previous

深堀@原研核データセンターです

6月24日に行なわれました高エネルギー核データ評価WG平成8年度第1回
会合の議事録(案)をお届けいたします。

------------------------------------------------------------------
     深 堀 智 生 @ 原研 核データセンター 
	319-11 茨城県那珂郡東海村白方白根2の4
		日本原子力研究所 原子炉工学部 核データセンター
          tel: 029-282-5907           FAX: 029-282-6122 
------------------------------------------------------------------

                    シグマ研究委員会・核データ専門部会
          高エネルギー核データ評価WG 1996年度第1回全体会合議事録(案)


日 時 : 平成8年6月24日(月) 13:30〜17:30
場 所 : 日本原子力研究所 本部 第3会議室
出席者 : 浅見、八谷(データ工学)、五十嵐(新技術情報)、大石(清水建設)、
            川合(東芝)、桑折(徳島大)、松延、山野(住原工)、
            村田(日本核燃料)、山室(東工大名誉教授)、義澤(三菱総研)、
            渡部(川重)、高田、深堀(原研)		(14名、敬称略、順不同)

配布資料:
HE-96-01 HETC系コードによる核データファイルからの厚いターゲット収率
	  計算の試み−(1)準備−(高田)
HE-96-02 高エネルギー用群定数及び処理コード検討の提言(案)(深堀)
HE-96-03 核データ高度利用支援策(運営委員会資料)(瑞慶覧、深堀提出)
HE-96-04 高エネルギー核データファイルの進捗状況(深堀)
HE-96-05 高エネルギー核データファイル格納核種(深堀)
HE-96-06 Na-23の高エネルギー核データ評価結果のレビュー(渡部)
HE-96-07 K-39の高エネルギー核データ評価結果のレビュー(川合)
HE-96-08 レビューの現状について(山野)
HE-96-09 Mn-55+nの高エネルギー核データ評価に関するコメント(山室)

議 事 :
1.前回議事録確認
	前回議事録を確認した。

2.一般報告
深堀委員より、1996年核データ研究会(11/21-22 原研東海研)の予定及び第1回インタ
ーネットシンポジウム(ISND-1)の終了について報告があった。

3.HETC系コードによる核データファイルからの厚いターゲット収率計算の試み
 高田委員より配付資料HE-96-01を用いて標記の準備段階についての報告があった。目的
は、評価済核データを利用した手法をHETC系のコードに導入することによって、希少な反
応事象まで精度良く予測できるかどうか検討することである。このため、HETC系コードの
核反応計算部に評価済核データを移植する作業を行っており、現在、あるゴリ図もの検討
及び評価済核データ自身の内容の調査を開始した。移植する評価済核データの形式とし
て、1)オリジナルの核データファイルに直接アクセスする方法、及び2)核データを多項式
フィットした形式で表現する方法の極端な2ケースの場合が例として挙げられた。この
際、データファイルの容量並びにI/O回数による計算効率を考慮することが重要となるこ
とが指摘された。
 この他、参考のため、原研FNSの前川藤夫氏の行ったMCNPのライブラリーの拡張に関す
る報告について紹介された。

4.高エネルギー用群定数及び処理コード検討の提言(案)
 深堀委員より配付資料HE-96-02,03を用いて、評価済高エネルギー核データの有効利用
のための標記提言(案)が提出された。説明に対し、1)中性子科学研究センター及び
IFMIF計画を提言の中に盛り込むこと、2)ユーザとしてはTTYデータがあり、輸送計算が出
来ればいいので、どのようなデータ形式がよいのか検討し、評価済核データが公開された時点でユーザにすぐライブラリを渡せるような体制づくりが必要、3)Los Alamosで
MCNP-4Bの開発の動きがある等の意見があった。このため、深堀委員が米国の上記のよう
な動向に関してLos Alamosに問い合わせることとした。

5.評価の進捗状況
5.1 ファイル化等の進捗状況
 深堀委員から配付資料HE-96-04,05によりファイル化などの進捗状況について報告があ
った。

5.2 50 MeV までの中性子入射反応評価に対するレビュー
 渡部委員より配付資料HE-96-06を用いてNa-23についてのレビュー結果が報告された。
問題点は以下の通りである。
	・MF=3/MT=5の0.1 MeVに2つのデータが与えられている。
	・MF=3/MT=3,5に含まれるエネルギー点でMF=3/MT=1に無いものがある。
	・MT=203のMT=3とMT=6とでエネルギー範囲が異なる。
	・JENDL-3.2との接続について、n, Ne-21,22, F-19,20生成断面積に問題あり。
 川合委員より配付資料HE-96-07を用いてK-39についてのレビュー結果が報告された。n, 
p, α, K-38, Ar-39, Cl-35,36,37, P-32生成断面積についてチェックの必要がある。
 山野委員より配付資料HE-96-08を用いて担当核種のレビューの現状が報告された。レビ
ュー作業上、ファイルチェッカーのチェック機能をまとめたドキュメントが必要であると
の要請があり、深堀委員が対応することとした。
 山室委員より配付資料HE-96-09を用いてMn-55について山室委員の計算と比較した結果
の報告があった。同位体生成断面積の格納核種が異なり、JENDL/HE-N1の評価結果に問題
があることが指摘された。また、Mn-52生成断面積は40 MeV以上で山室委員の計算結果の
2/3であった。
 高田委員よりOHPを用いてAl-27、Fe-54についてのレビュー結果が報告された。Al-27の
n, γ, p, t, Al-26, Na-26生成断面積及び14.1 MeVにおけるDDX(n,xp)、14.8 MeVにおけ
るDDX(n,xα)、22 MeVにおけるDDX(n,xd)の一部に問題がある旨報告があった。Fe-54に関
しては、p, α, Fe-53, Mn-54生成断面積及び11.0 MeVのDDX(n,xα),(n,xp)、25.7 MeVの
DDX(n,xn)の一部に問題がある。

5.3 50 MeV までの陽子入射反応
 松延委員からMo同位体(e-e核)に対する陽子入射反応の評価の作業進捗状況がOHPを用
いて報告された。18 MeVの(p,p')スペクトルを基にEGNASHのF2パラメータをサーベイして
いる。

5.4 軽核の評価の進捗状況
 O-16に関してOHPにより、EXIFONコードを用いてスペクトルを中心にパラメータサーベ
イを行っている旨村田委員から報告があった。陽子放出反応に関してはquasi-freeを、d
放出反応に関してはp-pick-upを用いて直接過程を考慮したところ、スペクトル実験値の
再現性が良くなった。この他の粒子に関しては直接過程を考慮しなくてもEXIFON計算でス
ペクトルを再現できた。N-14に関しても同様の方法で評価を行う予定である。

6.その他
  次回は9月18日(水)の予定。

.