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去る7月13日(木)に開かれた第 5回核融合ニュートロニクス積分テストWGの
議事録(案)をお送りします。                                 原研 大山 幸夫

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第 5回核融合ニュートロニクス積分テストWG議事録(案)

日 時:        平成7年7月13日(木) 13:30〜17:00

場 所:  原研本部 第5会議室

出席者:        高橋、村田*(阪大)、市原(京大炉)、植木(船研)、林(日立
エンジ              ニア)、小迫、山野*(住友原子力)、森、前川(藤夫)、大
山(以上原研)、以上10人
                (* オブサーバー)

配布資料:      

1)前回議事録案、核融合核データ専門家会議案            FNIT-WG-5-1
2)FNS実験によるFENDL/MG-1及びJSSTDL3.2
  ベンチマークテスト結果      (林 委員)            FNIT-WG-5-2
3)窒素TOFとシリコンγ実験のFENDLデータテスト
                                   (大山 委員)            FNIT-WG-5-3
4)JENDL Fusion Fileの処理とテスト結果(小迫 委員)   FNIT-WG-5-4
5)JENDL Fusion FileのBeデータの積分テスト
                                  (前川(藤)委員)          FNIT-WG-5-5

議事:

1) 前回議事録案と新年度メンバーの確認
 前回議事録案を確認し承認された。また、前年度活動報告と今年度活動予定を大山
グループ・リーダより述べ、新年度はメンバーを縮小して10人で作業中心の活動を
することが報告された。さらに、今年度は核融合核データ専門家会議が11月末に予
定されており、開催計画案及び幹事会メンバー案が示され了承された。

2) FNS実験によるFENDL/MG-1及びJSSTDL3.2ベンチマークテスト結果(林 委員)
 FNS平板体系内積分実験を用いてIAEAより入手した多群断面積ライブラリーFENDL/M
G-1のベンチマークテストをJENDL-3.2の多群断面積ライブラリーJSSTDL3.2と比較し
て行った結果を林委員が報告した。計算はC, Be, Li2O, Cuの4体系について、両断
面積とも175群(VITAMIN-J)でDOT3.5を用いて行われた。結果は低エネルギー中性子の
レスポンスを除いてMCNPとほぼよく一致しているが、JSSTDLの結果にMCNPとの差が高
しきい値反応で見られた。低エネルギーでは熱群が2つに分割され歪みが発生してい
ること、高エネルギーでは過重関数の問題が指摘された。また、CuではDOT3.5の計算
スペクトルに集束条件に依存した原因不明の異常が発生し、正常な計算結果が得られ
ないとの報告があった。

3) 窒素TOFとシリコンγ実験のFENDLデータテスト(大山 委員)
 FENDL/MC-1として新たにIAEAから提供された窒素とシリコン(ともにBROND-2)つ
いてFNS-TOFとOKTAVIANガンマ実験によるデータテストの実施結果が報告された。TOF
ではJENDL3.2がよく実験にあっていたのに対し、FENDLは実験値より30%過小評価であ
る。シリコンの二次γ線もFENDLは実験値より3MeV以上で過小評価であり、JENDL3.2
がよく実験にあっている。

4) JENDL Fusion Fileの処理とテスト結果(小迫 委員)
 JENDL Fusion FileからのMCNPライブラリーの作成を行うためにNJOY91.108をHP-EW
Sに導入しJENDL Fusion File用に修正をしていたのが完成し、9Beと27Alについてテ
スト計算をMCNPで行った結果が報告された。JENDL Fusion FileのMF=6からJENDL3.2
のMF=4, 5 が作成された27Alの平板からの漏洩スペクトル計算では、JENDL3.2より前
方で硬く後方で柔らかいスペクトルを示し、数MeV及び0.1MeV以下でMF=6表現の効果
が示された。JENDL3.2とは別の新しい評価となったBeでは球計算でテストされ、1MeV
付近で減少、数百keV以下の低エネルギー成分が増加することが示された。

5) JENDL Fusion FileのBeデータの積分テスト(前川(藤)委員)
 JENDL Fusion Fileからの作成された9BeのMCNPライブラリーを用いてFNSの2つのB
e積分実験の計算が行われ、結果が報告された。TOF実験ではJENDL3.2が20%程度過大
または過小評価したのに対して、JENDL Fusion FileとFENDLの結果はほぼ一致してい
る。平板体系内実験ではAl, Ni, Inの反応でJENDL-FFはFENDLとJENDL3.2の中間で15%
内の一致である。但し、U235等の低エネルギー反応での過大評価には改善が見られな
かった。JENDL-FFでは実験との一致が大きく改善されFENDLの結果に近くなったが、D
DXで比べるとFENDLはむしろJENDL3.2に近く、JENDL-FFとFENDLの一致とJENDL-FFとJE
NDL3.2との不一致の原因は、14MeV断面積よりは、1回弾性散乱後の10MeV付近の中性
子のDDXによるのではないかとの見通しが述べられた。この議論は、阪大の球体系の
解析を待って更に検討をする必要がある。

6) その他
 JENDL-FFの配布と積分テスト計算を参加者に依頼すると共に、MCNPにも必要に応じ
て修正をする必要があるが、大学では計算環境が良くなく、場合によってはFNSのワ
ークステーションにアカウントを設けて欲しいとの要望があった。これについては、
FNS側で検討をする。次回は10月ごろに開催し、JENDL-FFの積分テスト結果と核融
合核データ専門家会議、FENDL会議への対応を議論する。
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Yukio Oyama

Fusion Neutronics Laboratory
Department of Reactor Engineering
Japan Atomic Energy Research Institute
Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki-ken 319-11
JAPAN

Tel:    	   029-282-6075
Fax:       029-282-5709
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