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         崩壊熱評価ワーキンググループ会合議事録

開催日時:平成9年3月18日(木)13:30 - 17:00(原研本部第五会議室)

出席者:  大竹 巌(データ工学),親松和浩(名大),貝瀬與一郎(新型炉技術
開発),加藤敏郎(岐阜医短大),片倉純一(原研),瑞慶覧篤(日立)、田淵志郎
(三菱重工),橘孝博(早大),田原義寿(三菱重工),村田徹(NFD),山田勝美
(早大),
吉田正(武蔵工大),日向野直美,Francois Storrer(動燃;招待出席)

配布資料:a.原子核質量とβ崩壊(山田委員)
     b.核データ国際会議(NDST97)準備状況 (吉田委員)
     c.遅発中性子データWG設立趣意書(同)
     d.崩壊熱評価WG平成8年度会合議事録(同)
     e.燃料サイクル専門部会崩壊熱評価WG平成8年度成果および9年度計
画(同)
     f.日米欧核データライブラリーを用いた崩壊熱総和計算の一致度
       について (親松委員)
     g.核分裂生成物からの崩壊熱及び遅発中性子放出量の新しい推定法(同)
     h.核分裂生成物の遅発中性子総和計算における誤差評価 (同)
     i.弥生炉における崩壊熱測定実験の報告(PNC日向野氏)

1。特別講演および報告事項
1)山田委員が、原子核質量のシステマチックスとβ崩壊のモデル化、およびこれら
にかかわる諸量の予測・推定に関するこれまでの研究経緯とその成果を紹介した。こ
れに核分裂収率を加えれば、当WGのスコープをほぼ全て網羅するものであり、活発
な質疑があった。(資料a)

2)資料b、cに基づき,シグマ委員会の最近の動き、および3年に一度開催される
核データ国際会議(NDST97, May 1997, Trieste, Italy)の準備状況が、吉田委員よ
り報告された。

2。審議事項
1)資料dに基づき,前回議事録を確認したうえで、資料eをベースに今後のWG活
動に関する審議を行った。瑞慶覧委員より、加速器ドライブ炉概念の進展に合わせ、
核分裂ばかりでなく核破砕生成物の崩壊熱にどう対処して行くか検討すべき時期にき
ているとの発言があった。さらに、融合炉崩壊熱も、今後、視野に入れて行くべきで
あるとのコメントもあり、これらについて、平成9年度に、調査と併せ前向きに検討
してゆくことを確認した。

4)今回ゲストとして出席していただいたフランスCadarache研究所のF.Storrer博士
より、フランスにおける崩壊熱および遅発中性子研究の現状が紹介された。日仏のこ
れら分野における相互交流はこれまであまり緊密でなかったが、Storrer氏の講演を
通じ、両国の交流が極めて有効かつ実り豊かなものになるになる可能性が示唆され、
今後、積極的な交流を続けて行くことを確認しあった。具体的には、Storrer氏と当
WGの実働メンバーとの情報交換会を4月に持つ一方、次回WG会合(6月予定)で
Storrer氏に再度出席をお願いし、さらに詳細な報告をしていただくこととした。

5)親松委員より、資料f、g、hに基づき、名古屋グループの進展が報告された。
結論の一つとして、WG活動の今後の進展のために、理研・京大を始めとする国内の
他のグループにも積極的にはたらきかけ、核分裂収率の測定・評価に前向きに取り組
むことの重要性が指摘された。当WGとしても、この提言を真摯に受けとめることを
確認した。

5)資料iに基づき,動燃基盤技術開発部における崩壊熱測定の計画および進捗状況
が日向野氏から報告された。加藤委員から、NaI検出器とゲルマニューム検出器の使
い分けに関する貴重なコメントが出され、日向野氏もこのコメントを可能な限り生か
して行きたいと、前向きの発言をされた。

次回予定:サブWG会合:平成9年4月後半(東海地区)
     全体会合:平成9年6月(東京)

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Tadashi Yoshida
Dept. of Physics,  Faculty of Engineering
Musashi Institute of Technology
1-28-1 Tamazutsumi, Setagaya-ku
Tokyo 158, Japan
Tel: +81-3-5707-1168
Fax: +81-3-5707-1168
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