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須山@日本原子力研究所です。先日開催された核種生成量評価 WG の議事録(案)
をお送りします。

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        シグマ委員会核種生成量評価WG
		    平成11年度第1回会合議事録(案)


1. 日時
    1999 年 7 月 29 日

2. 場所
    日本原子力研究所東海研究所 研究1棟第8会議室

3. 出席者
   17名(順不同 敬称略)
    内藤(ナイス;グループリーダー),青山(サイクル機構),
    笹原(電中研;オブザーバー),松村(電中研),片倉(原研),
    佐治(TSI),田原(MHI),尾上(MHI;オブザーバー),
    林(日立エンジ;オブザーバー),望月(原研;オブザーバー),
    月山(日立エンジ;オブザーバー),須山(原研),
    青山(日立),佐久間(日立;オブザーバー),大川内(サイクル機構),
    酒井(日本総研;金子代理),安藤(原研;オブザーバー)

4. 配布資料
  11-1-1       平成10年度第1回会合議事録(案)
  11-1-2       核種生成量評価WG活動報告
  11-1-3       JENDL-3.2 に基づく ORIGEN2 用ライブラリの現状
  11-1-3-参考1 ORIGEN2.1-JNDC(ORLIBJ32) 添付 README.j
  11-1-3-参考2 1999 原子力学会春の大会(広大)での発表OHP
  11-1-4       高燃焼度BWR使用済燃料の核種組成分析結果とJENDL3.2より
               作成したORIGENライブラリを用いた解析との比較(2)
  11-1-5       核データファイルの現状調査
  11-1-6       PWR用1群断面積作成モデルの検討(MOX燃料)
  11-1-6-参考1 JENDL3.2 に基づくORIGEN2用MOXライブラリの作成検討内容
  11-1-7       MOX用ライブラリBS2M4J32.LIBによる MOX 燃料崩壊熱評価

5. 議事内容

5.1 議事録確認

  11-1-1 により議事録確認が行われた。5.5.4 については、「高速炉使用済
燃料」に「5年冷却の」を付け加えることで承認された。


5.2 活動報告(内藤)

11-1-2 に基づき、5/20 に開催されたシグマ委員会運営委員会での議論が紹介
された。 平成11年度の本WGの活動内容は、ORIGEN2 用ライブラリ作成関連の
作業(PWR,BWR-MOX ライブラリ作成及び一群断面積感度解析)を継続すること
で承認されたが、その他の部分に関して提案をしていた部分については若干の
修正がなされたことが報告された。すなわち、 「MA の断面積測定」に関して
は他の WG にて取り扱うこと、「照射燃料からの中性子報出量」については実
験結果が出てくるのをまって取り扱いを判断をするということである。
                
 
5.3 JENDL-3.2 に基づくORIGEN2 用ライブラリの現状(須山)

11-1-3 により、JENDL-3.2 より作成したライブラリの現状が報告された。昨
年度末に PWR,BWR-UO2 ならびに高速炉用ライブラリが作成され、公開レポー
トを公刊したことが報告された。また、検証作業としては原研で行っている
PWR 燃料に対する照射後試験結果の解析を行うことで進められており、実験値
との良い一致を見ていることが示されている(1999 原子力学会春の大会にて
報告)。また、BWR-MOX ライブラリの作成もなされ、パッケージングを行った
ことが報告された。


5.4 高燃焼度BWR使用済燃料の核種組成分析結果とJENDL3.2より
    作成したORIGENライブラリを用いた解析との比較(2)(笹原)

11-1-4 により、電中研が欧州超ウラン元素研(TUI) において行っている BWR
 燃料の照射後試験の解析を JENDL-3.2 より作成したライブラリを使用して行
った例が示された。実験値が得られた集合体の形式は STEP-3 であるが、
U-235 の初期濃縮度が低いために STEP-2 用ライブラリを選択することも可能
であるという、ライブラリの選択の任意性が存在するが、本解析の結果からは、
初期濃縮度をライブラリ選択の基準とするのが良い結果を得られる。また、
U-235の計算値の差が大きいのは、U-238 で規格化をしたU-235 の残存量を比
較しているためであり、U-235 の残存量は質量比で 0.7 % 以下と非常に少な
くなっているからであるとのことであった。その他ボイド率の決定方法に関す
る議論があった。


