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シグマ研究委員会 委員各位

山野@住友原子力です。3月29日に開催されました
Shielding積分テストWG会合の議事録(案)をお送りします。

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                   Shielding積分テストWG
                   1998年度 第1回会合 議事録(案)

日 時 :1999年3月29日(月) 13:30〜17:00
場 所 :住友原子力工業株式会社 会議室
出席者 :長谷川、前川(原研)、植木(船研)、松本、佐々木(サイクル機構)、
     市原(京大炉)、竹村(川重)、星合(CRC)、山野(住友原子力) 
講 師 :柴田(原研)           以上10名〈敬称略・順不同〉

配布資料:
SB-98- 1: 中重核データの評価状況[柴田講師]
SB-98- 2: 積分テスト対象核種に関する照会[山野委員]

議事  :
1.前回会合議事録(案)の確認がなされた。

2.中重核データ評価の進捗状況に関する報告
 柴田講師より資料SB-98-1の説明がなされた。現在中重核評価WGでは、JENDL-
3.3に向けての核データ評価作業を精力的に行っている。評価対象核種はJENDL問
題点検討小委員会で検討された Na-23, Al-27, Si, Ti, V-51, Cr, Fe, Co-59, Ni,
Cu, Nb, W, Ta-181, Erである。これらの核種/元素におけるJENDL-3.2の問題点
と再評価の方針および評価進捗状況が断面積グラフを使って説明された。各核種の概要は
次の通りである。

Na-23 : 弾性・非弾性散乱断面積がENDF/B-VI.2と異なっている。MT=51にGeel(1994)の
    測定値を考慮する。TNGによる統計模型計算を行う。ただし、JASPERベンチマ
    ーク結果ではJENDL-3.2に特に問題はなく、ENDF/B-VIより再現性が良いため再
    評価は慎重に行う。平成11年度末までに評価を完了する予定。
Al-27 : 14MeV以上で(n,2n), (n,p)反応が測定値を上回る。前平衡過程を考慮した評価
    を行う。平成11年度末までに評価を完了する予定。
Si    : 18MeV以上で東北大DDX測定値と異なる。14MeV以上でMF=5を修正する。平成11
    年度末までに評価を完了する予定。
Ti    : OKTAVIANで測定された漏洩中性子およびガンマ線スペクトルと異なる。DDX測定
    値と比較して特に問題はないと思われるが弾性散乱の角度分布は修正する。
    捕獲反応断面積、ガンマ線データ、しきい反応断面積は理論計算により改訂す
    る。平成11年9月末までに評価を完了する予定。
V-51  : keV以下の中性子スペクトルがFNS測定値と異なる。天然元素のファイルとし、
    10keV以下の全断面積(弾性散乱断面積)にBackgroundを設定する。100keV以上
    の全断面積はRhorの測定値を採用する。(n,2n), (n,p), (n,α)反応断面積は
    測定値を採用する。平成11年9月末までに評価を完了する予定。
Cr    : OKTAVIANで測定されたガンマ線スペクトルと異なる。1keV付近の全断面積が過
    小評価。捕獲反応断面積、ガンマ線データ、しきい反応断面積は理論計算によ
    り改訂する。共鳴パラメータの再評価を行う。平成11年9月末までに評価を
    完了する予定。
Fe    : 800keVから2MeVの領域での中性子スペクトルがASPIS, FNS測定値と異なる。14
    MeV付近の弾性散乱断面積の過小評価。10MeV以上で再前方の角度分布が小さい。
    ガンマ線生成データのエネルギーバランス(数100keVから2.5MeVでの捕獲ガン
    マ線データのエネルギーバランスも含む)を再検討する。平成11年12月末
    までに評価を完了する予定。
Co-59 : OKTAVIANで測定された漏洩中性子スペクトルと異なる。DDX測定値を比較した
    が特に問題はない。共鳴パラメータを見直した。(n,2n)反応断面積を見直す。
    平成11年9月末までに評価を完了する予定。
Ni    : 捕獲ガンマ線データのエネルギーバランスを再検討する。100keV以下の(n,α)
    反応断面積、共鳴パラメータの見直しを行う。平成11年度末までに評価を完
    了する予定。
Cu    : 1keV以下の中性子スペクトルがFNS測定値と異なる。共鳴パラメータを再評価
    して感度解析を行う。平成11年5月末までに共鳴パラメータを修正、その後
    積分テストによる中性子スペクトルへの感度を調べる予定。
Nb    : OKTAVIANで測定されたガンマ線スペクトルと異なる。中性子漏洩スペクトルは
    問題なし。GNASHによるsemi-direct過程を計算して見直す。平成11年9月末
    までに評価を完了する予定。
W     : OKTAVIANで測定された100keV付近の漏洩中性子スペクトル、ガンマ線スペクト
    ルと異なる。離散ガンマ線を2.5〜3MeVまで考慮し、エネルギーバランスを再
    検討する。W-186捕獲反応断面積の共鳴積分値が小さい。捕獲反応断面積、ガ
    ンマ線データ、しきい反応断面積は理論計算により改訂する。共鳴積分値につ
    いては共鳴パラメータの修正によりほぼ解決した。平成11年度末までに評価
    を完了する予定。
Ta-181: (n,α)反応断面積が1MeV以下で異なる。500keV以下の断面積をゼロとする。平
    成11年度末までに評価を完了する予定。
Er    : 新評価のため、東工大の測定値および統計模型による計算を行う。平成11年
    度末までに評価を完了する予定。

