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崩壊熱評価ワーキンググループ会合議事録
開催日時:平成11年3月19日(金) 13:30ー17:30(武蔵工業大
学)
出席者:大川内靖(動燃),親松和浩(名大),貝瀬與一郎(新型炉技術開発),
片倉純一(原研),瑞慶覧篤(日立),橘孝博(早大),田原義寿(三菱重工),
山田勝美(早大),吉田正(武蔵工大)
配布資料:a.前回会合議事録(吉田委員)
b.核燃料サイクル専門部会の平成11年以降の体制について(吉田委
員)
c.平成10年度「弥生炉におけるMA崩壊熱測定実験」(大川内委員
)
d.JENDL崩壊データファイルの作成(片倉委員)
e.Possible origin of the gamma-ray discrepancy in the
summation
calculation of FP decayリプリント(吉田委員他)
1。前回議事録確認およびサブWG会合報告
1)前回(5月22日)の議事録確認を行った。これに引き続き,資料bに基づき
当WGが属する核燃料サイクル専門部会の平成11年以降の体制が吉田委員より報
告された。
2。報告事項
1)資料c.に基づき平成10年度の弥生炉におけるMA崩壊熱測定実験の状況が
大川内委員より報告された。U235とNp237については順調に所期の実験データが蓄積
されているが,Amについてはバックグランドの問題だ解決すべき問題として残され
ている。平成11年度前半は照射予定はなくU235とNp237データの解析評価に注力す
る。
2)片倉委員より,JENDL崩壊データファイルの雛形(第0次版)が完成した
旨報告があり,資料dに基づき,具体的な収納内容が報告された。平成11年度に
慎重なチェックとレビューを行ったうえでリリースしたい。
3)親松委員より以下の報告があった。
イ。MA崩壊熱
NpからCmに至るMAのFP崩壊熱を総和計算により詳細に評価した。 MAのFP崩
壊熱は冷却時間10の8乗秒まではU235のそれより小さいが,10の8乗秒以後急に大き
くなりCm242やCm244では2倍近くに達する。最大の原因はRh106の累積収率が
fissileの質量数とともに急速に増えるためである。
ロ。 JENDL崩壊データファイル第0次版による崩壊熱計算
上記2)のJENDL崩壊データファイル第0次版を使った崩壊熱計算を急遽実施
した。ベータ線成分はJNDC-V2と全冷却時間を通じて数%の範囲で一致しているが,
ガンマ線成分は冷却時間10の3乗秒,10の5乗秒,10の8乗秒でそれぞれ有意な違いが
見られる。
ロ。 誤差評価とFP崩壊熱ガンマ線成分
誤差評価を個々のパラメータの誤差の統計的積み上げ方式で行うと,ベータ線成分
ではそこそこ妥当な結果を与える。一方,ガンマ線成分では,測定値との比較や他
のデータファイルの計算値との相互比較を行うと評価された誤差を逸脱する場合が
多い。ガンマ線成分ではまだ解決すべき問題が残っていると考えるべきであり,弥
生炉における測定も,MAばかりに目をやらず,U235やU238も視野に入れ,この観
点からも十分に利用すべきである。
3。審議事項
1)片倉委員の報告したのJENDL崩壊データファイルの公開時期と方法につい
て議論があった。まずはFP崩壊熱への適用性が確認された時点で,例えば
Version D99として,適用限界を明示のうえ公開し,漸次改良して行くのはどう
かとの意見が大勢をしめた。
2)平成11年度の活動計画
以下の4項目を活動テーマとすることとした。
1.JENDL崩壊データファイル第0次版のチェック&レビュー
2.今年度に引き続く弥生炉崩壊熱測定実験との連携
3.総和計算データの整備(大局的理論の適用,ファイル間比較等)
4.崩壊熱積分諸実験の内容評価とデータベース化
次回会合:平成11年度前半に時機を見て開催