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中重核評価WG会合議事録(案)
日時:平成10年8月24日(月) 13:30-17:00
場所:原研本部第2会議室
出席者:浅見 哲夫(データ工)、渡辺 幸信(九大)、渡部 隆(川重)、
井頭 政之(東工大)、山室 信弘、柴田 恵一(原研)
配付資料
MHN-98-5 DSD断面積に関するBenzi-Reffoの論文 柴田
MHN-98-6 Cr及びTi核データの再評価の進捗状況について 浅見
MHN-98-7 V、Co-59の評価状況 渡部
MHN-98-8 Niの中性子断面積と新しい問題 山室
MHN-98-9 Nb再評価作業の進捗状況(3) 渡辺
MHN-98-10 Er-167の図 井頭
議事
1. 議事録確認
前回の議事録を確認した。
2. direct, semi-direct capture 断面積の簡易公式について
配付資料MHN-98-5に基づき柴田委員からBenzi-Reffoの論文にあるDSD
断面積の簡易公式について説明があった。FPの評価ではこの公式が用いら
れ、14 MeVで1 mbを与えるように規格化されている。
3. Cr、Ti、Wの進捗状況について
配付資料MHN-98-6に基づき浅見委員がCr及びTiの再評価について説明
した。共鳴パラメータに関しては、Cr-52ではRohr et al.(1989)のデータを加え
た。Tiの共鳴パラメータはJENDL-3.2で問題がないことが分かった。
熱領域でのガンマ線スペクトルをJENDL-3.2とENDF/B-VIで比較したとこ
ろ、Cr、Tiに関しては大体一致しているが、Wに関しては大きな差が見ら
れた。
しきい反応では、Cr-52(n,2n)の16MeV以上ではJENDL-3.2より大きめの値
を与える必要がある。それにより、Cr-nat(n,2n)の実験値との一致も良くなる
ことが分かった。Tiでは主同位体であるTi-48の(n,2n)断面積を再検討する必
要がある。
4. V、Co-59の中性子断面積について
配付資料MHN-98-7に基づき、渡部委員がV及びCo-59の進捗状況を説明
した。Vでは全断面積の共鳴領域の一部にバックグラウンド断面積を設定す
る。100 keV以上の全断面積は、Rhorの測定値をフォローする事にした。(n,2n)、
(n,p)、(n,α)断面積は測定値に合わせることにした。
Co-59では共鳴パラメータを再検討した。(n,2n)反応は積分実験を考慮して
評価する。
5. Ni、Al、Crの中性子断面積について
山室委員より配付資料MHN-98-8に基づき、担当のNiの進捗状況及びAl
とCrの計算結果について報告があった。Niについては、全断面積、弾性散
乱断面積以外は終了している。ただ、Ni-58(n,p)の5-10 MeV領域のエネルギ
ー依存性等に一部問題もあるので、中性子及び陽子の光学ポテンシャルを変
えた計算をトライする。
Al-27の(n,2n)及び(n,p)の計算結果はJENDL-3.2より最近の測定値を良く再
現している。同核種のJENDL-3.2における評価担当者である播磨、北沢両氏
に相談して、これらの計算結果をJENDL-3.3に含めるかどうか決めることに
した。
Cr-52の(n,2n)反応断面積については、浅見氏の計算と同様に16MeV以上で
JENDL-3.2より大きめの値になることが分かった。
6. Nb-93のガンマ線スペクトル
渡辺委員より配付資料MHN-98-9に基づき、Nb-93ガンマ線スペクトルの
再評価について説明があった。DSD成分を多重度1(カスケードなし)で統
計模型成分に加えると14MeVでの全体の多重度が1.457とかなり小さくなっ
てしまう。
7. Er-167の評価について
井頭委員より配付資料MHN-98-10に基づき、評価の現状が報告された。
東工大の捕獲断面積の測定結果は、Shorin(1974)の測定値とほぼ一致した。今
後これを基に、統計模型計算を行う。(n,n')の測定値は殆どないことが分か
った。
次回会合
平成10年11月12日(木)原研本部で行う。