核燃料の有効利用による経済性向上や放射性廃棄物の削減による環境負荷低減化を評価するためには、
マイナーアクチノイド(MA)や長寿命核分裂生成物(LLFP)等の中性子捕獲反応断面積データの精度を向上させる必要があります。
しかしながら、これらの核種は放射性であるため正確な測定を行うのが困難であり、
高精度な測定のためには大強度のパルス中性子源及び高性能の検出器が不可欠でした。
このような背景のもと、世界最高強度の中性子パルスビーム源である大強度陽子加速器施設(J-PARC)の
物質・生命科学実験施設(MLF)に中性子核反応測定装置(ANNRI)を整備し、
ANNRIに設置した「全立体角Geスペクトロメータ」を用いて、MAやLLFPの中性子捕獲反応断面積測定を開始しました。
MEXT委託事業として開発された中性子核反応測定装置(ANNRI)は、日本原子力研
究開発機構がMEXTより物品無償貸付の承認を平成23年6月22日に受け、「パルス
中性子を用いた原子核科学研究及び中性子核反応測定装置を用いた測定・分析技術の
促進」用に使用することが認められました。これにより、2011年度下期(2011B期)よ
り、実験課題公募の受付が開始可能となりました。申請方法は、以下のサイトをご参
照ください。 http://j-parc.jp/MatLife/ja/index.html実験装置(ANNRI)の
詳細な情報については、上記サイトに記載された実験装置担当者までお問い合わせく
ださい。 興味を持たれた皆様の参加を歓迎いたします。
|