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遅発中性子ワーキンググループ平成11年度第二回会合議事録
開催日時:平成11年12月10日(金) 13:30ー18:30(原研本部)
出席者: 大澤孝明(近畿大),岡嶋成晃(原研),親松和浩(愛知淑徳大),片
倉純一(原研),桜井健(原研),瑞慶覧篤(日立),田原義壽(三菱重工),中
川庸雄(原研),山根剛(原研),吉田正(武蔵工大)
配布資料:a.前回会合議事録(吉田委員)
b.遅発中性子6群データの算出(片倉委員)
c.JENDL3.2を用いた高速炉体系におけるbeff実験の実験解析について
(桜井,岡嶋委員)
d.実効遅発中性子割合の計算結果:TCA(中間報告)(中島委員)
e.JENDL-3.3pre/JENDL-3.2updtの遅発中性子データによるVHTRC-1およ
び-4
炉心の解析(山根委員)
f.U-235,U-238およびPu-239のnd値比較プロット(吉田委員)
g.遅発中性子データ変更に伴う軽水炉動特性への影響(田原委員)
h.Skoda JS ロッドドロップ実験に関するSG6資料(岡嶋委員)
i.ENDF/B-VI 6群パラメータを用いた反応度計算における問題点(親
松委員)
前回議事録(資料a:99/6/4)を確認したのち,以下の作業報告がおこなわれた。引
き続き今後の作業計画を審議し,次回会合までの作業内容を確認した。
1.作業経過につき以下の報告があった。
1)前回会合で選択したU-235,U-238,Pu-239の6群データセット(群崩壊定数お
よび配分割合)をSTEPITコードで再フィットした結果が,片倉委員より資料bに基
づき報告された。
2)高速炉体系におけるbeff実験の実験解析結果が,桜井委員より資料cに基づき
報告された。U-235系炉心ではC/Eは1.0に近いが,U-238系ではばらつきが大きい。
FCA,MASRCA炉心以外では非均質効果を詰める必要がある。
3)TCAにおける実効遅発中性子割合の計算結果が,岡嶋委員(中島委員代理)
より資料dに基づき報告された。現在提案されているndおよび6群定数による計算
結果は,いずれの炉心に対しても3〜4%程度大きい。ただし,6群定数の影響は
0.5%と小さい。
4)VHTRC-1および-4炉心の解析につき,山根委員より資料eに基づき報告された。
群定数の改定はbeffにはほとんど影響しないが,ペリオド法およびロッドドロップ
法による反応度測定結果を3%程度大きくする。
5)遅発中性子データ変更に伴う軽水炉動特性への影響に関して,田原委員より資
料gに基づき報告された。遅発中性子データの動特性に対する影響と,各群の遅発
中性子割合と崩壊定数の反応度に対する感度係数が調べられている。
6)ENDF/B-VI 6群パラメータを用いた反応度計算における問題点が,資料iに基
づき親松委員より報告された。特にI-137,Br-88,Te-136の核分裂収率とPn値の精
密測定の重要性が指摘された。
7)チェコのSkoda JS ロッドドロップ実験の解析に関しWPEC/SG6内で行わ
れている議論の内容が岡嶋委員から資料hに基づき紹介された。当WGとしてはこ
の議論に積極的に加わる必要はないと判断した。
2.審議
岡嶋委員より今後のWG作業の進め方につき,Step 1)実効遅発中性子割合の実験
解析からまずndの値を決め,Step 2)つぎに,ペリオド法やロッドドロップ法による
反応度測定実験解析結果から,各群の遅発中性子割合と崩壊定数につき何らかの知
見を引き出してフィードバックする,という二段階法が提案され,審議のうえ採択
された。
3.次回会合までの作業
Step 1) ndのfreeze関連
1)U-235は現行のままで,U-238のndをthermalで0.045とした暫定ファイルを作成
し解析担当者に配布する(中川委員)。
2)U-235,U-238およびPu-239のnd値比較プロット図の内容をさらに推敲する(吉
田委員)。
3)上記1)のデータで実効遅発中性子割合を再計算する(全解析担当者)。
Step 2) 反応度実験・解析関連
1)ペリオドvs反応度の感度係数を計算するとともにMOX実験についてC/Eの挙動の
感触をつかむ(田原委員)。
2)TCA実験に関しペリオドデータから反応度を求め,反応度価値のC/Eの傾向を
見る(岡嶋委員より中島委員に依頼)。
3)FCAでも上記2)に対応する作業を行う(岡嶋委員,桜井委員)。
4)VHTRCでも逆動特性法(IK法)による制御棒校正実験,ロッドドロップ実験及び
パルス中性子実験の代表例について,測定データの再解析を試みる(山根委員)。
次回予定:平成12年3月17日(金)