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河野@九州大学です.今月18日に開かれた重核評価WGの議事録です.
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重核評価WG平成10年度第4回会合議事録(案)
日時 : 平成11年2月18日(木) 13:30 -- 17:30
場所 : 原研本部, 第2会議室
出席者 : 馬場 護(東北大), 瑞慶覧 篤(日立), 中川 庸雄, 柴田 恵一, 岩本 修(原研),
中島 豊(RIST), 松延 廣幸(データ工学), 村田 徹(アイテル),
吉田 正(武蔵工大), 大澤 孝明(近畿大), 河野 俊彦(九大)
配布資料
HN98-12 Status of Resonance Parameters of Th-232 大澤
HN98-13 U-233, U235に関する評価作業状況及び作業予定 松延
HN98-14 U235積分テスト結果の比較 中川
HN98-15 Pu-240, Pu-242の改訂作業報告 村田
HN98-16 U-236断面積 吉田
HN98-17 Carlsonのデータを追加した同時評価の再計算 河野
議事
前回議事録確認
前回(平成10年12月10日)の議事録を確認した.
提出資料より
○ 大澤委員より,KUCAで行なわれたTh含有炉心の臨界解析の問題点に関連
して,{232}{Th}の共鳴パラメータ評価に関する報告がなされた
(資料HN-98-12).KUCAで行なわれたTh含有炉心計算では,JENDL-3.1と
JENDL-3.2の比較がなされているが,{232}{Th}のデータは3.1と
3.2で同一であり,計算結果の差異は他の核種のデータによるものであ
る.{232}{Th}の共鳴パラメータを改訂するとすれば,<Γγ>
を再検討する余地はあるが,積分テストへの影
響は小さいのではないかとのコメントがあった.共鳴パラメータの改訂
によって積分実験との不一致をどの程度無くすことができるかどうかを,
炉心計算側とコンタクトをとって検討することとした.
○ k_{eff}を過大評価すると報告されている{235}{U}の共鳴パラメー
タについて,その検討状況が報告された(資料HN-98-13).また,
ENDF/B-VI.5で採用されている1997年のLeal-Derrienの共鳴パラメータ
を用いた積分テストの結果が報告された(資料HN-98-14).この共鳴パラ
メータに置き換えた場合のMVPによる積分テストでは,TCA炉心に対して
は過大傾向だったものが改善されらるが,TRACYやSTACY等の漏れの多い
炉心での顕著な過大評価は,それほど改善されなかった.核分裂スペク
トルをさらに硬くすると積分テストの結果が改善されると報告されいる
が(資料HN-98-14),JENDL-3.2に格納されている核分裂スペクトルにそ
れほど問題があるとは考えにくい.k_{eff}の過大は,共鳴パラメー
タ以外にも原因があると考えて,多くの積分テストの結果を整理し,原
因をさらに調査することとした.
○ 吉田委員より,{236}{U}のデータの改訂作業予定,および作業状
況の報告がなされた(資料HN-98-16).現在,核分裂,放射捕獲反応断面
積の再検討を行なっている.高エネルギー領域での直接捕獲反応を取り
入れるため,北沢氏の計算コードHIKARIでの計算を行なった.共鳴パラ
メータについては,新しい共鳴が報告されているので,共鳴積分と熱領
域断面積を比較検討して採用するかどうかを決定する.
○ 村田委員より,Puの核分裂断面積の新しい測定値が紹介された(資料
HN-98-15).これらのデータは{235}{U}の核分裂断面積に対する比
として得られたものであるが,JENDL-3.2に格納されている値と比較的
近い.また,Boulandらによる{240}{Pu}の共鳴パラメータを用い
た断面積の計算結果が報告され,Boulandの論文中に与えられている値
とは,依然として差異があることが報告された.論文中の断面積の図と,
掲載されている共鳴パラメータの矛盾が考えられ,Boulandらの最終的
なパラメータを直接入手することとした.
○ 河野委員より,同時評価の再計算,およびJENDL-3.2で採られたCarlson
の{235}{U}のデータを加えた同時評価の結果が示された(資料
HN-98-17).同時評価の計算コードは,新たに作成されたものであるが,
JENDLに格納されている結果とほぼ同じ計算結果を与える.JENDLのおこ
なわれた同時評価以後,新しい測定データは少ないが,それらをデータ
に追加してJENDL-3.3用の再計算を行なう.その場合,{238}{U}と
{197}{Au}の捕獲断面積は,計算に入れないこととした.各評価担
当者は,新しいデータを整理して,3月末日までに河野委員に送付する
こととした.
次回会合
未定