction networkを計算するための中性子捕獲断面積を整備する。

5.シグマ委員会平成13年度活動報告と14年度計画
5.1核データ専門部会
  井頭氏が配付資料13により核データ専門部会の8つのWG活動について報告した。
 (1)高エネルギー核データ評価WG
 (2)評価計算支援システムWG
 (3)荷電粒子核データWG
 (4)遅発中性子WG
 (5)中重核評価WG
 (6)重核評価WG
 (7)FP核データ評価WG
 (8)天体核データ評価WG
  荷電粒子核データWG、遅発中性子WG、中重核評価WG及び重核評価WGについてはWG
 のミッションが終了したため13年度をもって終了した。FP核データ評価WG及び天
 体核データ評価WGは14年度に新設されたものである。

5.2炉定数専門部会
  山野氏が配付資料14により炉定数専門部会の4つのWG活動について報告した。
 (1)リアクター積分テストWG
 (2)Shielding積分テストWG
 (3)標準炉定数検討WG
 (4)中高エネルギー核データ積分テストWG
  JENDL-3.3のベンチマーク解析、JENDL-3.2の標準炉定数ライブラリーJSSTDL-300
 の報告書作成、高エネルギーファイルのベンチマーク解析の準備等を行なっている。
 なお、リアクター積分テストWGのリーダーが高野氏から森氏に交代した。

5.3核燃料サイクル専門部会
  片倉氏が配付資料15により核燃料サイクル専門部会の3つのWG活動について報
 告した。
 (1)崩壊熱評価WG
 (2)核種生成量評価WG
 (3)核分裂生成物收率評価WG
  なお、崩壊熱評価WGでは原子力学会の標準委員会の「原子炉崩壊熱」や「MOX燃
 料の崩壊熱」の基準作成に出来るだけ協力する事にしているが、積極的にできる事
 を提案していった方が良いとのコメントが出された。

5.4常置グループ
  中川氏が配付資料16により6つの常置グループについて報告した。
 (1)ENSDFグループ
 (2)JENDL編集グループ
 (3)CINDAグループ
 (4)医学用原子分子・原子核データグループ
 (5)核データニュース編集委員会
 (6)HPRLグループ
  ENSDFグループが実施していたNSR(核科学文献)ファイルのための国内の文献情
 報収集作業は13年度から中止している。また、HPRLグループはWPECでのHPRL活動
 が中止されるため今後日本のリクエスト・リストを纏める事を検討して行く。

6.2法人統合について
6.1統合準備の状況
  落合委員長が現在検討されている原研、サイクル機構2法人の統合準備について
 統合準備会議の議論を配付資料17により紹介し、説明した。

6.2文部科学省への要望書について
  落合委員長が統合後の核データ研究の継承について文部科学省への要望書につい
 て配付資料18で説明した。
  議論の結果、配付資料では、原研の研究委員会及び原子力学会の特別専門委員会
 の連名になっているが、原研の研究委員会名のみで、要望を出す事とした。

7.核データ国際会議ND2001の報告
  長谷川氏が配付資料19で昨年10月につくば市で実施した核データ国際会議
 ND2001について報告した。参加者は、国外40カ国4国際機関からの207名を含
 め、375名であった。現在プロシーディングの印刷中である。

8.2002年核データ研究会
  大澤氏が本年度の核データ研究会について配付資料20で説明した。本年は11
 月21、22日の両日に開催する予定である。JENDL-3.3が公開したのでJENDL-3.3
 の話題を中心にプログラムを作成した。核データライブラリーに対する産業界から
 の要望等もプログラムに組んである。

9.その他
9.1核データ関連国際情勢
  長谷川氏が配付資料21でIAEAのINDC及びNRDC会合、NEAのWPEC会合について報
 告した。INDC会合ではEXFOR協力の強化策、核データ技術移転とトレーニング等に
 ついて勧告を出している。NRDC会合ではCINDA、EXFORの現状と今後について話し合
 われた。WPECではU-238の熱領域での捕獲断面積の検討グループ(サブグループ)
 が立ち上げられ日本も参加する事となった。

9.2その他
  特になし。