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深堀@原研核データセンターです

高エネルギー核データ評価WGの第2回会合議事録をお届けいたします。

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     深 堀 智 生 @ 原研 核データセンター 
	319-11 茨城県那珂郡東海村白方白根2の4
		日本原子力研究所 原子炉工学部 核データセンター
          tel: 029-282-5907           FAX: 029-282-6122 
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                      シグマ委員会・核データ専門部会
         高エネルギー核データ評価 WG 1995 年度第2回全体会合議事録


日 時 : 平成7年10月6日(金) 13:30〜17:30
場 所 : 原研本部 第3会議室
出席者 : 浅見、八谷(データ工学)、五十嵐(新技術情報)、岩崎(東北大)、
	  小田野(船研)、川合(東芝)、桑折(徳島大)、沼尻(高エネ研)、
	  松延、山野(住友原子力)、村田(NFD)、山室(東工大名誉教授)、
	  義澤(三菱総研)、渡部(川重)、渡辺(九大)、中根、宇野(大山
	  代理)、高田、千葉、深堀(原研)       (敬称略、順不同)

配布資料:
	HE-95-11 52Cr+N(中性子・陽子)に対する高エネルギー骸タ評価の
		レビュー結果
	HE-95-12 Tasks of Subgroup 13 on Intermediate Energy Nuclear Data
	HE-95-13 50 MeVまでの陽子入射反応核データ評価の進捗状況

議 事 :
1.前回議事録確認
	前回議事録を確認した。

2.一般報告
・大山氏及び深堀委員から高エネルギー核データ関連の4つの会合(1995年 核デー
  タ研究会(11/16-17 原研東海)、第3回核融合炉核データ専門家会 議(11/29-30 
  原研東海)、光核反応データワークショップ(11/14-15 原研東海)、前平衡過程
  国際シンポジウム(10/23-27 Smolenice, Slovakia))について紹介があった。
・深堀委員より、NEANSC/IECWPへ提出したSG13の活動計画(配布資料  HE-95-12)
  について説明があった。この中で、実験データサーベイのタ スクにデータ配布
  の迅速化のためにも日本人が参加していた方がいいとの意見が出されたので、深
  堀委員が参加する事とした。

3.中高エネルギー用光学ポテンシャル研究の現状
 OHPにより、JLM微視的光学ポテンシャル計算及びそのWalter-Gussポテンシャルに
よる計算結果との比較が、千葉委員より報告された。JLMポテンシャルは非相対論的
であり、その入力データである核子の密度及び電荷分布はSkyrm-Hartree-Fockの方
法により計算される。〜200 MeVまではWalter-Gussの弾性散乱断面積がやや大きめ
であることを除いて、両者の結果は良く一致している。
 JLMの4パラメータに関する感度係数を求めたところ、有効相互作用のレンジに関
するパラメータに感度は小さく、規格化に関するパラメータの感度が大きいことが
わかった。また、これを用いた最適なパラメータによる計算結果は、実験データの
良好な再現性を示した。
 次の機会に、岸田委員より、Dirac方程式のための現象論的ポテンシャルに関し
て講演してもらう事とした。

4.レビュー報告
 配布資料HE-95-11により渡辺委員から 52Cr+p,n(≦ 1 GeV)の核データ評価結
果のレビューについて最終報告があった。要点は以下の通りである。
	 ・しきいエネルギー近傍での断面積評価値に問題のある反応がある
	 ・20〜30 MeVにおいて実験値との一致が悪い反応に関してはGNASHコー
	    ドによる評価との整合性を考慮する必要がある。
	 ・中性四の場合、高エネルギー領域においてγ線生成断面積が不
	    連続になっている。
	 ・各種ファイルチェックコード出力に対する対応。

5.評価の進捗状況
 5.1 50 MeV までの中性子入射反応
 浅見委員より SCINCROS を用いた 50 MeV までの中性子入射反応評価の進捗状
況が報告された。全断面積、弾性散乱及び弾性散乱外断面積はCASTHYを用いて、
同位体生成及び粒子生成断面積はEGNASH4を用いて計算した。≦ 20 MeVはJENDL 
Fusion Fileを用いるので、つなぎを検討している。更に、個別に56Fe, 52Cr, 
58Niについての評価結果の報告があった。
 5.2 50 MeV までの陽子入射反応
 松延委員から配付資料HE-95-13を用いてMo同位体に対する陽子入射反応の評価
の作業進捗状況の報告があった。Levkovskijの実験データを再現するように
EGNASHのパラメータをサーベイしている。95Moにおける実験値と評価値は比較
的良い一致を示しているが、他の同位体に関しては適当なパラメータが見つかっ
ていない。崩壊できる複合核の数の問題について検討を行っている。 
 5.3 その他
 山室委員より SINCROS による(n,α)関連のIAEA/RCMのための計算結果が 報告
された。Ignatyukの準位密度公式によりaパラメータのエネルギー依存性が導入
されたことにより計算結果が改善された。natNiに関する実験データは2系統
に分離しており、まだ結論は出ていない。更に、陽子入射反応についても計算を
行っている。
 また、各コードに関する入力パラメータの決定法に関するサブグループが提案
された。

6.誤差評価
 岩崎委員より報告があった。現在、メーリングリスト
は、岩崎、川合、深堀、千葉の各委員及び河野氏である。鉄を例に共分散試計算
を始めてみる予定である。

7.その他
次回は2月8日(木)の予定。