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河野@九大です.

昨日,東京で行なわれました,重核評価WGの議事録(案)です.

F00FC7C8
####- KAWANO Toshihiko://Advanced Energy Eng. Sci., KYUSHU -##
###--  http://art.aees.kyushu-u.ac.jp/members/kawano/  ----###
##---  TEL: +81-92-583-7587  FAX: +81-92-583-7586 --------####

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                   重核評価WG平成10年度第3回会合議事録(案)

  日時   : 平成10年12月10日(木)  13:30 -- 17:30 
  場所   : 霞山会舘, 「きく」
  出席者 : 瑞慶覧 篤(日立), 中川 庸雄, 柴田 恵一, 岩本 修(原研),
           中島 豊(RIST), 松延 廣幸(データ工学), 村田 徹(アイテル),
           河野 俊彦(九大)

配布資料

  HN98-8   原子力学会「1998年秋の大会」アブストラクト D56  瑞慶覧 
  HN98-9   U235の共鳴パラメータの現状                      中川   
  HN98-10  弾性散角分布の再評価                            河野   
  HN98-11  Pu240の熱中性子領域共鳴計算                     村田   

議事

前回議事録確認

○ 出席者名に中川委員の名前が欠落していたので,追加.
○ BoulandらによるPu240の共鳴パラメータ...核分裂断面積を計算し
      => 核分裂断面積を予備計算し
○ U235... νpを改定し =>  νpを検討し

提出資料より

○ 瑞慶覧委員より,KUCAで行なわれたTh含有炉心の臨界解析についての報
   告がなされた(資料HN-98-8).JENDL-3.2を用いてTh含有炉心の計算を行
   なった場合,k_effが過大に評価される傾向にあり,Thの共鳴領域
   での核データに問題があるのではないかという指摘がなされた.これに
   ついて,瑞慶覧委員が詳しい情報を収集し,大澤委員に連絡することと
   した.

○ 資料HN-98-8では,Thを含まない炉心についてもk_effが約1%過大
   に評価されており,問題となっている.それに関連して,中川委員が
   U235の共鳴パラメータの現状について報告した(資料HN-98-9).
   JENDL-3.2を用いたFCA-IX炉心でのC/E値は1.0109であり,共鳴パラメー
   タを1995年のDerrienらの新しい評価値に置き直すと1.0091となって,
   やや改善される.しかし,その変化は小さい.ENDF/B-VI.5では,1997
   年のLeal-Derrienの共鳴解析の結果が採用されており,この新しいパラ
   メータを用いた積分テストが,原研で進行中である.このパラメータを
   JENDL-3.3で採用するかどうかは,積分テストの結果を見て決定する.

○ 河野委員より,U238の弾性散乱断面積の角分布の再評価の結
   果が示された(資料HN-98-10).JENDL-3.2のμが10 keV付近で
   不自然な構造を持っている問題について検討したが,これは
   μを作るときの処理上の問題ではないかとのコメントがあっ
   た.また,JENDL-3.2では,分離・非分離共鳴領域で角度分布を与える
   エネルギー点が少なかったため,この点数を増やした.さらに,20 MeV
   での角分布で負の断面積が出ることが分ったので,高エネルギー領域に
   ついても,Legendre展開係数の評価をやり直した.

○ 村田委員より,BoulandらによるPu240の共鳴パラメータを用
   いた熱領域での断面積の計算結果が報告された(資料HN-98-10).
   0.0253 eVでの弾性散乱断面積の計算値が,Boulandの論文中に与えられ
   ている値と若干異なっているが,これは入力の有効数字の問題ではない
   かと推測される.共鳴パラメータの数値を河野委員に送り,計算の確認
   をすることにした. JENDLの200 eV〜5 keVの領域で,平均捕獲断面
   積が過大になっているのではないかと,Boulandらが指摘している.
   JENDLは4 keVから非分離共鳴領域としているので,関係するのは非分離
   共鳴での低いエネルギー領域だけである.非分離共鳴パラメータの調節
   によって,この領域で捕獲断面積を下げることができるかどうか,分離
   共鳴領域と接続させられるかどうかの検討を行なうこととした.

その他の議論

○ 同時評価の再計算についての方針の議論がなされた.新しいデータを調
   査した結果,新しい測定データがあまり無いことを確認した.ただし,
   U235の核分裂断面積は,13 MeV以上では同時評価の結果を用
   いず,1991年のJuelichの会議で出されたCarlsonらのデータを採用し
   ている.そのため,U235に対する相対測定で得られている他の
   断面積が変わることになる.このデータを同時評価に追加して,再計算を
   行ない,結果を検討することとした.また,U233については,
   実験データが相対測定のみなので,同時評価には含めないこととした.

○ 最終的な再評価作業の目標の設定を行なった.ファイル化の後,編集・
   ベンチマークテストまでを来年度中に終えるために,断面積だけは,
   来年9月末日までに評価およびB-Format化を終了することとした.

○ 各委員は評価作業状況及び以後の作業予定のサマリを,次回から毎回報
   告することとした.

次回会合
   平成11年2月18日(木) 13:30 -- 17:30 quad 原研本部