中性子捕獲反応で生成される放射性核種から
放出されるガンマ線を測定することにより、定性・定量分析を行う方法を、放射化法といいます。
そこで、本手法を用いて核分裂生成核種、及びMA核種の熱中性子捕獲断面積を測定しています。
例として、135Cs(半減期230万年)を考えて以下のとおり説明します。
135Cs試料を原子炉中性子で照射して放射化させると、生成される136Cs核
が短い半減期(13日)で崩壊し、ガンマ線を放出して安定な136Ba核になります。136Csが崩壊する際、放出されるガンマ線のス
ペクトル例を以下に示します。
放射化法による断面積測定
 
崩壊ガンマ線のスペクトル例
測定されるガンマ線のピークの収量から、生成された136Csを定量することができます。
Westcott's
Conventionに基づいた解析方法
照射試料として用いた135Csの量をあらかじめ定量しておき、また照射位置での中性子束をモニタすることにより、
Westcott’s Conventionにもとづいて、熱中性子捕獲断面積及び共鳴積分を求めることができます。
FP、MA核種の熱中性子捕獲断面積及び共鳴積分の測定に関して、得られた成果
を、過去の測定データとともにまとめてあります。
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