5.5 核データファイルの現状調査(安藤)

11-1-5 により、核データファイルの現状が報告された。 JENDL-3.2、
ENDF/B-VI、JEFF-2.2、 BROND-2 の 4 ライブラリの中で JENDL-3.2 がもっと
も充実しているが、FP は Tb が上限核種となっていること、原子番号 88 、
89 の核種は JENDL-3.2 だけが評価対象としていること、これら 4 つのライ
ブラリを使用すれば天然元素を含めて 402 核種までのデータを包含すること
が報告された。


5.6 PWR-MOX 用一群断面積作成モデルの検討(尾上)

11-1-6 により、今年度作成する PWR-MOX 燃料用ORIGEN2ライブラリ作成モデ
ルの検討が報告された。その検討の中では、全 Pu 富化度をパラメータとして
ライブラリを作成することで Pu 組成が異なった場合でも適切なライブラリを
選択することが可能であるとの方針が示された。そして、PHONIX-P を使用し
て

  1) Unit Assembly (MOX 燃料集合体) --- Full MOX 炉心を模擬
  2) Quad Assembly (UO2 燃料集合体の 1/4 領域が 3領域、MOX 燃料集合
     体の 1/4領域が 1 領域からなる集合体モデル)--- 1/4 MOX 炉心を
     模擬
  3) Single Pin (MOX 燃料集合体の Vm/Vp を有するう単一ピンセルモデル)

の解析を行い、計算値を比較した。その結果、UNIT Assembly モデルと
Single Pin モデルの差は小さく、MOX 燃料集合体の計算値を、UO2 燃料の場
合と同様に単一ピンセルモデルで模擬することが可能であることが示された。
Quadモデルと Single pin モデルの差は大きいが、Quad モデルの比出力を検
討した結果、Single Pin モデルにおいて比出力を 15 % 増大させて解析を行
うことで、 Actinide 核種に関するQuadモデルとの差を、総じて 10 % 以内に
することが可能であることが示された。また、バックリングを調整して中性子
スペクトルを Quad モデルに近づけることで、その差をさらに小さくすること
も示された。以上の結果から、Pin cell モデルを使用することで、概ね 1/4
MOX 炉心から Full MOX 炉心までを模擬出来ると結論された。

この検討結果から、議論の末、PWR-MOX ライブラリについても Single Pin Cell
 モデルを使用して作成することが承認され、富化度等の作成パラメータについ
ても本報告中で提案されたものを作成することが承認された。尚、UO2 燃料に囲
まれた状態で照射された、柔らかいスペクトルを模擬したライブラリを、テスト
用に作成することとなった。 また、PWR計算モデルの選定根拠を田原委員が資料
としてまとめ、当WGに提出することとした。


5.7 MOX用ライブラリBS2M4J32.LIBによる MOX 燃料崩壊熱評価(佐久間)

BWR-MOX ライブラリを使用した崩壊熱の再評価を、 1999年 12 月 6日版のパッ
ケージを使用して行った例が示された。FP に関しては古い結果と同様に
BS2M4J32.LIB と BWRPUPU の差は小さかったが、Actinide については差が大
きくなったことが示され、 20日の冷却後のActinide の崩壊熱は、BWRPUPU ラ
イブラリの結果と比較して BS2M4J32.LIB の結果が 30 % 大きいことが示され
た。1998 年 12 月 6 日版とそれ以前の BS2M4J32.LIB の違いは須山委員が調
査することとなった。


5.8 一群断面積感度評価

一群断面積感度評価に関して、松村、田原、尾上、青山(日立)、林,須山の各
委員(オブザーバー)で計画を立案することとなった。


次回会合予定

次回は、PWR1群定数を用いた検証計算結果の検討と感度評価計画の検討を中心に
、下記の日程で開催することとした。

  12 月 20 日 (東京)

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須山賢也(SUYAMA Kenya)@日本原子力研究所
Phone 029-282-5943  Fax. 029-282-6479
URL   http://typhoon.tokai.jaeri.go.jp/~kenya