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遅くなりましたが、12月8日に開催されました光核反応ファイル作成SWGの
第3回会合議事録(承認済み)です。


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   シグマ研究委員会・高エネルギー核データ評価WG・光核反応ファイル作成SWG

                             1998年度第3回会合議事録


日時 : 1998年12月8日(火) 14:00 - 16:30
場所 : 原研本部第2 会議室
出席者 : 浅見、岸田、深堀、真木、村田
欠席者 : 千葉、肥田

配布資料:
 HE-PHOTO-98-8  : ファイルチェックの作業結果(真木、深堀)
 HE-PHOTO-98-9  : C, N, O 光核反応ファイル化の現状(村田)
 HE-PHOTO-98-10 : 光核反応断面積評価進行状況報告(岸田)

議事 :

   1. 前回会合の議事録確認を行ない一部修正をした後、承認された。

   2. 評価現状報告

      (a) 真木委員が資料HE-PHOTO-98-8に基づきV-51, Fe-54,56, Zn-64, Gd-160のファイル
          チェック結果について報告した。
          陽子放出およびα粒子放出の閾エネルギーが中性子放出より低い場合、ファイルには
          中性子放出閾エネルギー以上しか入力されていないため、チェックにかかってしまう。
          評価断面積はゼロでも良いから、閾エネルギーが最も低い粒子放出反応から入力して
          おく必要がある。
            誤差ファイルにバリアンスデータしか与えていないため、共分散ファイルが欠けて
          いるというチェックにかかる。しかし、共分散データは与えない仕様にしているので、
          光核反応ファイルに関してはこのチェックを無視する。
            DDXデータにALICE-Fの出力そのものが入力されているので、Kalbach-Mann のシステ
          マティックスを使用できるような形式にDDXデータを修正する必要がある。PEND6-Fの入
          力パラメータを変更して、再度ファイルを作成し直すこと。

      (b) 村田委員が資料HE-PHOTO-98-9に基づきC-12の光核反応放出粒子のEDXの計算値と実験値
          の比較について報告した。
          EDXの計算は、光核反応を扱えるように改造したEXIFONコードで行なった。d, t, He-3,
          αのMSD過程からの放出ではIwamoto-Haradaの理論に基づいた粒子放出確率を用いた。
            改造EXIFONコードによるEDXの計算値と実験値の一致はあまり良くない。特に、改造
          EXIFONコードは巨大共鳴領域のα粒子放出を大きく過大評価してしまう。その影響で、
          陽子および中性子放出断面積が過小評価されてしまう。ただし、EDXの評価値は実験値
          を基に評価した断面積を使用しているので、この計算値が評価ファイルに反映されるこ
          とはない。この計算の目的は、改造EXIFONコードから得られるDDXの角度分布の妥当性を
          検証するためであるが、EDXの不一致がこれだけ大きいと角度分布の計算値がどれだけ実
          験値を再現するか、多少の疑問は残る。しかし、DDXの実験値はと計算値を評価対象の全
          エネルギー領域で比較するのは困難なので、改造EXIFON コードによる角度分布の計算値
          を、評価値として採用することに決定した。

      (c) 岸田委員が資料HE-PHOTO-98-10に基づきSi-28,29,30, Nb-93, Pb-206,207,208の断面積
          評価と問題点に関して報告した。

         i. Pb-206,207,208の評価値は0.5 MeVステップで与えられていたが、40 MeVまでは中性子
            放出断面積のスプライン補間を行ない、0.2 MeVステップでALICE-Fによる理論評価を
            やり直した。コメントファイルと誤差ファイルを残してファイル化完了。
        ii. Nb-93はコメントファイルと誤差ファイルを残してファイル化完了。
       iii. Si-29は、1および2中性子放出断面積の比よりレベル密度パラメーターを決められな
            い(2中性子放出断面積の測定値欠如のため)ので、レベル密度パラメーターとして
            A/9 MeV^-1を用いてALICE-Fで理論評価をした。コメントファイルと誤差ファイルを
            残してファイル化完了。
        iv. Si-30は、ALICE-Fのレベル密度パラメーターをどの様に変化させても、1および2中性
            子放出断面積の比を再現出来なかったので、レベル密度パラメーターとしてA/9 MeV^-1
            を用いて理論評価をした。コメントファイルと誤差ファイルを残してファイル化完了。
         v. Si-28では、ALICE-Fの理論評価はα粒子放出を過大評価してしまい、中性子および陽
            子放出断面積を再現しない。これは、クーロン・バリアーにシャープ・カット・オフ・
            モデルを使用しているためであると思われるので、クーロン・バリアーの補正パラメー
            ターを導入して、測定断面積を再現するように理論評価を行なっている。この際、Si-28
            には吸収断面積の測定値が存在するので、和則を満たすような補正パラメーターを求め
            ようとしているが、なかなか困難でる。レベル密度パラメーターとしてA/9 MeV^-1を用
            いている。

           今後、ファイルチェック結果で判明した不具合点を修正し、最終評価ファイルを作成する。

3. 次回予定

    (a) 次回は平成11年2月25日(木)に原研本部で開催予定。
    (b) 主な内容は、
          i. 一般連絡事項
         ii. 光核反応断面積測定に関する原田氏の講演
        iii. 評価現状報告(各委員)
         iv. その他