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                 シグマ研究委員会 核データ専門部会
      荷電粒子核データWG 平成 10 年度 第 3 回会合 議事録

日 時 : 平成 10 年 11 月 27 日 (金)   13:30 〜 17:00

場 所  : 日本原子力研究所 本部 第 2 会議室

出席者 : 五十嵐(新技術)、柴田(原研)、播磨(CRC)、村田(アイテル)、
      山室(元東工大)、松延(データ工学)

配布資料 :

  前回議事録(案)
  CP-98-07  荷電粒子WG担当作業現状報告          (村田)
    CP-98-08 Cr-50 + α Reaction Thick Target Neutron Yield (山室)
    CP-98-09 List of the (α,n) Cross Section Data      (松延)
    CP-98-10  (α,n) 反応以外の α-入射反応データのリスト   (松延)


議 事

1.前回議事録の確認

  a) 一般報告の中の c) 原研委員会のリストラに関する報告事項は委員数に不確定
     要素がある為、削除する事にした。

  b) 北沢委員による O-16 の中性子ポテンシャルの解析結果の報告の中で、Dave-
     Gould の測定値は解析値ではないかとの指摘があったので、これは北沢委員に
   直接確かめる事にした。

2.一般報告

   柴田委員より下記の報告があった。

 a) 11月の原研人事異動で、松浦祥次郎副理事長が理事長に就任された。

 b) 来年1月 28, 29 日の2日間、東海研究所において遅発中性子データに関する
   専門家会議を開催する事になった。

3.懸案事項報告
   厚いターゲットによる2次中性子エネルギースペクトルの整備に関しては本WG
  では辞退したい旨、運営委員会に申し入れていたが、核種生成量評価WGリーダー
  の内藤俶孝氏からの要請により、11月5日に開かれた同WGで荷電粒子核データW
  Gの活動状況と2次中性子エネルギースペクトルに関する経緯に就て説明した上で
  、同スペクトルの必要性に就て核種生成量評価WGメンバーの意見を聞いたところ、
    薄いターゲットによる2次中性子スペクトルが整備されるのであれば、厚いターゲ
    ットのスペクトルは必要無いとの意見が圧倒的に多く、内藤氏もこの意見に同意し
    たので、本件は整備する必要は無くなった旨、松延委員より報告があった。

4.作業進捗状況報告

 (1) 村田委員
  
    配布資料 CP-98-07 に基いて下記の報告があった。

  a) Li-7 の (α,n) 反応 に関しては, 63-Mehta のθ=0°における(α,n) 微分
        断面積, 72-Van der Zwann 及び 59-Gibbons の (α,n) 断面積, 73-Bair の
        Thick Target Neutron Yield の 実験値を総合した共鳴解析を実施した。この
    解析結果はそれぞれ 3 枚のグラフに示された。尚、この解析に使用した角度
    分解能に誤りがあったので、再解析の必要がある。

  b)  Li-6 の (α,n) 反応 に就ては, 63-Mehta の前方(θ=0±7.5°) における相
    対中性子収率を断面積の相対値として、簡易統計モデルと簡易直接過程モデル
    を用いて断面積の絶対値を決定する解析を実施中である。

 (2) 山室委員

    配布資料 CP-98-08 に基いて、下記の報告があった。

       SINCROS-II コードを用いて Cr-50 の (α,n) 反応断面積を計算し,これから
        Cr-50 の中性子収率を導出して 74-Vlieks の測定データと比較したが、概ね
        良い一致が得られた。測定データを再現するにはどうしても Precompound
        Process を入れる必要がある。6 MeV 以下の立ち上がりの領域で、測定データ
        との不一致が見られるが、この領域はもっと詳細な計算を行えば良い一致が得
        られると思う。

  (3) 評価担当核種の確認と作業状況報告

    当WGで評価している下記の 14 元素, 32 核種

        Li-6,-7, Be-9, B-10,-11, C-12,-13, N-14,-15, O-17,-18, F-19, Na-23,
        Al-27, Si-28,-29,-30, Cr-50,-52,-53,-54, Fe-54,-56,-57,-58, 
        Ni-58,-60,-61,-62,-64, Cu-63,-65

        の担当者の確認を行うと共に、村田、山室 両委員以外の担当者からそれぞれ
    の作業状況が報告された。

  a)  柴田委員 (Be-9, B-10,-11)

        実際の核種に就ては未だ解析は実施していないが、計算コードのテストランは
    終了している。

  b)  松延委員 (F-19, Na-23)

        EGNASH3 コードによる解析を予定しているが、未だ実施していない。8月に
     内藤俶孝氏から連絡があり, JAERI 1324 「(α,n) 反応と自発核分裂による
    中性子収率を計算するためのデータブック」のテーブルに幾つかのミスプリン
    トがある事が判ったので、そのチェックと修正に可成りの時間を割いている。

  c)  北沢委員, 播磨委員 (Al-27, Si-28,-29,-30)

        解析に必要な入力データの準備は殆ど終了しているが、北沢委員が多忙を極め
    ている為、GNASH コードの最終の入力データである分散理論に基いた光学ポテ
    ンシャルの値が未だ求められていない。来年度には必ず実施する予定である。

5.配布資料の説明
  
  核データセンターの中川庸雄氏から受領した EXFOR Data (CD-ROM) の中から選び
  出した (α,n) 反応断面積データのリスト(配布資料 CP-98-09)とFloppy Disk, 
    及び (α,n) 反応以外の α-入射反応データのリスト (配布資料 CP-98-10) に就て
    、 松延委員より説明を行なった。

6.次回会合予定

   平成 11 年 2 月 26 日 (金) に原研本部に於て開催予定