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9月30日に開催された、光核反応ファイル作成SWG 1999年度第2回会合の議事録案
を流します。
シグマ研究委員会・高エネルギー核データ評価WG・光核反応ファイル作成SWG
1999年度第2回会合議事録(案)
日時 : 1999年9月30日(木) 13:30 - 17:00
場所 : 原研本部第2会議室
出席者 : 浅見、岸田、肥田、深堀、真木、村田
欠席者 : 千葉
配布資料 :
HE-PHOTO-99-6 : U-235, U-238 フォーマットチェック (真木)
HE-PHOTO-99-7 : Be-9, C-12, N-14, O-16 光核反応評価作業 (村田)
HE-PHOTO-99-8 : Si-28 光核反応断面積評価進行状況報告 (岸田)
HE-PHOTO-99-9 : W-182,184,186 光核反応断面積評価資料 (浅見)
HE-PHOTO-99-10 : 光核反応断面積ファイル比較プロット図 (深堀)
HE-PHOTO-99-11 : 光核反応ワークショップ(IAEA/CRP)に関して (深堀)
HE-PHOTO-99-12 : Status of JENDL Photonuclear Data File and Intercomparison
with Other Libraries (深堀)
議事 :
1. 前回議事録確認
前回会合の議事録確認を行ない、配布資料番号の誤りを修正したのち承認された。
2. 評価・ファイル化現状報告
(a) 真木委員が資料HE-PHOTO-99-6に基づき肥田委員作成の U-235,238 評価済光核反
応断面積ファイルのフォーマットチェック結果について報告した。報告内容と討
議内容は以下の通り。
・ MF=3とMF=6で閾エネルギーが一致していない反応については、修正の必要が
ある。
・ フォーマットチェックプログラムFIZCONが中性子入射反応としてチェックを
行ったために、不要なメッセージが出力されている。また、原因が良く分か
らないメーセージに関しては、チェックプログラムのバグの可能性もあるの
で、核データセンターで調べる。
・ ガンマ線生成断面積をファイルから除くことにする。
・ コメントファイルと誤差ファイルを付加する必要がある。
(b) 村田委員が資料HE-PHOTO-99-7に基づき Be-9, C-12, N-14, O-16 の光核反応断面
積評価作業に関する進行状況ついて報告した。
・ C-12, N-14, O-16 の放出粒子スペクトルと核種生成断面積計算改造EXIFONの
クラスター形成因子をE_inc 〜 80 MeV 以上でも問題がないよう見直し、放出
粒子スペクトルを再計算した。また、核種生成断面積を計算するため、二次放
出粒子のスペクトルを出力するようにした。EXIFON 計算は終了し、現在処理
コードを整備中である。
・ Beの共鳴解析
- 実験データ (γ,abs), (γ,1nx), (γ,2nx), (γ, α), (γ,p), (γ,d)の
断面積データがある。
- 共鳴解析 (γ,abs), (γ,1nx), (γ,2nx) 断面積の予備解析を実施した。13本
の共鳴準位を導入して最小自乗適合を行った。共鳴パラメータの整
合性の検討は、(γ, α), (γ,p), (γ,d)チャネルの解析後に行い
たい。
- 問題点 一時反応後のbreak-upチャネルが多く、残留核生成断面積ファイルの
作成をどうするかが問題である。
(c) 岸田委員が資料HE-PHOTO-99-8に基づき Al-27 と Si-28 の評価進行状況について報告
した。
・ Si-28 は、吸収断面積、陽子放出断面積、中性子放出断面積の測定値がある。
ALICE-Fのdefault計算では陽子放出断面積と中性子放出断面積を全く再現しない。
その原因はアルファ粒子が放出されすぎているためなので、計算値を実験値に合わ
せるために陽子とアルファ粒子の電荷を変化させてみたが、完全に一致させること
は非常に困難である。とくに、閾値近辺の中性子断面積は全く再現できない。入射
エネルギーが23.7 MeVまでは、中性子、陽子、アルファ粒子のチャネルしか開かな
いので、粒子放出断面積と核種放出断面積は手入力で何とかファイル作成可能だが、
エネルギースペクトルをどう作成するかが問題である。
・ Al-27も、吸収断面積、陽子放出断面積、中性子放出断面積の測定値がある。
ALICE-Fのdefault計算では陽子放出断面積と中性子放出断面積を全く再現しないた
め、Si-28と同じ問題を抱えている。
(d) 浅見委員が資料HE-PHOTO-99-9に基づき W-182,184,186 の評価進行状況について報告し
た。
・ 中性子放出断面積の再適合を行い、測定値との一致を改善した。
・ ALICE-Fのdefault計算では W-186 の2中性子放出断面積をピーク値付近で約80 mb
ほど過大評価してしまう。レベル密度を小さくして、実験値を再現するように再計
算を行う。
3. 評価関連事項
(a) 深塀委員が資料HE-PHOTO-99-10に基づき、 H-2, V-51, Fe-54,56, Cu-63,65, Zr-90,
Pb-206,207,208, U-235,238 の各核種について JENDL、CNDC、EPNDL、BOFODの評価済み
光核反応断面積と測定値との比較を紹介した。JENDL光核反応データファイルに関しては、
特に再評価の必要は無いとの結論になった。実験値と評価値で違う種類の断面積をプロッ
トしていた図に関しては再プロットを行う。プロットに必要な断面積データを10月12日ま
でに深堀委員に送付する。
(b) 資料HE-PHOTO-99-11に基づき、10月25-29日に開催予定のIAEA/CRPに併せて行われる光核
反応ワークショップでの本SWGとしての発表内容につき討議した。その結果、全体的な評
価活動と軽核以外の評価手法および結果を岸田委員が、軽核の評価法と評価結果を村田
委員が発表することになった。
(c) 深塀委員が光核反応データファイル作成状況につき第9回遮蔽国際会議へ投稿した論文
(HE-PHOTO-99-12)を配布した。共著に関する各委員の了解を求め、承諾された。
4. 次回予定
(a) 次回は平成12年12月9日(木)に原研本部で開催予定。
(b) 主な内容は、
i. 一般連絡事項
ii. 評価・ファイル化現状報告
iii. その他