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河野@九大先端エネルギーです.
21日に開かれた重核評価WGの議事録(案)です.


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                  重核評価WG平成10年度第1回会合議事録(案)


  日時   : 平成10年7月21日(火)  13:30 -- 17:30 
  場所   : 原研本部 第5会議室 
  出席者 : 馬場 護(東北大), 柴田 恵一,岩本 修(原研),
           中島 豊(RIST), 松延 廣幸(データ工学), 村田 徹(アイテル),
           吉田 正(武蔵工大), 河野 俊彦(九大)

配布資料
  HN98-1   平成9年度活動報告および来年度活動計画                    河野
  HN98-2   重核評価WG作業進捗状況                                   松延
  HN98-3   240Pu}, 242Pu(JENDL-3.2)改訂作業の現状                   村田
  HN98-4   連続エネルギースペクトル                                 河野

議事

前回議事録確認
○ 「提出資料より」の第3項目が重複していたので,これを削除.

提出資料より

○ 前回のWGで提出された資料HN-97-19に基づき,偶-偶核のバンド構造に対す
   るSoft-Rotator模型解析についての説明が岩本委員よりなされた.この模
   型によって集団励起状態の測定データを良く再現でき,バンド構造の解析・
   準位の同定が可能である.また,模型パラメータのシステマティクスを得
   ていることから,バンド構造の不明なアクチニド領域の核種について,励
   起状態を推定することができることが報告された.

○ 吉田委員より,遅発中性子WGでのνdの評価の方針についての報告があった.
   WPEC/SG6での活動成果を期待することはできない状況にある.JENDL-3.3へ
   の推奨値としては,235U, 238U, 239Puの主要三核種に絞り,6群分割での
   発生割合とtotalについて,結論を動かさないというoptionも含めて今年度
   中に作業を行なう.

○ 前回のWGで提出された資料HN-97-20に基づき,238Uの連続領域のエネルギー
   スペクトルをFKK理論を用いて計算した結果が,河野委員より示された.
   DDX測定値の再現性は向上するが,ENDF/B Format上,このまま現在のファ
   イルに置き換えることはできない.File 6を使う必要があり,また,1st
   chance, 2nd chanceのσfを考慮する必要があることから,JENDL-3.2のσf
   を修正する必要がある.

○ 松延委員より,233U, 235Uの評価作業の進捗状況の報告があった(資料
   HN-98-2).233Uのσfについては, Shcherbakovの新しい測定データが入手
   できたので,データの比較検討 を行なっている.また,ベンチマーク解析
   で指摘されていたk_eff の過大は,渡辺(九大)の平均断面積の測定値に一
   致するように規格化を 行なうことで解決することが分った. 235Uの <σf>
   は,JENDL-3.1からJENDL-3.2への改訂で 0.94%増大している.これは共
   鳴パラメータをBreit-Wigner型から Reich-Moore型に変更した結果である.
   235Uでは, Leal-Derrien-Wrightによって新しい共鳴パラメータが出され
   ているの で,そちらも検討する必要がある.このパラメータを使用する事
   でベン チマーク解析にどの程度影響するかを,高野氏(原研)に確認するこ
   とと した.

○ 村田委員より,240Pu, 242Puの評価作業の進捗状況の報告があった(資料
   HN-98-3).240Puの共鳴パラメータには,Boulandらによる新しいR-matrix
   解析の結果を採用する.新しい共鳴が与えられているので,そのパラメー
   タの誤差を,共鳴幅との相関を用いて推定した.また,242PuのΓfの見直
   しを行い,Γfを一部改訂した.非分離共鳴領域については,JENDL-3.2で
   はσfを平均した値を用いているが,これをエネルギー毎に変化する実験値
   に置き換えるかどうかを検討している.

○ 連続領域エネルギースペクトルの再評価作業の進捗状況が河野委員より報
   告された(資料HN-98-4).JENDL-3.2に格納されているU,Pu同位体の, 連続
   領域エネルギースペクトルのフォーマットの調査を行なった.核温 度によ
   る表現と表形式によるものが混在しており,特に核温度表現のも のはすべ
   て修正する必要がある.また,表形式で与えられているものは PEGASUSコー
   ドによって得られたものであり,GNASH+GAMFILでの処理と は違っている.
   GNASHで得られる238Uのエネルギースペクトル から,B-Formatに格納でき
   る形に変換した結果が示された.

その他の議論

○ WPECでstandard cross sectionの再評価を行なう計画があることが柴田委
   員より報告された.このSGで,235Uのσfに関する新しい情報が得られる可
   能性がある.

次回会合
  平成10年10月12日(木) 13:30 -- 17:30 原研本部