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シグマ委員会放射化断面積WG会合の議事録(案)をお送りします。
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Yutaka Nakajima(中島 豊)
Nuclear Data Center, Japan Atomic Eenergy Research Institute
Tel.  :+81-292-82-5481
Fax.  :+81-292-82-6122
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シグマ研究委員会7年度第3回放射化断面積WG会合議事録(案)

日 時: 1996年3月21日(木) 13:30〜17:30
場 所: 原研本部第2会議室
出席者: 浅見哲夫、八谷 雅典(以上データ工学)、渡部隆(川重)、
	山室信弘(元東工大)、池田裕二郎、中島豊(以上原研)
  オブザーバー:真木紘一(日立)

配布資料
  1. JENDL Activation Cross Section Fileについて(中島)
  2.  JENDL Activation Fileのためのデータ評価及びファイルの現状について	(
浅見)
  3. Cross Section評価における新しい問題(山室)
  4. レポート用原稿素案(JENDL Activation Cross Section File(Draft))
	(中島)
    5.  平成7年度活動報告・8年度活動計画(運営委員会提出資料)(中島)


議事

1. 前回議事録確認
  前回会合(平成7年度第3回会合(1995.12.20))の議事録を確認した。

2. JENDL activation cross section fileの公開について
  中島氏が配布資料1に基づいてJENDL activation cross section fileの公開について
次の通り報告した。1996年3月11日に同ファイルを公開した。予定していた反応のうち若干
のもが評価の遅れにより収納できなかった。このfileには233核種1、246反応の断面
積が収納されており、ファイルの大きさは63、720レコードである。データは核データ
センターのEWSからインターネットでダウンロード出来る。また原研大型計算機にもファイ
ルがあり使用可能である。この場合は原研核データセンターに核データ利用依頼票を提出す
る必要がある。収納予定で収納できなかった反応は全部の評価が終了した後何らかの機会に
このfileに含める予定である。

2.追加評価結果
  浅見氏が配布資料2に基づいて次の通り報告した。時間切れのため予定の核種・反応を
全部評価出来なかった。あと一歩で完了する核種も少なくない。全部の反応の評価が完了し
なかった核種はCd-110,Cd-112,Ta-180m,Ta-181,W-183,W-184,Os-184,Pt-192,Pt-194,Au-197
である。出来るだけ早い時期に評価を完了したい。SINCROS-IIで精度良く評価できたが
isomer ratioの評価には問題がある。原因を究明し評価精度向上を図りたい。
  これに対し、今後完了した評価値をすぐにJENDL activation cross section fileに含
めて欲しいとの要望があったが、4月末までに予定の評価を終了し、とりあえず別のファイ
ルに収納し、必要な場合にはそれを使ってもらうことにした。適当な機会にJENDL 
activation cross section fileに含めることにした。

3. 不安定核の評価について
  池田氏が上記について調査結果を次の通り報告した。IAEAでInventory codesの比較結
果のレポート(TSI Research)及びR.A. Forrest and D.A.J. Endacott: Activation data 
for some elements relevant to fusion reactorsが参考になるが、重要な反応のリストは
まだ作成していない。上記2種類のレポートのコピーをWG全員に配布する。
  これに対し、真木氏が前回会合で配布したリストに誤りがあるので訂正した資料を後日
配布すると報告した。重要な反応のリストは真木氏と池田氏が相談しながら作成することに
した。

4. 核断面積評価における新しい問題
  山室氏が配布資料3に基づいて次の通り報告した。Co59(n,2n) Co-58及び
Ni-58(n,p)Co-58の基底状態とアイソマー状態への断面積がSINCROS-IIで正しく評価出来な
い点を検討した。Co-58の4+状態からアイソマー状態(5+)と基底状態( 2+)へのガンマ線
遷移分岐比のENSDFの値(基底状態へは71.4%、アイソマー状態へは28.6%)を逆にすると断
面積の実験値をほぼ再現できる。また多少問題があるものもあるが、中重核の
(n,2n),(n,3n)反応等に対する断面積に関してはSINCROS-IIの計算値で最近の実験値を含め
て40 MeVまでほぼ再現することが出来る。
  これに対しCo-58のガンマ線遷移分岐比は実験的に確定されており、変更の余地は少な
いとのコメントがあった。

5. レポート(案)について
  中島氏が配布資料4に基づいてレポート案を説明した後、著者、内容、執筆分担につい
て討論し、次の通り決定した。なお原稿は次回会合までに作成することにした。著者はワー
キンググループ全員とする。内容は1.Introduction, 2.Selection of activation 
reactions, 3. General description of the evaluation, 4. Examples of the results, 
5. Integral test, 6. Conclusion, Appendix: List of the reactions included in the 
JENDL activation cross section fileとする。4.は浅見、渡部、山室の各氏が相談して原
稿を作成し、5. は池田氏、残りは中島氏が原稿を作成することにした。


6. 来年度計画
  中島氏に来年度計画について2月19日の運営委員会に提出した配布資料5に基づいて次の
通り報告した。来年度の活動予定として考えられるのは(1)不安定核種の評価、(2)
JENDL activation cross section fileの積分テスト、(3)IAEA研究協力プログラム
Establishment of International Reference Library of Nuclear Activation Cross 
Sectionsへの協力、(4)JENDL activation cross section fileの評価レポートの出版で
あり、(2)、(3)、(4)については問題がないと思われるが、(1)につてはどの様
に進めるか議論して欲しい。
  議論の結果既に国外に10,000反応以上のデータを収録したファイルがあるので、新たに
評価をするならそれより精度の良い評価値を得なくてはならない。SINCROS-IIで評価をすれ
ば既存のファイルより優れた評価値が得られることは明らかであるが、実験値がないのでそ
れを実証することは出来ない。こうした状況からとりあえず来年度は重要と思われる反応を
ピックアップし、これらについて評価を進めることとした。

7.次回会合
  次回会合5月29日(水)に開催する。


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