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    シグマ委員会共分散評価ワーキンググループ議事録(案)

日 時:平成10年7月22日(水) 13:30-17:00
場 所:原研本部 第5会議室
出席者:石川 眞、横山 賢治(動燃)、中島 豊(RIST)、河野 俊彦(九大)、
松延 広幸(データ工)、村田 徹(アイテル)、山野 直樹(住友工)、
小迫 和明(住友工)、長谷川 明、杉本 昌義、岩本 修、柴田 恵一
(原研)

配付資料
COV98-11	共鳴公式による断面積の差	          柴田
COV98-12	核分裂中性子スペクトルの共分散	     河野
COV98-13	鉄の共分散の修正	               柴田
COV98-14	共分散処理システムの整備(III)の仕様試案	小迫

前回議事録確認
前回議事録を下記修正の後確認した。
Scherbakov   =>      Shcherbakov

議事
1.  共鳴公式による断面積の差
配付資料COV98-11により柴田委員がPu-239共鳴領域断面積のReich-Moore、
Breit-Wigner公式による差について報告した。1−2 keVの範囲では、全断面積、弾
性散乱断面積、核分裂断面積は最大10%程度、捕獲断面積では最大1%程度の差が
あることが分かった。Breit-Wignerに変換されたパラメータ(MF32に格納される)
はあくまで、断面積誤差を算出する際の感度係数計算に使用されるものである。従
って、Breit-Wigner型のMF32を作成するために行った変換はそれ程悪くはないと
いうのが、会合参加者の大方の意見であった。なお、同様の比較図をU-238及び
Pu-241について作っておくことになった。

2.  核分裂中性子スペクトルの共分散
河野委員より、配付資料COV98-12に基づき核分裂中性子スペクトルの共分散に
ついて説明がった。大澤氏のプログラムFISPEKL2をKALMANシステムに組み込
んで共分散を計算した。スペクトルの形は事実上TKE、aLF、aHFの3つのパラメー
タにより決定されるので、これらのパラメータの感度及び共分散を求めた。計算し
た核種はU-233、U-235、U-238、Pu-239である。このうち、U-233及びU-238はBojcov
及び東北大の測定値よりそれぞれ共分散を求めた。一方、U-235及びPu-239は大澤
氏がスペクトルのピークで与えた誤差(3%)を再現するように共分散を求めた。手
法としては、統一した方がよいのでU-233、U-238もピークで大澤氏の与えた誤差
を再現するようにした。但し、後日、報告書を纏める段階で必要になるので、ピー
クの誤差の根拠を大澤氏に問い合わせることとした。

3.  評価の進捗状況
U-233(松延)
松延委員から、共分散評価の進捗状況の説明があった。νdに関しては、測定値の
ない領域のnode pointをはずした。(n,2n)断面積の誤差は規格化の誤差より決定でき
ることが判明した。次回会合までに、作業を終了する。

4.  共分散の見直し
鉄(柴田)
配付資料COV98-13に基づき柴田委員より鉄の共分散データの見直しについて説
明があった。非弾性散乱断面積及び250 keV以上の捕獲断面積の標準偏差には
(χ2/N)1/2が掛かってなかったので修正した。共鳴パラメータより計算した共鳴領域
断面積の誤差は非常に小さいので、測定値に基づいた誤差をMF33に格納した。
現在の処理法では共鳴パラメータの誤差は断面積の誤差に殆ど寄与しないので、
小迫委員がNJOYでの処理を変えてみることにした。
その他の核種
前回、石川委員より配付された資料(COV98-9)をもとに、問題のありそうな核
種の検討を行った。その結果、次回までに以下のデータの見直しを各担当者が行う
ことになった。
U-235:捕獲断面積及び核分裂断面積の誤差が小さすぎる。松延委員が見直しを行
う。核分裂断面積については、同時評価の結果を核データセンターから松延委員に
送付する。
U-238:U-235と同様に、捕獲断面積と核分裂断面積の誤差が小さすぎる。河野委員
が検討することになった。
Pu-239:捕獲断面積の誤差は妥当と思われるが、核分裂断面積の誤差は小さすぎる
ので、柴田委員が検討することになった。
 上記3核種の非分離共鳴領域の断面積誤差については、中島委員が検討すること
になった。

5.  共分散処理システムの整備
小迫委員より、配付資料COV98-14に基づき共分散処理システムの最終年度での
整備計画について説明があった。Reich-Moore型の共鳴パラメータの処理が考慮さ
れる。?の誤差評価のために、MF34の処理が追加された。分離共鳴の処理法も検討
される。

次回会合
	平成10年10月26日(月) 原研本部