中高エネルギー核データ積分テストＷＧ
           2002年度 第１回会合 議事録（案）

日　時　：２００２年１０月１０日（木）１４：００〜１７：３０
場　所　：住友原子力工業（株）会議室
出席者　：安藤（東芝）、日野（日立）、半田（HEC）、小迫、山野(住友原子力)、
          深堀、今野（講師：原研）、明午（オブザーバー：原研）　　
          以上８名〈敬称略・順不同〉

配布資料：
 HIT-2002-1: HILO2Kの現状[今野講師]
 HIT-2002-2: Stored Nuclides in JENDL High Energy File[深堀講師]
 HIT-2002-3: JENDL High Energy Fileファイル化の現状[深堀講師]
 HIT-2002-4: WG活動報告｢高エネルギー核データ評価ワーキンググループ｣[深堀講師]
 HIT-2002-5: JENDL High Energy File #931 [深堀講師]
 HIT-2002-6: TTY 30, 52, 67 MeV proton on Cu[山野委員]
 HIT-2002-7: Nuclear Data for Accelerator-Driven Systems[深堀講師]
 HIT-2002-8: 平成13年度活動報告及び平成14年度計画（案）[山野委員]

議　事　：
１．前回会合議事録（案）の確認
　　山野委員より前回会合議事録（案）の報告があり確認された。

２．講演｢HILO2Kの現状｣
　　今野講師より資料HIT-2002-1が説明された。SNSの遮蔽設計で使用されているHILO2K
　の概要と使用経験が報告された。中性子83群(2GeVまで)及びγ線22群(20MeVまで)の
　ANISN用群定数で散乱の異方性はP9まで考慮された32核種のライブラリーである。現在
　バージョンが２つ存在する。半径5mの鉄、コンクリート球の中心に2GeVの点等方中性子
　源を置いた場合の、中性子スペクトル及び減衰傾向を計算した。比較のため、LA150と
　mcnpxを用いた計算を実施した。コンクリートについてはmcnpx計算値と傾向が一致した
　が、鉄の場合は、mcnpxと大きく異なる結果が得られた。原因として、20MeV以下の自己
　遮蔽補正が不適切であることと、荷重関数の取り扱いがLによらず同じであることが考
　えられるとの報告がなされた。

３．JENDL高エネルギーファイル(JENDL-HE)の評価進捗状況報告
　　深堀講師より資料HIT-2002-2,3の説明がなされた。JENDL-HEの評価作業を通じて、明
　らかとなった幾つかの問題点について報告がありその解決方法が示された。また、ファ
　イル化の現状について報告があった。

４．WG活動等紹介
　　深堀講師より資料HIT-2002-4の説明があり、核データニュースNo.73(2002)に掲載さ
　れた、高エネルギー核データ評価ワーキンググループの紹介が示された。また、資料
　HIT-2002-5の説明があり、ND2001で発表されたJENDL High Energy Fileの論文が紹介さ
　れた。

５．陽子入射における銅の中性子収率
　　山野委員より資料HIT-2002-6の説明があり、現在評価中のJENDL-HEの銅に対する、陽
　子入射における厚いターゲットの中性子収率（TTY）の計算結果が示された。計算は、
　JENDL-HEとして評価中のデータをENDF-6型式でファイル化し、PLDDXコードで実験室系
　のDDXに変換して、QMD-PRODを用いて30, 52, 67MeV陽子入射のTTYを求めた。計算結果
　は実験結果と比較され、良好な一致が得られた。比較のためLA150を用いた結果も示し
　たが、JENDL-HEはLA150よりTTYの過大評価が改善されていることが示された。

６．LA150の積分テスト
　　深堀講師より資料HIT-2002-7の紹介があり、Los AlamosのChadwick達がProgress in 
　Nuclear Energyに発表した論文の紹介があった。彼らも陽子入射におけるTTYを積分検
　証手法として重要視していることが示された。

７．2001年度WG活動報告と2002年度活動計画
　　山野委員より資料HIT-2002-8の説明があり、6月13日に開催されたシグマ運営委員会
　にて本資料を基に説明したことが示された。本年度はベンチマーク問題を解析し、中高
　エネルギー領域の積分テスト手法の確立に向けての知見を得るとともに、陽子入射デー
　タの利用を考慮して、NJOYによる断面積処理法を検討し、MCNPXの適用性について検討
　を進める。また、断面積処理法については、MVP, ANISN等の輸送計算コードに対する適
　用を含めた検討作業を開始する。会合数は2回とすることが了承された。


次回会合予定、議題：　未定
　　　　　　                                                            以上