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河野@九大先端エネルギーです.
12日に開かれた重核評価WGの議事録(案)です.

####- KAWANO Toshihiko://Advanced Energy Eng. Sci., KYUSHU -##
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          重核評価WG平成10年度第2回会合議事録(案)

  日時    平成10年10月12日(月)    13:30 -- 17:30 
  場所    原研本部, 第2会議室 
  出席者  馬場 護(東北大), 瑞慶覧 篤(日立), 柴田 恵一,岩本 修(原研),
          中島 豊(RIST), 松延 廣幸(データ工学), 村田 徹(アイテル),
          河野 俊彦(九大)

配布資料

  HN98-5  U-235中性子スペクトルの図                       柴田   
  HN98-6  Pu-240, Pu-242評価の現状                        村田   
  HN98-7  U-238非弾性散乱断面積測定値                     馬場   

議事

前回議事録確認

○ 「235Uの<σf>は」 -> 「235Uの10^{-5}から1 eVまでの平均値<σf>は」
○ 次回予定の曜日の間違いを訂正:誤 (木) ->正 (月)

提出資料より

○ 村田委員より,240Pu, 242Puの評価作業の進捗状況
   の報告があった(資料HN-98-6).Boulandらによる240Puの共鳴
   パラメータを用いて,熱領域での全断面積,弾性散乱断面積,捕獲断面
   積,核分裂断面積を計算し,Multi-level Breit-Wigner公式を採用して
   いるJENDL-3.2の断面積との比較を行なった結果が示された.全断面積,
   捕獲断面積,核分裂断面積については,MLBWで与えられている断面積と
   Reich-Moore公式で与えられるものの差は小さいが,低エネルギーでの
   弾性散乱断面積に差が現れる. 240,242Puの非弾性散乱断
   面積の角度分布を,ECISで計算した後,Legendre展開係数を求めた結果
   が示された.この展開係数から,角分布を計算し,負の断面積が現れな
   いことを確認した.

○ 柴田委員より,Soukhovitskijによって計算された235Uの中性
   子スペクトルの図が提出された(資料HN-98-5).(n,2n), (n,3n)反
   応の閾値以上でのスペクトルの形状を,現在JENDL-3.2に格納されてい
   るPEGASUSコードによる計算値と比較した.

○ 馬場委員より,東北大で得られた238U非弾性散乱断面積の測
   定値と,JENDL-3.2, ENDF/B-VIとの比較図が示された(資料HN-98-7).
   1st levelへの非弾性散乱と弾性散乱断面積の測定値を評価値と比較し,
   測定値がJENDL-3.2の評価値に近いことが示された.

その他の議論

○ JENDL-3.3に向けて,同時評価の再計算を行なうかどうかの議論があっ
   た.同時評価の結果を大きく変えるほどの新しい測定データがあまり無
   いこと,同時評価ではマルチプルチャンスを考慮できないこと,同時評
   価の結果得られる励起関数の構造が(n,3n)等の断面積の励起関数の形
   状を歪める場合があることなどが,指摘された. 評価者は,各自が
   担当する核の新しい実験データを調査し,次回の会合で同時評価の問題
   についての結論を出すこととした.

○ 高温ガス炉の臨界性能からも,235Uの熱領域での核分裂断面
   積が問題点の一つとして指摘されている.これについては,炉物理側と
   コンタクトをとり,詳しい情報を収集する. 共鳴領域は,JENDL-3.2
   への改訂でReich-Moore型に変更されているが,Leal-Derrien-Wrightの
   新しい共鳴パラメータがあるので,このパラメータを用いた場合のベン
   チマークテストを行なう必要がある.これを原研に依頼することとした.
   また,ENDF-B/VIの最新版に格納されている共鳴パラメータを調査する
   こととした.

○ 福井工大で行なわれた原子力学会で,トリウム炉心での問題点が指摘
   されていた.これについても,詳しい情報を収集し,大澤委員に連絡
   することとした.

○ 各評価者が,評価作業の現状のサマリを行なった.
    ○[238U] 問題となっている(n,2n)の閾値以上でのスペクトル
      の問題の修正を行なっている.東北大の新しい測定値が得られたので,
      (n,n')の再評価を始める.
    ○[233U] σf, (n,2n), (n,3n), νpを今までに
      検討した方針に従って修正する.また,高エネルギー領域でDirect
      Captureを取り入れる.
    ○[235U] 熱領域でのσfについては,Derrienの新しい共
      鳴パラメータを検討している.νpを改定し,高エネルギー領域で
      はDirect Captureを取り入れる.
    ○[240Pu] Boulandらによる共鳴パラメータを採用した.
    ○[241Pu] 作業を終了した.

次回会合
  平成10年12月17日(木) 13:30 -- 17:30 原研本部