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            崩壊熱評価ワーキンググループ会合議事録

開催日時:平成10年5月22日(金)  13:30ー17:30(原研本部第
五会議室)

出席者: 池田一三(三菱重工),大川内靖(動燃),親松和浩(名大),貝瀬與
一郎(新型炉技術開発),片倉純一(原研),加藤敏郎(岐阜医短大),瑞慶覧篤
(日立)、橘孝博(早大),中嶋龍三(法政大),松本英樹(三菱重工;田原義寿
代理),村田徹(アイテル),山田勝美(早大),吉田正(武蔵工大)
鳥丸忠彦,青山卓史(招待発表者:動燃)

配布資料:a.前回会合議事録(吉田委員)
     b.平成9年度成果と平成10年度計画(吉田委員)
     c.「常陽」使用済燃料の崩壊熱の測定と解析(鳥丸忠彦氏)
     d.軽水炉燃料集合体の崩壊熱測定の解析結果(片倉委員)
     c.平成9年度「弥生炉におけるMA崩壊熱測定実験」状況と
       平成10年度の計画(大川内委員)
     e.Possible origin of the gamma-ray discrepancy in the summation
       calculation of FP decay(吉田委員他)

1。前回議事録確認およびサブWG会合報告
1)前回(9月24日)の議事録確認を行った。これに引き続き,資料bに基づき
運営委員会に提出した平成9年度成果と平成10年度計画が報告され,基本的に承
認された。

2。招待講演
1)資料c.に基づき,「常陽」で行われている使用済み燃料の崩壊熱の測定と解
析につき,動燃実験炉部技術課の鳥丸忠彦氏が講演した。動燃では使用済み燃料集
合体一体まるごとの熱収支を長期にわたり測定することで,積分実験が極めて少な
い冷却時間20日〜160日の崩壊熱データを系統的に採取し,JNDC-V2ライブラリ
ーに準拠したORIGEN計算で解析している。まだ絶対値に不一致が残るが,時間変動
に関しては計算と実験の一致は良好であり,また,実験,解析とも今後のさらなる
進展が期待できるとのことであった。
 この講演に対するコメントとして,資料d.に基づき,片倉委員が軽水炉燃料集
合体の崩壊熱測定(海外炉)の解析結果を報告した。これによると実験と計算の一
致の程度は集合体ごとにある程度ばらつくが,全体を平均的として見れば一致は良
好である。

3。報告事項
1)資料c.に基づき平成9年度「弥生炉におけるMA崩壊熱測定実験」状況と平
成10年度の計画が大川内委員より報告された。今年度の弥生マシンタイムは年度
後半に採られており,10月,11月,2月に三回にわけて実施される。

2)資料eに基づき,吉田委員より冷却時間1000秒付近でのガンマ線成分の不
一致の原因究明の現状が報告された。今のところ,まだ解決に至っていない。また
,Lowell大学の超短冷却時間(1秒以下も含む)の純理論計算による解析結果が報
告された。

4。審議事項
1)資料bを出発点に,平成10年度以降の活動の柱となる「崩壊熱計算ライブラ
リーと整合性のあるJENDL-3.3 Decay Data File作成」の具体的内容が議論された。
これまでの成果等をふまえた必要最小限のデータの更新をおこない,JNDC FP 
Decay Data Library第2版の計算結果との整合性に留意しながら,これをJENDL 特
殊目的データファイルの一つであるDecay Data Fileとして公開することをめざす。


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Tadashi Yoshida
Dept. of Physics,  Faculty of Engineering
Musashi Institute of Technology
1-28-1 Tamazutsumi, Setagaya-ku
Tokyo 158-8557, Japan
Tel: +81-3-5707-1168 
Fax: +81-3-5707-1168
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