3.積分テスト実施担当およびスケジュールについて
 山野委員より資料SB-98-2の説明がなされた。柴田講師より中重核評価WGでの評価結
果が平成11年9月末および年度末に出るとの報告を受け、当WGとして遅延なく積分
テストを実施するための体制として、核種毎の対象ベンチマークおよび実施担当を以下
の通り決定した。担当委員はファイル化完了後、直ちに計算ができるように準備を行う
こととした。FNS及びOKTAVIAN実験の詳細は前川、市原委員より担当委員に数値データと
資料を送付することとした。

Working library作成         : 前川(MCNP4A/B,NJOY)、長谷川(JSSTDL)
Na    : SDT4, SDT12, JASPER : 佐々木、竹村、植木、山野
Al-27 : OKTAVIAN, others    : 市原、山野
Si    : OKTAVIAN, others    : 市原、山野
Ti    : OKTAVIAN            : 市原、星合
V     : FNS                 : 松本
Cr    : OKTAVIAN            : 市原、星合
Fe    : Broomstick,FNS,ASPIS,KfK,others : 佐々木、竹村、星合、植木、山野、
                                         (長谷川、川合)
Co-59 : OKTAVIAN            : 市原、星合
Ni(SS316): ORNL, FNS, others: 植木、松本
Cu    : OKTAVIAN, FNS       : 前川
Nb    : OKTAVIAN            : 市原、星合
W     : OKTAVIAN, FNS       : 市原、星合
Ta-181, Er : 該当ベンチマークがないため積分テスト対象外とする。

計算は担当委員の元で行うが、原研大型計算機組織の利用が必要な場合は長谷川委員に
リクエストすることとした。なお、本会合に欠席した、大橋、川合、鈴木、森、今野委
員には山野委員より照会することとした。以上の核種のうち、Ti, V, Cr, Co, Cu, Nb 
については次回会合で積分テスト結果を担当委員より報告することとした。

次回会合予定: 1999年12月22日(水)13:30〜17:30
        日本原子力研究所 本部 会議室

次回予定議題: 積分テスト結果の検討(各担当委員)
        その他
                                                                  以上
___________________________________
山野直樹 住友原子力工業(株)  核設計部
〒130-0026 東京都墨田区 両国 2-10-14
tel: 03-5624-1551 fax: 03-5624-1554
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