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平成11年度第2回医学用原子分子・原子核デ−タWG会合議事録

1.日 時: 平成11年12月9日(木) 13:30 - 17:00
2.場 所: 原研本部 第3会議室
3.出席者: 平岡武,岩波茂,上原周三,遠藤章,岡本浩一,喜多尾憲助,
       古林徹,高田信久,原田康雄,山口恭弘,
       (欠席者: 伊藤彬,尾川浩一,中井洋太)
4.配布資料 
    資料1:内部被ばく線量評価に用いる放射線データの現状(遠藤章氏)
  資料2:BNCT治療計画プログラムの現状視察報告(古林徹委員)

5.議題
5.1 平岡委員長から、運営委員会において、本WGの存続が了承され、新委員長の決定後、他のW
Gを交えて議論するとの提案があったとの報告がなされた。

5.2 内部被ばく線量評価に用いる放射線データの現状(遠藤氏)
  ICRP Publ.38 には820核種のデータが掲載されているが、1970年代の古いENSDFを基にしてい
る。1997年8月版ENSDFと比較検討した結果、4核種が収録されておらず、127核種に、10%以上のエ
ネルギーバランスの差などの崩壊図の不整合があることが判明した。これらデータの修正と共に、
新たに269核種のデータ追加を目指してデータセットの評価と修正を進めている。なお、ICRPの委
員会は2005-2007年を目途に改訂作業を計画している。

5.3 中性子捕捉用治療計画プログラムの現状(古林委員)
  BNCT治療計画プログラムに関する視察結果について、INEELで開発したSERA(Simulation 
Environment for Radiotherapy Application)を中心に報告があった。現在このプログラムは熱外
中性子を用いた中性子捕捉療法時の線量分布の計算すなわち治療計画に用いられているが、プログ
ラムの改善点としては、計算精度を左右する計算時間の短縮、3次元線量分布評価に関係する計算
単位Voxcelの取り扱い等であり、また使用者側から見た課題としては、プログラムの使用結果に対
する責任への対応などがあることの現状が紹介された。

5.4 新委員長の選出
  新委員長として古林委員が推薦され、全員の賛同があった。古林委員から、本WGは主に医学
物理学の立場から、診断、治療、防護等に関連する核データ、原子分子データを扱ってきたが、そ
れらを継続すると共に、医師など、より利用者に近い立場からの要求を汲み上げていく等、新たな
観点の導入をはかり検討を進めて行きたいこと、自由度を保ちながらも長期、短期の目標を設定し
検討を進めること、委員の増減は考えていないとの挨拶があった。他の委員から、方針の明確化、
委員会で提出された資料のまとめ方と活用、について意見が出された。今後の進め方などについて
古林委員から各委員と電子メールで連絡を取り合い、それらをもとに1/21の運営委員会に報告する
事となった。

5.5 その他
  JCO事故時における被爆線量の評価法について、経過時間と距離による変化を中心に山口委員
から説明があった。
  次回は平成12年度の早い時期。