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シグマ研究委員会 核データ専門委員会 荷電粒子核データWG 平成 10 年度 第 1 回会合 議事録 日 時 : 平成 10 年 5 月 22 日 (金) 13:30 〜 17:30 場 所 : 日本原子力研究所 本部 第3会議室 出席者 : 五十嵐(新技術)、北沢(東工大)、柴田(原研)、播磨(CRC)、 村田(アイテル)、山室(データ工学)、松延(データ工学) 配布資料 : 前回議事録(案) 平成9年度活動報告 及び 平成10年度作業計画(運営委員会提出資料) CP-98-01 α 粒子の光学ポテンシャルについて (北沢) CP-98-02 荷電粒子WG担当作業現状報告 (村田) CP-98-03 Alpha 粒子入射の場合における Thick Target Neutron Yield (山室) 議 事 1.前回議事録の確認 前回会合(平成9年2月14日)の議事録を確認し承認された。 2.平成9年度経過報告 昨年度は JENDL-3.3 作成に向けての評価作業が始まった年で、各委員共、先行さ せねばならない作業を抱えている為、本WGを開く余裕が無く、前回会合を開いて から本日迄に1年3カ月の空白が出来て仕舞った経緯に就て松延委員より説明と報 告を行なった。又、2月25日の運営委員会に提出した当WGの平成9年度活動報 告及び本年度作業計画の内容に就ても、同委員より説明があった。 3.一般報告 4月になって原研の上層部から原研が主催する研究委員会の見直しが強く求めら れており、シグマ委員会に対してもWG数、及び委員総数の削減が求められている 旨、柴田委員より報告があった。 これに対して、シグマ委員会としてはどう対処すべきか、又、発足より35年間 に築き上げたシグマ委員会の実績及び作業形態を如何にして上層部に理解して貰う かに就て全員で討議した。その結果、色々な意見が出たが、今後の対処の仕方とし ては各WG共、毎年何らかの結果(Output) を出して行く事が必要であるとの結論 が出された。 4.α 粒子の光学ポテンシャルについて 本WGの主要課題である (α,n) 反応断面積の解析、評価を効率的に進める為に は、α 粒子の光学ポテンシャルとして、どのような値を使用したらよいかと言う 事で、北沢委員に掲題の問題を配布資料 CP-98-01 に基いて解説して頂いた。 又、最近の推奨値としては数件のパラメータセットが有るとの事であった。 5.作業進捗状況報告 前回会合以降の作業進捗状況に就て、各委員から下記の通り報告があった。 (1)村田委員 配布資料 CP-98-02 に基いて、下記の報告があった。 C-12 及び C-13 に就ては昨年の核データ研究会で報告。断面積と角度分布、 Thick Target Yields の計算は終了しており、測定データ(断面積と中性子収 率)の再現性も極めて良好である。 Li-6 及び Li-7 に関しては Mehta 達のデータに断面積の絶対値不明、共鳴 構造の有無、角度分布の前方性 等の問題点がある。 Li-6 に対する計算法としては, knock-on 反応を仮定して計算する。 Li-7 の場合は残留核 B-10 の GS の spin parity が 3+ と比較的大きく、 1st ES が 1+, 2nd ES が 0+ である為、残留核レベル毎に共鳴幅を与えるよう 共鳴解析コードを改良する必要がある。 (2)山室委員 配布資料 CP-98-03 に基いて、下記の報告があった。 Fe-56に就て計算を行い、前回計算した Fe-54 の結果と足し合わせた中性子 収率の値を Fe-nat の測定値と比較すると 5 MeV 以上で良い一致を示した。 Fe-54 のみの結果は Roughton のデータとほぼ一致している。 Cu-63 と Cu-65 の計算結果は Stelson の断面積データとは良く一致している が、Bryant のデータとは少しずれている。中性子収率に関しては、Stelson 及び Roughton のデータと良く一致している。 Ni に関しては Ni-58 と Ni-60 に就て計算を行なった。中性子収率に就て測 定値と比較すると、Ni-58 は一致が悪い。Ni-60 は 14 MeV 以上の領域では概 ね良い一致を示しているが、低いエネルギー領域での一致は余り良くない。 Ni-58 は陽子数 28 で Closed Shell である為、計算が難しく、今後更に検討 してゆく積りである。 計算に用いた Parameter 等の検討の為、質量数の小さい核種として Al を選 び、中性子収率に就て計算結果と実験データとの比較をして見たが、大変一致 が悪い。質量数の異なる領域では、違うパラメータ値を使用する事が必要であ ると考えられる。 6.次回会合予定 平成 10 年 8 月 7 日 原研本部に於て開催予定