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シグマ委員会核種生成量評価 WG
平成 8 年度第 2 回 議事録 (案)
1 日時
平成 9 年 3 月 24 日 (月) 10:00-12:00
2 場所
日本原子力研究所本部第 5 会議室
3 出席者
17 名 (順不同 敬称略)
内藤 (WG リ一ダ一: 原研), 清住 (日本総研; 金子代理), 石川 (動燃),
大川内 (動燃; オブザ一バ一), 長沖 (動燃; 青山代理), 山本 (東芝), 安藤
(東芝; オブザ一バ一), 須山 (原研), 片倉(原研), 黒澤 (原研), 林 (日立エ
ンジ), 松村 (電中研), 笹原 (電中研; オブザ一バ一), 吉田 (武蔵工大), 鈴
木 (原研), 青山 (日立), 北野 (三井造船)
4 配布資料
8-2-0 JAERI Data/Code 96-036 The Isotopic Compositions Database System
on Spent Fuels in Light Water Reactors (SFCOMPO)
8-2-1 平成 8 年度第 1 回議事録 (案)
8-2-2 PWR 及び BWR 用 ORIGEN2 核分裂収率デ一タ
8-2-3 ORIGEN2 用ライブラリ作成作業の進捗状況
8-2-4 JENDL-3.2 に基づく高速炉用 ORIGEN2 新ライブラリ一の作成と検証
8-2-5 BWR-MOX 燃料用改良 ORIGEN2 断面積ライブラリ一作成について
8-2-6 PWR 用 1 群断面積作成のための UO2 , MOX 燃料燃焼計算
5 議事内容
5.1 議事録確認
本 WG の委員とオブザ一バ一の関係が明確でない事が話題となった。議
事録作成においては「シグマ委員会のメンバ一になっているなら委員とし、そ
うでない場合をオブザ一バ一にしている」との発言があり、年度がかわった時
点で、委員を見直しする事となった。
5.2 PWR 及び BWR 用 ORIGEN2 核分裂収率デ一タ (片倉委員)
資料番号 8-1-2 により, PWR と BWR 用の ORIGEN2 核分裂収率デ一タ
の作成について報告があった。 これに関して、 Fast と thermal の定義が明
確でないとの意見があり、その閾値をいくらか動かしてみて検討した結果を次
回に報告する事となった。 また、 資料中で、 Th-232 や U-233 の断面積が
須山委員の作成したデ一タには無いとの記述があった事については、「U 燃料
なのでセル計算において考慮しなかっただけで、計算を行う事は可能である」
との回答があった。また、崩壊定数に関してはすでに、 JNDC ライブラリ の
ものを使用している事が報告された。 そして、 ORIGEN2 の値との比較があれ
ば良いと言う事になり、次回報告する事になった。
5.3 ORIGEN2 用ライブラリ作成作業の進捗状況 (須山委員)
ORIGEN2 ライブラリ作成の現状報告があり、 BWR 燃料のモデル化に
おいて若干の違いがあったので、それを修正して再計算を行った事が述べられ
た。そして、 以前問題になっていた TGBLA と SWAT による Pu-239 生成量の
違い関連して、 U-235, 238 と Pu- 239 の中性子捕獲ならびに核分裂断面積
を比較した結果が示された。また、 Pu-239 の生成量の比較も示された。 そ
れによると、 U-238 の 1 群断面積ですら差が大きく、 燃焼度 20 GWd/THM
以上から SWAT と TGBLA の生成量の差が大きくなる傾向にあることが示され
た。
これに関して、 ORIGEN2.1 は 1991 年にリリ一スされた最新の
ORIGEN2 である事、 TGBLA では 改良 Runge-Kutta 法により燃焼方程式を解
いている事、 TGBLA のエネルギ群数は詳細群 95 群であるとの質疑応答があっ
た。
5.4 JENDL-3.2 に基づく高速炉用 ORIGEN2 新ライブラリ一の作成と検証 (大
川内氏)
前回の会合において、川合委員によって実効 1 群断面積が作成されて
いたので、今回は、 そのデ一タを ORIGEN2 の format に変更して、実際に計
算をした事が報告された。その変換作業においては、 ORIGEN2 ライブラリ一
には含まれているのに、 JENDL-3.2 に含まれていないデ一タは、 ORIGEN2 の
デ一タをそのまま使用した。また、分岐比のデ一タは ORIGEN2 のデ一タをそ
のまま使用するようにした。
このように作成した、ライブラリを使用して計算を行い、 ORIGEN2 に
附属のライブラリを使用して計算した結果と比較を行った。それによると、 U
で 3 から 5 % 、 Pu で数% から 26 %、 Pu-240 に関しては約 125 % もの差
が見られた。また MA についても最大で 100 % 以上の違いが見られた。
これらの違いに関して、 核分裂と中性子捕獲断面積を比較してみた。
それによると、U で 5 から 15 % 、 Pu で 15 から 25 % の差が見られ、 Am、
Cm に関しては 50 % から80 % の差が見られた。この原因に関しては、
ENDF/B-IV と JENDL-3.2 の差に由来するものと想定している炉心の差による
ものの 2 つが考えられるが、 現段階ではそれらがどの程度影響を与えている
かは把握されていない。
高速炉用ライブラリの作成に関しては、 chain ライブラリの作成は、
軽水炉と同じように、 片倉氏が検討を行う事となった。
5.5 BWR-MOX 燃料用改良 ORIGEN2 断面積ライブラリ一作成について (安藤氏)
BWR 用 MOX 燃料に関する ORIGEN2 ライブラリの作成についての報告
があった。Pu の冨化度は、 主として取り出し燃焼度によって決るが、 BWR
の場合には、集合体内におけるスプリットがあるために、 10 wt% 程度まで検
討する必要がある事が示された。
MOX 燃料がどのように使用されるかは決っていないために、まず、
ORIGEN2 における MOX 燃料用ライブラリの作成方法をレビュ一した。
ORIGEN2 においては、 U とMOX 燃料が 3 対 7 の割合を想定して作成されて
おり、 MOX 燃料と U 燃料のスペクトルミスマッチの効果を取り入れて作成さ
れている。
作成方法の検討としては、 バンドル平均 Pu 冨化度 4.3 wt % 、 Puf
割合 0.67 を想定して ( 最高冨化度 7.8 wt %、 最小冨化度 1.8 wt%、 Gd
燃料棒本数 12 本) 集合体計算と単位セル計算を行って計算値を比較した所
(比出力 24.8 MW/T)、両者は良く一致した。
5.6 今後の進め方
以前も問題となっていたように、 ORIGEN2 用 1 群断面積は集合体平
均組成が算出されるように求められており、我々の求めた 1 群断面積とは考
え方が異なる。この事に関して、特に BWR について議論があった。 0, 40,
70 % のボイド率の結果から、炉心平均の値を作成すれば、と言う意見と、
ORIGEN2 は大雑把な結果を得るためのものであって、平均のものは必要ないと
言う意見と 2 つあった。これに関しては、結局宿題となった。
また、来年度は今年度の結果をもとにして、報告書を作成するための
デ一タを収集する活動を行うとの方針が WG リ一ダ一より出された。
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