previous



                  シグマ研究委員会 核データ専門部会
      荷電粒子核データWG 平成 10 年度 第 4 回会合 議事録(案)

日 時 : 平成 11 年 2 月 26 日 (金)   13:30 〜 16:30

場 所  : 日本原子力研究所 本部 第 2 会議室

出席者 : 五十嵐(新技術)、播磨(CRC)、村田(アイテル)、
      山室(元東工大)、松延(データ工学)

配布資料 :

  前回議事録(案)
  CP-98-11  Li-7,Li-6(α,n) 断面積評価                    (村田)
    CP-98-12 Alpha 粒子入射の場合における Thick Target Neutron Yield (山室)
    CP-98-13 CPNDWG  平成10年度活動報告 及び 平成11年度作業計画(案)   (松延)


議 事

1.前回議事録の確認

 a) 山室委員の所属は(元東工大)と変更する事になった。

  b) 前回議事録に記載した確認事項(Dave-Gould のデータ) に就て、北沢委員に確
   かめたところ、測定データであるとの回答があった旨、松延委員より報告があっ
   た。
  c)  3. 懸案事項報告の5行目の WGメンバー を核種生成量評価 WGメンバーとする。

  d)  2 ページ 5 行目の EGNASH2 を SINCROS-II とする。

  e)  2 ページ 下から 6 行目の 中川庸夫氏 は 中川庸雄氏 の誤り。

2.改良を加えた計算コードに付ける Naming に関する討議

  海外等の他の機関で開発された計算コードに改良を加えて発表する場合、原著者の
  了解を得ていれば、原著者が付けたコード名を全く無視して別の名前を付けても良
  いのか、或は原著者が付けた名前の少なくとも一部は残した名前にすべきなのか?
  と言う問題に就て討議を行なったが、本WG内だけでは結論は得られないので、3
    月 5 日に開かれる運営委員会の折に、長谷川室長に国際的なルールを聞いておく
  事にした。

3.作業進捗状況報告

 (1) 村田委員
  
    配布資料 CP-98-11 に基き、Li-7,Li-6 の解析結果に就て下記の報告があった。

  a) Li-7 の (α,n) 反応 に関しては, 63-Mehta のθ=0°における(α,n) 微分
        断面積の角度分解能を±15°として再解析を実施した。断面積に関しては、
    7 MeV 以下で 72-Van der Zwan のデータをサポートする結果が得られた。
    Neutron Yield に就ては 79-Bair のデータを良く再現している。
        これらの解析結果を DSIG(mb/sr), SIG(mb), Neutron Yields の 3 枚のグラ
    フに示す。       

  b)  Li-6 の (α,n) 反応 に就ては, 63-Mehta の前方(θ=0±7.5°) における相
    対中性子収率を断面積の相対値として、前回報告した計算モデルに従って解析
    した。尚、この簡易統計モデルと簡易直接過程モデルの混ぜ方は最小自乗法を
    を用いて決定した。角度分布に関しては Kalbach-Mann の Systematics を使
        用して直接過程と複合過程を mix し, 0°で規格化を行った。
    Neutron Yield に就ては Li-7 と同様に, 79-Bair のデータを良く再現して
        いる。解析結果は Rel. DSIG, DSIG(mb/sr)(Ea=10, 12, 14 MeV), Neutron 
    Yields, SIG(mb) の 6 枚のグラフに示す。

 (2) 山室委員

    配布資料 CP-98-12 に基き, Cr-50 と Cr-52 の解析結果に就て下記の報告があ
        った。

    a)  Cr-50 の (α,n) 断面積の測定データは, 74-Vlieks と 91-Levkovskij の 2件
        があるが,両者の一致は悪い。14 MeV 近傍で Levkovskij のデータに合わせる
        と, Thick Target Yield が著しく測定データに合わなくなるので, 今回の解析
        では両データの中間的な断面積値を求めてみた。Cr-52 の (α,n) 断面積は Cr
        -50 とほぼ同型であるが、ピーク値は Cr-50 の約 2.5 倍程、高い値を示して
    いる。(Fig. 1)
        Cr-50 の上記の断面積から Thick Target Yield を計算すると, ほぼ測定デー
        タと一致する結果が得られた。 (Fig. 2)

    b)  (α,2n) 断面積 は Cr-50 だけに 91-Levkovskij の測定値があるが, しきい値
        (16.896 MeV) 以下の領域にデータが在る。Levkovskij のデータの この傾向は
    、他の反応にも見られるが, background の補正が悪い為と思われる。
    解析値は 30 MeV 以下で Levkovskij のデータよりも低いが, 傾向は大体合っ
        ている。20 MeV 近傍に見られる こぶ の原因に就ては次回迄に調べておく。
    (Fig. 3)

    c)  (α,np) 断面積の測定データは、Cr-50,Cr-52 の両核種に対して 91-Levkov-
        skij のデータが在るが,両者は殆ど同じ値を示している。これに対して計算値
    は何れも低い値を示しており、且つ断面積のピークの位置も測定値より 8 MeV
        程低くなっている。 (Fig. 4)

    d)  (α,nα) 断面積に関しては、両核種とも低エネルギー領域では、計算値は 91-
    Levkovskij の測定値に合っているが、断面積のピークは測定値の方が計算値
    よりも低いエネルギー点に現れる。この違いを調べるには、(α,2nα) 反応等
        の しきいエネルギーを調べる必要があると思われる。 (Fig. 5)

      今回の計算は 91-Levkovskij の実験値との比較が一つの目的であったが、上記の
  結果から見て実験値の信頼度は低いように思われる。尚、実験値には誤差が付いて
  いなかったので、10 % と仮定して図示した。

4.平成10年度活動報告 及び 平成11年度作業計画(案) の検討
      本WGの今年度の活動状況と成果、及び来年度の作業計画に就て、3月5日の運営
  委員会に報告する資料を作成する為、配布資料 CP-98-13 を叩き台として内容の検
    討を行った。其の結果、今年度の成果に関しては、WG会合に提出された解析結果
  の資料を出すよりも、各核種毎に評価作業の進捗度を報告する方が良いと言う事に
  なり、各委員より担当核種に就てその進捗度を説明して貰い、これを取り纏めて提
  出する事にした。

5.次回会合予定

   平成 11 年 5 月 末か 6 月 初旬 に原研本部に於て開催予定


-------
  松延さんが書かれたものを代理で投稿しました。
 中川@原研核データセンター