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PKA WG会合(1995年10月5日)の議事録を送付致します。

        シグマ研究委員会・核データ専門部会
  PKAスペクトルワーキンググループ1995年度第2回会合議事録

日 時: 平成7年10月5日(木) 13:30〜17:30
場 所:  原研本部第5会議室
出席者: 有賀、池田、柴田、深掘(原研)、喜多尾(データ工学)、杉(広領域研)、
     真木(日立)、村田(NFD)、山野(住原工)、渡辺(九大)、
          川合(東芝)、
     大山(招待講演者: 原研)

配布資料:議事録(H7.6.1WG会合)
     PKA-95-04 Status of PKA, KERMA and DPA Files of JENDL(深堀)
     PKA-95-05 軽核の中性子核反応二次荷電粒子による損傷評価について(II)
                   (有賀)
          PKA-95-06 熱中性子炉における照射損傷の問題とPKAファイル(真木)
     PKA-95-07 材料研究者へのPKAデータ利用アンケート(大山)
     PKA-95-08 n-7Li反応からの放出粒子スペクトルの計算(柴田)
     PKA-95-09 80 MeVまでの12Cのカーマファクタおよび全放出粒子2重微分断
           面積計算(渡辺)
 
議 事:
1.前回議事録の確認
  下記の訂正の指摘があった。
  議題2.  5行目:IAEA国際協力事業→ IEA国際協力事業
       8行目:近藤(原研)→近藤(東北大)
      16行目:FNS等→ RTNS-2, FNS等
      25行目:IFMIFの利用系の人たちにPRすべき点で→ IFMIFの利用系を
                     含めた材料研究の人たちにアンケートを採ることで
  議題4.  1行目:作業計画軽核→作業計画

2.一般報告
 第9回Reactor Dosimetryの国際シンポジウムと11月16,17日の核データ研究会に
JENDL PKAファイルについて発表申し込みを行ったとの報告が深堀委員からあった(配布
資料PKA-95-04参照)。同様、軽核でのDPA断面積の計算についての発表申し込みを行っ
た旨、有賀委員から報告された。

3.軽核の中性子核反応二次荷電粒子による損傷評価について 
 配布資料PKA-95-05に基づいて、軽核の高エネルギー中性子反応からの2次荷電粒子に
よる損傷量について、C-12を例として計算結果が有賀委員から報告された。炭素の損傷
計算には、 E-DEP-1(EXT)コードと九大で評価されたC-12の高エネルギー中性子反応断
面積が使用された。計算の結果、2次荷電粒子による損傷エネルギーは、入射中性子エ
ネルギーが20 MeVで全損傷エネルギーの28%、50 MeVで37%を占めることが明らかになっ
た。今後、WG活動の中で、軽い核のDPA断面積の評価に2次荷電粒子の影響を考慮するた
め、基本的なデータベースを作ることの必要性が認識された。

4.材料研究者へのPKAデータ利用アンケート
 配布資料PKA-95-07に基づいて、材料研究者へのPKAデータ利用アンケートの結果が
大山氏から報告された。アンケートは、IFMIFの利用者を中心に国内外とも各14名送付
し、7名から回答を得た。材料研究者からは、主としてPKAスペクトルが、また、核施
設の設計者からは、DPA断面積やKerma因子が必要とされた。中性子エネルギーは、ユ
ーザーによりかなりばらつきがあり、医療まで含めると400 MeVぐらいまで必要になる。
核種については、FENDL用にPKAを作成した核種に追加として軽い核(H, D, Li, C, O, 
Mg, Si)が、また、特殊なものとしては、W, Reが挙げられた。PKAスペクトルの利用の
仕方については、材料研究おいて必ずしも明確なものが定まっていず、今後の課題と受
け取れる。データブックでの出版も期待されている。

5.熱中性子炉における照射損傷の問題とPKAファイル
 配布資料PKA-95-06に基づいて、軽水炉での材料損傷の問題とガンマ線によるPKAファ
イルの必要性を真木委員が報告した。すなわち、約10年前に、ORNLのHFIRの圧力容器が
照射炉ORRでの試験データに基づく予測よりも強い照射脆化を受けていると推定されて、
炉停止になった。その原因を調べた結果、ガンマ線による2次電子の影響であるらしい
ことがつきとめられた。同様な問題は、炉心と圧力容器の間の水の層の厚いABWRでも起
こりそうである。その評価のため、ガンマ線によるPKAもしくは損傷エネルギーのデー
タの必要との問題提起があった。議論の結果、先ず損傷のメカニズムを理解した上で、
改めて検討することになった。

6.作業進捗状況の報告
(1)  n+Li-7反応からの放出粒子スペクトルの計算
 配布資料PKA-95-08に基づいて、10-5 eVから50 MeVまでの中性子によるLi-7の核反応
から放出される粒子スペクトルの計算について柴田委員が報告した。基になる断面積は、
20 MeV以下JENDL03.2の値が、20 MeV以上は微視的光学模型によるものが用いられた。
DDXの評価値は、測定値と良い一致を示している。今後、Li-6についても同様な評価
を行うとのことである。

(2) 80 MeVまでのC-12のカーマファクタおよび全放出粒子2重微分断面積計算
 配布資料PKA-95-09に基づいて、エネルギー範囲を80 MeVまで拡張して行ったC-12の
カーマファクタおよび全放出粒子2重微分断面積計算について渡辺委員が報告した。計
算に先立ち、弾性散乱の角度分布やKalbachの系統性、3体同時のブレークアップ反応
を考慮してSCINFULコードが改良された。計算結果は、カーマファクタについて実験値
と概ね良い一致を示している。データは原研核データセンターにてファイル化する予定
である。今後、この評価で用いた計算法を200 MeVまでの陽子反応断面積の評価にも応
用することを検討するとのことである。

(3) その他軽核の評価
・酸素、窒素の評価のため、EXIFONコードの改良を進めている(村田委員)
・ホウ素については、Chadwickが炭素の評価でやったようにGNASHコードで計算する 
 ことが渡辺委員から推奨された。

(4) ESPERANTコードの整備状況(深堀委員)
 PKAR2コードの修正は完了し、69核種のPKAスペクトルを作り替えた。Al、Feの計算結
果はMCEXITONの結果とも良い一致を示した。FENDL用に改めてMacFarenに送るか検討し
ている。また、作成したデータの取り扱いについては未決定であり、JENDL編集グループ
に諮る予定である。現在、KERMA2コードの改訂作業が進行中である。

7.その他
次回:2月9日(金)[高エネルギーWG会合は2月8日予定]
   原研本部
   議題: ガンマ線による損傷のメカニズム
       作業進捗状況の報告
       平成8年度作業計画検討
       その他

                               以上





    Masayoshi Kawai
    Nuclear Engineering Laboratory, Toshiba
    TEL: +81-(0)44-288-8150
    FAX: +81-(0)44-270-1806
    V-mail: 000094060897'