previous

シグマ研究委員会・核データ専門部会・高エネルギー核データ評価WG
高エネルギーファイル作成SWG第2回会合議事録(案)

日時: 平成11年9月29日(月) 13:30〜17:30
場所: 原研本部第5会議室
出席者: 岡本(日大)、小迫(住友原子力)、真木(日立)、村田(アイテル)
     山野(住友原子力)、山室(東工大)、義澤(三菱総研)、渡部(川重)
     渡辺(九大)、小田野、千葉、中島、深堀(原研)
    (以上13名、敬称略、順不同)
    
配布資料:
・高エネルギーファイル作成SWG第1回会合議事録(案)
・HE-F-99-06 炭素、シリコン、マグネシウムの評価進捗状況(渡辺)
・HE-F-99-07 14N,16O評価作業報告(村田)
・HE-F-99-08 高エネルギー核データファイルの評価状況(その3)(義澤)
・HE-F-99-09 クロムのファイル化における確認事項(小迫)
・HE-F-99-10 高エネルギーファイル作成のためのツールに関する進捗状況(深堀)
・HE-F-99-11 放出粒子エネルギースペクトルの入射エネルギーに関する
         内挿法について(渡辺)
・HE-F-99-12 JENDL-HE積分テストグループの提案(山野)


議事:
1.前回議事録確認
 「高エネルギーファイル作成SWG第1回会合議事録(案)」の確認を行い、
承認された。

2.一般連絡事項
 深堀委員より、リアクタードシメトリ国際会議(9/12-17, 1999)への参加報告
と今年度の核データ研究会の準備状況報告ならびに光核反応ワークショップ
(IAEA-CRP主催、10/25-29, 1999, つくば)の案内があった。

3.炭素、シリコン、マグネシウムの評価進捗状況(渡辺委員)
 渡辺委員により進捗状況の説明(HE-F-99-06)があった。炭素については、IFMIF
用にすでに評価した80MeVまでの中性子データの一部(α粒子放出)を修正し、陽子
入射反応も含めた150MeVまでの評価作業に着手した。150MeV以上のQMD計算結果
と実験データとの比較が示された。弾性散乱外断面積は若干小さめの値を与えるが、
実験との一致は概ねよい。又、Be-7同位体生成断面積は、1桁以上小さい値となるこ
とがわかった。シリコンの中性子全断面積、弾性散乱断面積のECISPLOTによる予備
的な計算(Alの光学模型パラメータ使用)は実験値をよく再現できた。マグネシウム
については、現在実験データを収集中である旨報告された。

4.14N,16O評価作業報告(村田委員)
 村田委員より、資料HE-F-99-07を使って、評価の進捗状況の報告があった。
100MeV以上の放出粒子スペクトル計算では、当初ALICE-Fコードの使用を予定して
いたが、計算結果に問題があり、EXIFONコードを150MeVまで拡張して使用できる
ように改訂した。EXIFONコードを使った核種生成断面積評価の方針について説明
があった。

5.高エネルギー核データファイルの評価状況(その3)(義澤委員)
 義澤委員より、評価の進捗状況について資料HE-F-99-08を使った説明があった。
EXFORのサーベイ結果(V-51, Ta-181, Mo-92,94,95,96,97,98)が示された。
Ni-58, Fe-56について使用する中性子光学ポテンシャルの検討結果が報告され、
Dirac現象論に基づく九大ポテンシャルで計算した全断面積は、約150MeV以下で
LA-150評価に使われたChibaの光学ポテンシャルによる計算結果と比較的スムーズ
につながることがわかった。Na-23については、MgやAlの中性子データや陽子デー
タを使い、適用可能な光学ポテンシャルを今後検討する旨、説明があった。

6.クロムのファイル化における確認事項(小迫委員)
 小迫委員より、独自に作成中のmergenコードを使ったファイル化における問題点
や確認事項の報告(資料HE-F-99-09)があった。GNASHの計算結果から、同位体
生成断面積を導出する方法について議論した結果、深掘委員が調査することになった。
また、同位体生成断面積データについて GNASHの結果とQMDの結果が、接続エネル
ギーで不連続となる点も今後の検討課題となった。

7.高エネルギーファイル作成のためのツールに関する進捗状況(深堀委員)
 深堀委員より、資料HE-F-99-10を使って、高エネルギーファイル作成のための
ツール開発の現状報告があった。QMD出力の核分裂断面積の取り扱いについて議論
した結果、A<100の核種に関しては、QMD出力のMF=3/MT=18は除くことにした。
QMD出力の同位体断面積データの取り扱いについては、プロットした計算結果を個別
によく検討して、とくに問題なければファイル化を行う手続きを取ることになった。
また、GNASHファイルおよびQMDファイルの統合して1つにファイル化にするツール
用にCRECTJ6を改造中である旨報告された。その他、COMPATH用preprocessor、
TOTELA、ADDQコードについて、それらの開発状況の説明があった。

8.放出粒子エネルギースペクトルの入射エネルギーに関する内挿法について
 (渡辺委員)
 渡辺委員より、資料HE-F-99-11を使って、標記内挿法に関するコメントがあった。
隣り合った入射エネルギー2点に対応するエネルギースペクトルをそれぞれ当分割し
て、各々の分割点の断面積間で内挿する方法が妥当であることが紹介された。なお、
この方法による内挿スキームは、ENDF Data Formatでは、INT=21〜25(unit-base
interpolation)で与えられる。現在作成中のHigh energyファイルでは、この内挿
スキームを採用することが了承された。

9.JENDL-HE積分テストグループの提案(山野委員)
 山野委員により、資料HE-F-99-12を使って、JENDL-HE積分テストを実施する
グループ発足に関する提案があり、委員間で意見交換を行った。

10.その他
 次回会合は2000年1月26日(水)の予定

次回までの検討課題
(1) EXFOR未格納実験データの収集状況リストの作成(渡辺、深堀委員)
(2) 上記6で議論された同位体生成断面積ファイル作成に関する検討(深堀委員)
(3) 上記9の提案(積分テスト)についての検討