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各位
遅くなりましたが荷電粒子核データWGの第一回会合議事録(承認済み)を
お送りします。
(株)データ工学
松延 廣幸
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シグマ研究委員会 核データ専門部会
荷電粒子核データWG 平成 11 年度 第 1 回会合 議事録
日 時 : 平成 11 年 6 月 4 日 (金) 13:30 〜 16:30
場 所 : 日本原子力研究所 本部 第 2 会議室
出席者 : 北沢(元東工大)、村田(アイテル)、山室(元東工大)、
松延(データ工学)
配布資料 :
前回議事録(案)
CP-99-01 CPNDWG 平成10年度 活動報告 及び 平成11年度 作業計画 (松延)
CP-99-02 F-19 及び Na-23 の (α,n) 反応断面積計算結果 (松延)
CP-99-03 N-14(α,n)F-17 断面積評価作業 (村田)
議 事
1.前回議事録の確認
2.報告事項
(1) 改良を加えた計算コードに付ける Naming に関する問題
海外等の他の機関で開発された計算コードに改良を加えて発表する場合、原著者の
了解を得ていれば、原著者が付けたコード名を全く無視して別の名前を付けても良
いのか、或は原著者が付けた名前の少なくとも一部は残した名前にすべきなのか?
と言う問題に就て3月 5 日に開かれた運営委員会において、長谷川室長に国際的
なルールを聞いたところ、現時点で特にルールは無いが、計算コード等の著作権の
問題に就ては今後益々うるさくなることが予想されるので、原著者が付けたコード
名と異なる名前を付けるのは極力避けて貰いたいとのコメントがあった旨、松延委
員より報告があった。
(2) 当WGの作業終結に就て
3月5日の運営委員会において報告した、当WGの10年度活動報告及び11年度作業
計画に対して、(α,n) 反応データの需要に関する将来性が不透明な為,当WGの作
業は本年度末を以て終結し、報告書を纏めて貰いたいとの要請が長谷川室長及び吉
田主査よりあり、又、5月21日には柴田委員からも核データセンターの意向として、
今年度内に今迄の作業の成果を纏めてファイル化して欲しいとの要請があった旨、
松延委員より報告があった。
上記の要請に対して、出席委員の了承が得られたので、今後は今迄の成果を纏め、
ファイル化を完了させる方向で作業を進める事になった。
3.作業進捗状況報告
(1) 松延委員
配布資料 CP-99-02 に基き, F-19 及び Na-23 の (α,n) 反応断面積を EGNASH2
コードで計算した結果が報告された。
a) F-19 に関しては EGNASH2 コードに内蔵されているパラメターをその儘使用し
て計算したが、その結果は 立ち上がりから 8 MeV 迄の領域では 84-Norman
の測定データを良く再現している。唯, 8 〜 10 MeV の領域では測定データが
8 MeV 近傍のデータと横並びになっており,計算値との間に 100 mb 程の差が
生じているが,この原因はよく判らない。(Fig.1)
この図には 89-Heaton の thick target yield data (評価値)から導出した
断面積をプロットしてみたが,この評価値は 84-Norman のデータに基いている
事が良く判る。
b) Na-23 に就ては F-19 の場合と異なり、内蔵されているパラメータを使って計
算した結果は 82-Norman の測定データと比べて非常に低い値になった。それで
Na-23 の準位密度パラメターの値を 40 % 程大きくして計算したが、それでも
5 〜 9 MeV の領域で,測定値の下限よりも低い。従って計算はもう少し改良の
余地がある。(Fig.2)
(2) 村田委員
配布資料 CP-99-03 に基き、N-14 の解析結果に就て下記の報告があった。
6.0 〜 19.75 MeV の入射エネルギーによる N-14 の (α,n) 反応で生成された
F-17 の activity を測定した W.Gruhle 達 (1972) のデータを解析した結果、
測定値を殆ど再現する良好な結果が得られた。
( (α,n) 反応断面積の図 と 共鳴パラメータ の表 )
しかし、下記のような問題点が残っている。
Gruhle 達のデータは F-17 の生成断面積であり、中性子生成断面積ではない。
F-17 の 0.6 MeV 以上の励起準位への中性子放出は、O-16 + p channel に逃
げる為、F-17 生成断面積には殆ど含まれていない。
従って、今後の作業では、F-17 の GS + 1st への中性子放出と、それ以上の
レベルへの中性子放出の割合を推定して、F-17 生成断面積を補正し、中性子
生成断面積を定める必要があるが、0.6 MeV 以上の励起準位から基底状態へ
落ちる Branching Ratio を決めるのが困難である。中性子生成断面積を決定
した後、Thick Target Neutron Yields の実験値と比較する。
4.今までの作業結果の問題点 及び 今後の作業スケジュール
(1) 山室委員
Cr-50, 52, 53, 54 に就ては未着手のものも在るが、今迄の解析結果から見て
評価値は出せると思う。
Fe-54, 56 の解析は終了しており、これから最終評価値を作成する。
Fe-57, 58 は測定データが無いので、解析だけから評価値を決めるしかない。
Ni-58 だけが一番問題があり、再検討が必要である。
Ni-60, 61, 62, 64 の解析は一応終了している。
Cu-63, 65 の解析も終了しており、これから最終評価値を作成する。
(2) 北沢委員
Al-27, Si-28, 29, 30 の解析は、最近、原研が入手した Quick GNASH を使用
して実施する予定である。この Quick GNASH には ECIS コードが組込まれて
いるので、変形核に就ても適用出来る。
5.その他
山室委員より評価値を格納するファイルは MF3 なのか、又は MF6 になるのか教え
て欲しいとの要請があったので、本件に就ては松延委員が核データセンターに問い
合わせて次回迄に調べておく事にした。
6.次回会合予定
平成 11 年 9 月 17 日(金)に原研本部に於て開催予定
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